異世界ハンバーガーショップへようこそ
目が覚めたら、バイト先の幕百寿バーガー大宮駅前店と一緒に、砂漠のど真ん中にいた。
エアコンは効くし、どうやら食べても食べても材料すら減らないらしく、生きていける。
たまーに、旅人?が来て休憩しつつ食事しつつ宿泊する。
ハンバーガーショップだし、宿泊するのはナシなんだけど、今は私が店長代理だし仕方ないから宿泊オッケーにしてる。
そして、どうやら食事をすると傷やら治るらしく、食事は必ずしてくれるから、売上は困らない。
「コチラの建物は国王のものとする!今すぐ出ていくように」
見知らぬ偉そうなクルクル髭に、理不尽なことを言われ、兵士達に縄で拘束され、ハンバーガーショップから連れ出されようと乱暴に引っ張られたら、漫画やアニメやゲームで見た色が違うドラゴンが舞い降りた。
ドラゴン達は姿を人間に変えると、常連のルビーさん、マリンさん、ゴールデンさん、ブラックさんになった。
「コヤツは妾と契約した。たかだか人の王が、我が契約主をどうするんだ?」
イケメンゴールデンさんは、兵士?を睨みつけた。
「そうよ。主ちゃんは私達ドラゴン族の救世主。それを…そんな風に扱うなんて。人間達滅ぼしちゃうゾ」
美人ルビーさん眼が笑ってない。
「でもさ、エルフもドワーフも黙ってない。みーんな、主さんに助けてもらったし、何よりエルフは主さんが大好きだから」
美少女マリンちゃんは眉をハの字にする。
「主…困らすな。困らすならば…俺が貴様ら人間達を管理してやる。奴隷としてな…」
美青年のブラックさんは物騒すぎますから。
そして、魔法陣から姿を表したのは、エルフ領主グリスさんだ。
見目麗しい男性は241歳で、人間の25歳ぐらいにしか見えない。羨ましい。
「人間風情が彼女に…我々エルフだけではない。直にドワーフ領主、魔族公国国王も来るだろう。
我々は…彼女に命を救われた。貴様ら人間達とてそうだろう、冒険者達。
まぁ…金に目が眩んだ馬鹿な冒険者達が、彼女の情報を売り付けたんだろうがな」
私…売られたんだ。
ポロポロと涙が砂漠に落ちる。
「主等…よくもよくも!主を泣かせたな!許さぬぞ!人間達!」
「だよね…大丈夫…主ちゃんは私達ドラゴン族が護るから」
「滅ぼすか…」
「…賛成…」
「ドラゴン族、エルフ達も手伝う…」
仲良くしていたのに、結局は私だけがそう思っていたんだ。
「おいおい、俺の妃候補が泣いてるじゃねーかよ…」
「嬢ちゃん血が出とる…縄を解いてやる…幼気な少女を」
それからは、クルクル髭達は顔を青褪め、私を残し逃げ出した。
今回の件を活かし、ドラゴン達やエルフ達も1か月に1回交代で警護隊が来てくれるようになり、人間達は4匹のドラゴンが認めた人間達じゃなければハンバーガーショップには来れなくなった。
お客様は減ったけれど、コレだけは全員意見が一致した。
今日も私は砂漠のど真ん中で、ハンバーガーを提供してる。
ぜひ、異世界の砂漠で迷子になられたら声を張り上げてみてください。
頼りになる警護隊が助けに来て、ハンバーガーショップまで案内してくれますから。
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