かけがえのないもの
転生もの、書きたかったのです。
そうして、アホ面の隊長、隊員含めて周りが固まり、時を止めている間に、僕とスーは、さっさと人の輪から抜け出した。
フードを目深にかぶり、小走りで裏通りに逃げ込む。
だから嫌なんだ。
人と話さなきゃいけない買い物なんてしたくないから、スーに頼んだのに。
結局、いつも、何かしらトラブルが起きる。
スーは何も悪くないけれど、ホムンクルスは、嘘がつけない。
こんな子供が主人と言っちゃうし、なんなら自分がホムンクルスっていうこともバラしちゃう。
この4年間、本当に苦労した。
僕の魔法では、ホムンクルスは一体しか作れない。
それに、作るのにもすごく時間と労力がかかる。
このスーを作るのも、丸2日かかった。
街の近くの森に簡単な服を着た10歳の僕は転生したけれど。
持ち物なんて、何も無くて。ほんとに何も。
街に行っても、お金も無くて何も買えなかったから、僕は最初に転生した場所の森の中で、川の水をすすって、木の実を食べて、なんとか生き抜いた。
野生の獣が出たら、慣れない結界で防いだけど、とんでもなく怖かった。生きた心地なんてしなかった。震えと嗚咽が止まらなかった。
そうしながら、ようやくスーが出来た時には、大声を上げて泣いてしまった。
強面マッチョで、とんでもなく怖いものを作ってしまったけれど、そんなことも気にならないくらい。
スーは、体温のあるロボットという感じで、感情も無ければ、表情も無い。
それでも、その時の僕には唯一の味方で、かけがえの無い存在になったんだ。
でも、転生って、そんなうまくいかないと思います。




