最高かよ
煩悩
天使の名前はアルト、魔王はスー。
この2人が献身的に治療と介護をしてくれたおかげで、俺はまた歩けるようになった。
まだ、あちこち痛いけど、元の瀕死の状態から考えれば、奇跡の復活だ。
ポーションをあんなに使えるなんて、庶民じゃ有り得ないから。
アルト、何者だよ。
でも、それより何より俺が話せるようになって、1番ショックだったこと。
アルトは男だった。
しゃべり方と、体型が、そうかなとは思ってたけど。
女の子であって欲しかった、、、
くそぅっ!神様!恨むぜ!
でも、俺の家にアルトが居て、かいがいしく俺の世話をして、飯も作ってくれる。
しかも、口移しで食べさせてくれる。
もちろん、喉は治ってる。
しゃべれるんだから、そりゃそうだろよ。
でも、俺が辛そうにすると、心配して、しっかり喉の奥に届くように舌も使って、飲み込ませてくれる。
天国だろ、ここ。
聞けば、まだ10歳の子供。
俺はガキはキライだし、男なんてもってのほか。
だけど、アルトは違う。
もう、ずっとアルトがいてくれたら、他に何もいらない。マジで。
スーは、もう置物と思うことにした。
話しかけなければ、何もしゃべらないし。
もっとアルトと近付きたい。
天国って、地獄があるから分かるもの




