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叱る技術は大切ですよ(余計なお世話)

 人間の多くはしょぼんとしているチビに怒りをぶつけづらいようです。

 従兄曰く「きみのおかげで叱る技術が身につく」らしいのでね。

 そうです。

 一家に一人・わたしがいても良いのではなかろうか……という提案です。


 さて。今回も意味不明な出だしですね。存じ上げております。

 これが最善なので困りものです。

 霊長類のDNAには子どもを守る本能が刻まれていますからね。使えるものは使わないと損です。


「他のことはもう良いけどさ……せめて、もう少し人のこと覚えてほしいかな」


 あああ。すみません。わたしの人に対する記憶力なんて水蒸気のようなものですから。どうか、お気になさらずです。

 顔よりも服装と体格で人間を認識しているものでして。

 先ほどの方は伊達さんにそっくりだったものでして。


 ……本当、すみません。


 さて。

 気分を入れ替えて、映画館へゴー!!

 呆れの色はありますが、伊達さんが案内を始めてくださいました。



 ここまでくるとわたしだって不安を覚えます。

 警戒心のサプリメントって無いのでしょうか。


 筋肉を鍛えるとき、プロテインという強い味方がいらっしゃるじゃないですか。

 栄養不足のときは、バランスの良い食事があるときはあるじゃないですか。


 では、警戒心は? というお話なのですよ。


 警戒心をサプリメントで摂取して、こう、警戒心に慣れていけば、近いうちに警戒心を身につけることができると考えられませんかね。







 なにはともあれ、映画には大満足です。

 テレビで見るよりも圧倒的に迫力が――


 失礼。

 電車が急停止してバランスを崩しました。

 よろけたところ、伊達さんが支えてくださり大事には至りませんでした。


「ごめんね、あと二駅だから。もうちょっと我慢してね」


 袖口をくいくいと引いて、背伸びをしました。伊達さんが少しかがんでくださったことで、なんとか耳元まで距離を詰めることに成功しました。


「ありがとうございます」


 勢いよく顔を離され逸らされてしまいました。


 解せません。ちゃんとお礼を伝えたのに、ひどくイジワルなお方です。

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