#3 関西の血が流れる少女
《ではっ! 5、4、3、2、・・・》
「はい、始まりました、【おねえさんのおしゃべりラジオ!】 当ラジオの司会進行を務めます、最近のマイブームは、ちょっとお高い歯磨き粉を使う事、篠原 怜です」(真顔から一切表情を変えないまま言う)
「そして本日のゲストは・・・」
「あ、あのっ、初めまして・・・中野 琥凪ですっ 本日はよろしくお願いしますっ」(頬を赤く染めながら)
「・・・はい、よろしくお願いします。(ムムゥ…)ようやくマトモな方が来たのに、この心のもやはなんでしょうか・・・」(初めて曇る表情を見せる)
「? どうしましたか? 」
「いえ、何でもありませんよ。では、今日は何をしましょうか? 」
「・・・エ、ヘエェッ!? 何をしましょうか? って、もう本番始まってますよね? 」(椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がる)
「? はい、それはもちろん」(首をかしげつつ)
「いや、エライ落ち着いとるけど、普通はやる事が決まってるもんやないの!? 」(思わずツッコム)
「まぁ、そういう番組も中にはあると思いますが」
「いや、決まってるんが普通ちゃいます? 」
「普通では今の時代、生き残れないですから」(ドヤ顔)
「それはそうやけども、自信満々に言いはるなこの人・・・ いやほんま、この番組にしてこの司会者アリ、やね・・・」
「おやっ? ふふふっ、初めて褒められました、嬉しいです」(単調なトーンだが、表情は少し緩む)
「いや褒めとらへんで?! 」
「瞬きするよりも早いツッコミ、さすがです。 ・・・今日はとても満足です。笑いの本場のツッコミを体験する事ができたので」
「ゥエヘッ?! さっきまで自分、わざとボケとったんか? 」
「はい、もちろんですよ? 」
「適当やなくて、狙ったボケやったんか・・・ つまりウチは、篠原さんの手のひらで踊らされて、見せもんにされてたっちゅう事か? 」
「いや、見せもんではなく聴くもんですよ」
「ッ! 」(カッ、と目を見開く)
「やりました、本場の人にツッコむ事ができました。もうこれで今日やり残した事は何もありません」
「いやウチはめっちゃ不完全燃し《この番組は、誰でも自由に作品を、小説家になろうの提供でお送りしました》