スキル
「あうぇーあう」
ステータス。
HP:15/15名前:シノン
職業:赤ちゃん
称号:創造神の加護
装備:高価なオール、おむつ、メリオールのアミュレット
レベル:6
HP:15/15
MP:12/12
筋力:12
魔力:6
体力:10
俊敏力:6
知力:160
器用さ:3
スキル:『頭突きLv1』『石頭Lv1』
ステータスポイント:0
スキルポイント:160
まず、わたしは弱い。
それは確かだ。
何故ならわたしは赤ちゃんだから。
職業にも赤ちゃんって書いているくらいには赤ちゃんなのだ。
......職業が赤ちゃんってなんだよ。
とにかくわたしは赤ちゃんなのだ。
そんなわたしが強いわけがない。
さっき戦ったカブトムシにしても、妙に強いとはいっても所詮はカブトムシなのだ。
小さな虫でしかない。
恐らくこの森にはもっといろいろな生物が潜んでいるだろう。
カブトムシなんてただの虫でしかないのだ。
虫程度になんとか勝てた程度のわたしが強いはずがない。
そんなわたしがこの森で生き残るには少しでも強くなるしかないのだ。
脳筋言うなかれ。
知恵だけでは生きていけないのだ。
やたらと知能が高いわたしが言うんだから間違いない。
そこで役に立ってくるのがシステムだ。
基本的な概要しか理解していないけど、このシステム、強くなるためにあるような気がしてならない。
かみさまこんなものをわたしに渡してどうするつもりなのかは知らないけど、わたしはこのシステムを大いに利用するとしよう。
とりあえずは、ステータスポイントとスキルポイントを振るか。
ステータスポイントは任意のステータスを上昇させることが出来る。
基本的にはレベルアップ時に獲得できるらしい。
とりあえず、今わたしが圧倒的に足らないもの、それは攻撃力だ。
赤ん坊であるがゆえに全く力が無い。
それこそ虫にしか勝てないだろう。
だから力に全ポイントを振る。
うむ。
なんとなく力が上がった気がするぞ。
次にスキルポイントだ。
スキルポイントはステータスポイントと同様にレベルアップ時に手に入る。
これを使って、スキルの強化、または獲得が可能である。
筋力と同様にわたしに今足らないもの、それは攻撃手段だ。
スキルにもあるようにわたしの攻撃手段なんて頭突きくらいしかない。
石を持って殴ることも出来るけど、わたしの手足の長さを考えれるとあまり使えないだろう。
器用さが3しかないから外しかねないしね。
そこで、わたしには新しいスキルが必要なのだ。
スキルは主にアクションスキルとパッシブスキルに分けられる。
アクションスキルは発動時に何かしらの行動と共に発動される。
パッシブスキルは常に自分に効果を及ぼすらしい。
ちなみにこれがわたしのもつスキル『頭突きLv1』『石頭Lv1』のシステムによる説明だ。
『頭突きLv1』
分類:アクションスキル
効果:頭突きによる攻撃力上昇
解説:ただの頭突き。己の頭を武器とし敵に打ち付ける技。今はまだ単なる頭突きであるが、極めれば星さえも砕く力になる、かもしれない。
『石頭Lv1』
分類:パッシブスキル
効果:頭を石のように固くする
解説:通常より硬い頭を持つ。誰にも砕けない鉄壁の頭。
なんか、この解説ってちょいちょい変な文章混じっているよね。
誰が書いているんだろう。
かみさま?
とにかく、わたしにはこれしかできないのが現状だ。
だから他のスキルも必要になってくるのだ。
えーと、今のスキルポイントで獲得できるスキルはこれだけか。
『ハイハイ』10ポイント
『ねんね』5ポイント
『たっち』20ポイント
『重力魔法』150ポイント
なんだこのラインナップは。
と、とりあえず説明を見てみよう。
『ハイハイ』
分類:パッシブスキル
効果:ハイハイによる移動に補正
解説:赤ちゃんの基本技能。たかがハイハイと舐めるなかれ。極めれば誰にも捕まえることの出来ない機動力を手に入れることが出来るのだ!!
『ねんね』
分類:パッシブスキル
効果:寝つきの上昇、体力の回復
解説:寝つきが良くなるぞ。夜中に泣くこともなくなり、全国のお母さんが大喜びするスキル。
『たっち』
分類:アクションスキル、パッシブスキル
効果:立てるようになる
解説:赤ちゃんの基本技能。立てるようになる。次のステップは捕まり歩きだ。
『重力魔法』
分類:アクションスキル
効果:重力魔法の獲得
解説:重力を操る魔法。四素の外側にあり、根源に近づく魔法。
なんだコレ。
システムっていろいろと突っ込みどころが多すぎる。
それともわたしがそういう存在なのか。
上の3つなんだよ。
赤ちゃんの基本技能って。
今、寝つきが良くなってなんの役に立つのか、立てるようになるだけでなんの役に立つのか。
まだ、『ハイハイ』が有用そうなのは救いだね。
そして、重力魔法。
魔法って、なんか火を出したり水を出したりする奴じゃなかったっけ?
わたしが知っている魔法は火魔法、水魔法、風魔法、土魔法だけなんだけどなぁ。
しかも、解説がちょっと仰々しいし。
なんで、それらの魔法よりも、少ないポイントで獲得できるのか。
わからない、わからないけど、これは獲得すべきだとわたしの中の何かが言っている。
ていうか、半分以上は好奇心だ。
ぶっちゃけなんだかカッコよさそう。
『ハイハイ』と『重力魔法』でちょうどだし、獲得しちゃおう。
「あうっ」
ーー『ハイハイ』を獲得しましたーー
ーー『重力魔法』を獲得しましたーー
よし、どれどれ。
名前:シノン
職業:赤ちゃん
称号:創造神の加護
装備:高価なオール、おむつ、メリオールのアミュレット
レベル:6
HP:15/15
MP:12/12
筋力:12
魔力:6
体力:10
俊敏力:6
知力:160
器用さ:3
スキル:『頭突きLv1』『石頭Lv1』『ハイハイLv1』『重力魔法LV1』
ステータスポイント:0
スキルポイント:0
うん、ちゃんと習得出来たね。
「ゲコゲコ」
む、敵か?
ふふふ、ちょうどいい。
ここでスキルの効果を試させてもらおうではないか。