#8 ガテンで陽気なおねいさん
《はぁい、本番~、4、3、2、・・・》
「はい、始まりました、【おねえさんのおしゃべりラジオ!】 当ラジオの司会進行を務めます、特技は何でも好き嫌いなく食べられる事、篠原 怜です」
「そして本日のゲストは・・・」
「こんちゃーすっ、あたし、塚野 栄子って言います。仕事場で、ここのスタッフさんに話しかけられた縁で、今日来ましたっ」
「凄まじい縁の力ね」
「ほんとそうっすよね~、自分でもビックリですもん」
「今、仕事場で声をかけられたって言ってたけど、どんなお仕事をされてるの? 」
「ああ、自分土方なんすよ。その前の道路渡った所の現場に入ってて。言ったらガテン系って奴っすね」
「なるほどなるほど、つまり、この番組はとうとう、素人さんを呼ばなきゃダメなくらいにゲストが来てくれないと」
「ハハッ! 昔になんかやらかしたんすか? あたしから見たら悪くない現場だと思いますけどね」
「悪い所と言えば、私が好き放題してる所かしら? ねぇ? 」(あたりのスタッフを見回す)
「うわっ! 怖いっすね、今の。でも、あなたの事好きっすよ、自分は」
「あら? 嬉しい事言ってくれるじゃない。ちなみにどういう所が好きなの? 」
「だって、あたしみたいな素人でも気さくに話してくれますし。一応緊張してたんすよー、こういうの初めてですし」
「そうなの? でも、ラジオ番組にこ慣れたガテン系さんも嫌だから、緊張してるくらいでちょうどいいんじゃない? 」
「そうっすか? いや、そうっすね、もし緊張してなかったらもっと色々言って、番組を壊してたかも知れませんし」
「流石にそれは困るわね」
「でもほんと、なーんか自然な感じでしたね、いつのまにか番組始まってましたもん」
「いつもそんな感じよ」
「って事はやっぱ、おねえさんの力ですよ」
「そういう事にしておくわ」(冷たい返答だが、少し嬉しそうな表情)
「それじゃあ番組も終盤だけれど、最後に何かあります? 」
「えーと、楽しかった! ありがとうってただそんな感じっすね」
「それでは今日はこの辺りで。また明日お会いしましょう。今日のゲストは、ガテン系のおねいさん、塚野 栄子さんでした」
《この番組は、誰でも自由に作品を、小説家になろうの提供でお送りしました》