眠いのでIQを向上させたい
IQを高くしたい今日この頃です。
いえ、今日この頃ではなく、たった今のお話ですね。
理由は、あれです。IQの高さは行動の効率化と正の相関関係にあります。
行動を決めるのは性格ですが、今は――この椅子からベッドで眠るまでの最短経路を導くのに、IQが高いと苦労しないのです。
そうです。わたし、もう眠いのです。なるべく歩きたくありません。しかし、椅子に座って寝るという選択は翌日に響きますから避けたいのです。
わたしはベッドで眠る必要があります。これを前提かつ目的として考えます。
これから、この椅子から立ち上がり、洗面台へ向かい歯磨きを終えてベッドで眠ることが必要だということです。
さて、どうすればよろしいのでしょうか。
あ、それだけではありません。ティーカップを下げなければ。
やることが多いですね。……もう諦めてここで眠ってしまいましょうか。明日のことは明日のわたしが頑張って対処してくださいませ。
待ってください。これでは、わたしは明日のわたしを怒らせてしまうこと間違いなしです。……自分のことですから、まあ、許容できますね。待たなくて大丈夫です。
そもそも、わたしはどなたを待たせるつもりなのでしょう。眠いとおかしなことを考えてしまうものです。
それでは、おやすみなさい。
だめダメ駄目、NO!!
明日は月曜日ですよ!? 学校ありますよ、何言ってるんですか! 眠いからおかしなこと考えているんですよ。あと面倒くさがり屋だからですか!?
くぅっ、厄介な組み合わせですね。
あれ? そもそもどうしてわたし、紅茶を飲んだのでしょう? ああ。そうですよ、軍配はいまのところ睡魔の方にしっかり上がっているのですが、カフェインに期待したのです。
寝る前に何をしているのでしょうか、わたしは。
これでは最悪の場合、 ベッドにもぐりこんだときにはおめめスッキリ! やったね、明日は寝坊さんパターン を避けられませんよ。
とりあえずの対策として目覚まし時計のアラーム、しっかりセットしておかなくては。
されはさておき、今は最短ルートです。
正規のルートは、椅子から立ち上がり、キッチンでティーカップを片付け、その足で洗面台へ。歯磨きを終えたらベッドにイン。
ええ、これでしょう。あとは最短距離移動ガチ勢として角度や歩幅、歩数を考慮すれば目的を達成できそうですね。
…………おや?
お待ちください。お待ちくださいませ。
いつからわたしは立ち上がらなくてはならないと思い込んでいたのでしょう?
このまま、こう、良い感じに……何とかしてぐでーっと。上手く重力に身を任せ、しゃがみこむ要領で。
テーブルの下を通り、ショートカット。小柄なので気をつけなくとも頭をぶつける心配をせずに済みます。小柄で良いこともあるのですね! もちろん、他にもたくさんあります。体格に伴い胃が小さいので食費が浮きますし、服や靴はなかなかちょうど良いサイズが無いことで大切にするので長持ちしますし、場所の節約も……
悲しくなってくるとわかったのでもう列挙しません。
よし。これで無事にショートカット成功ですよ!
……あれ、お待ちくださいませ。
もしかして、ここからは立ち上がって歩く方が早いのではないでしょうか??
すでにテーブルの下でしゃがんでいる状態なのですが、思わぬデメリットです。
何が「いつから云々」ですか。カッコつけた意味がありません。結局立ち上がらなくてはならないではありませんか。
いえいえ、テーブルの周囲を通るよりは移動距離が短いです。これはこれで良しです。
ところで、四つ脚のテーブルなのですが、目の前の二本からか、右側の二本からか。どちらの辺から体を出しましょう?
キッチンなら目の前一択なのですが。
ですが。
わたし、気がついてしまいました。
ティーカップを洗うだけならキッチンでなくてよろしいのではないか、と。
茶渋がついてしまうのを防ぎたいだけですからね。このままずっとキッチンは使いそうにありませんが、まあ、不必要に汚してしまうよりはずっと良いでしょう。
洗面台のところまでもっていけば洗った後にそこで歯磨きができてしまうではありませんか!
つまりのつまり! 要するに!!
本当の最短ルートとは、
椅子から上手く滑り落ちてテーブルの下へ、
そこからテーブルの右側の二本脚を通過、
立ち上がりティーカップを手にして洗面台へ向かい、
片付けや歯磨きを済ませたらベッドにイン!
これだったのですね!!
いやー、すっきりしました。これからも実行するわけではありませんが、ひとまず解決です。
さて。ようやくベッドに入ってよし、眠ろう! と。こうしてリラックスしているときに限って面白い解法や、どうやって扱えばいいかわからない困った問題に対するスマートな解法が思い浮かんでしまうのはどうにかならないものでしょうか。教室で定数xで四つの文字が表せるなら与えられた式が三つしかない時点で解けないことを察して唯一の不等式から範囲を絞り込めば良いことに気がつくべきでした。
ああ、頭がさえてきてしまっています。
しかし、ここで起き上がってノートを開いたら負けです。だからといって翌朝まで覚えていられるか保証はありませんが…………
ああ、もうっ。寝ます、わたしは寝るのです!!
がんばれ、目覚ましのアラームさん!
今度こそ、おやすみなさい!!