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はじめての

赤ちゃんが主人公の話です。どうか温かく見守ってください。

「おぎゃあ、おぎゃあ」


 ーーレベルアップしましたーー


「ふぇ!?」


 その瞬間、わたしに物心がついた。


 なに、今のレベルアップって。

 ていうかここはどこ?

 わたしはだあれ?


 と、とりあえず落ち着こう。

 素数を数えよう。

 素数を数えれば落ち着くことが出来るって聞いたことがある。

 まあ、わたし素数なんて知らないんですけどね!!


 ......なにやっているんだろわたし。

 うん、ちょっと落ち着いて来た。

 とりあえず周囲を見よう。


 目に写るのは木々に覆われた空間。

 その隙間から覗かれる青空に木漏れ日。

 うん、ここ森だ。


 おっかしいなぁ、わたし、子守歌を聞きながらお昼寝していたはずなんだけどなぁ。

 とにかく帰らないと。

 一人な状況がとても怖くてこのままじゃ泣いちゃう。

 いつも起きている時は誰かしらいた気がするからなぁ。


 とりあえず、ハイハイで移動してみよう。

 残念ながらまだわたしは立てないようだし。


「ばぶー」


 それにしても一体どういうことなんだろう。

 昨日までのわたしは、ただ泣いたり笑ったり食べたり寝たりするだけだったはずなんだけど。

 それだって記憶が曖昧で正確には思い出せない。

 ただ、なんとなく知っているってだけだ。

 それがなんだか知らないけど、急に鮮明に物事を考えられるようになった。

 さっき聞こえたレベルアップって言うのが関係しているのかな。


 ていうかさっきから全然景色が変わらない。

 これ本気でどこかわからないぞ。

 どれもこれも見たこともない景色だし。


 あ、ダメだ。

 不安になって来た。

 怖くなってきた。

 泣いちゃう。


「ふぇっ、ふぇーーーーん!!」


 もうやだよう、おかあさーん、おとうさーん!!

 たーすーけーてー!!


 どれだけ泣いただろうか。

 泣けども泣けども誰も来てくれる気配はない。

 いつもなら泣いたら誰かしらは来てくれたのに。


 うぅ、どうすればいいんだ。


 ーーピコン! メールを受信しましたーー


「あう?」


 いきなり頭の中に声が聞こえてきた。

 それと同時に空中に半透明の四角いマークが浮かびあがって来た。

 手紙みたいな。

 何だろうこれ、とりあえず押してみよう。


「ちゃいっ!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 タイトル:可愛い赤ちゃんでちゅねー

 差出人:かみさま


 はーい、こんにちわー。神様でちゅよー。

 赤ちゃんなのにレベルアップするだなんてすごいでちゅねー。

 これには、かみさまびっくりしていまちゅよー。

 でも、このままじゃ普通に死んでしまうので、それは可哀そうだとかみさまは思うんでしゅよー。

 そこで! かみさまは特別に君に手助けをしてあげることにしまちた!!

 はい、はくしゅう!! パチパチパチパチ!!

 プレゼントを用意したので、それを使って頑張って生き延びてくだちゃいねー。

 なに、頭のいい君ならきっと何とかなりまちゅよ。

 それじゃ、またあとでねー!


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なんだこれ。

 かみさま?

 いや、本当にこれは意味が分からない。

 意味が分からな過ぎて、さっきまでの不安や恐怖がどこかに行って泣き止んでしまった。


 なんなのこれ。

 かみさまが私のこと見ているの?

 だったら普通に助けて欲しいんだけど。


 ーーピコン! プレゼントを受け取りましたーー


 これまた、さっきのように空中にプレゼントボックスのようなマークが現れた。

 押せってことかな?

 ......えいっ!


 ーープレゼントを開封しましたーー

 ーーシステムを入手しましたーー

 ーーこれよりシステムをインストールしますーー

 ーーインストールしましたーー


「ううっ!?」


 お、おおう。

 なんかいっきに来たな。

 システム?

 これがかみさまが言っていたプレゼント?


 わっ、なんだこれ。

 使い方が頭に浮かんできた。

 なにこれ気持ち悪っ。

 ちょっと不気味すぎるよー。

 と、とりあえず、試しに使ってみようかな。


「あうあぅー」


 あ、メニューって言ったつもりです。

 だって、まだ喋れないんだもん。

 こちとらまだ赤ちゃんなんだもん。



 ステータス

 アイテム

 メール

 ショップ

 設定



 目の前の空間に表示される文字。

 うん、こういうのもちょっと慣れてきたね。

 好きな所を押せばいいんでしょ。

 わたしのたった今、急に流れ込んできた知識も正解って言っている。


 えーと。

 確かステータスは今の自分の能力だったり、状態だったり、スキルって言うのを視覚的に見たり、管理したりできるところで、メールはさっき来たかみさまからの手紙が見える所で、ショップは通貨を使っていろいろと買い物ができるところで、設定がシステムの使い方の調節ができるところか。


 あっはっは。

 すごい、全部使い方がわかっているよ。

 かみさまってすごいなー。


 うん、このシステムがすごい物だって言うのはわかる。

 分かるけど、これを使ってわたしに何ができるんだろ。

 お家に帰りたいだけなんだけどなぁ。


 ーーガサガサ


「た!?」


 な、なんだ?

 びっくりしたー。

 すぐそこの茂みから聞こえてきたぞ。


 ーーガサガサガサ


 え、何かいる?

 ていうかこっちに向かって来ていない?


 ーーガサガサガサガサ


 そして出てきたのは大きなカブトムシだった。



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