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魔導技師モーガン

前話を改稿しました

そちらを先に見てもらったほうがいいかもです


『魔法』


イリシアは確かにそういった。

はっきりとその唇の隙間から。

おれの聞き間違いでも空耳でもなく、彼女は今魔法といった。

つまり、そういうことなのか。



・・・キタァァァアアアアアア!!



「だう!あうううぁあ!!(Ohー!Yearー!)」

「あらあら、セロったら嬉しそうね」


文字通り“魔法”の言葉にテンション限界突破グレンラガンなおれを、イリシアは少し驚いたように抱き寄せた。


だってマミー、魔法だよっ!?

全ての人間が一度は夢見るあの魔法だよ!?

興奮しないわけがないじゃないか!


「きっと魔法が気になっているのではないですかな?」

「だったら嬉しいわねぇ」

「う~~!」


いやーびっくりしたよ。

前々からもしかしたらとは思っていたけど、まさか本当に実在したとはね。

はしゃぎすぎて思わずおれのドリルが天を衝きそうになったよ。


・・・あっ、変な意味じゃないよ。

気分が高揚したってことだからね。決して、おれのまだ可愛らしいポークビッツがどうこうとか、そういう意味じゃないからね。


「いい?セロ、この人は魔導技師のモーガンお爺ちゃんよ」

「モーガンじゃよ坊ちゃん、よろしくのう」

「あうっ!(こちらこそ!)」


おれの言ったことがわかったわけではないだろうが、おれの様子を見てモーガンは見事な長髭を携えた顔を破顔させる。

魔導技師か。つまり魔法の道具を作る職人というわけだな。

ファンタジーゲームとかじゃよくある職業だ。きっとここにある商品はみんなこの人が作ったんだろう。


「触媒はあちらに。他には何か見ていきますかな?」

「そうねぇ、一通り見てみようかしら」

「それはどうも、ありがとうございます」


イリシアに連れられ、屋台の中を見て回る。

中から見た店内は外から見た感じよりも結構広く、10畳くらいの面積があった。

その中に、所せましと見たことない道具やら結晶やらが置いてある。

まさしく魔道具店って感じだ。


「あう、あう~」

「あ、こらセロ。これはお店の物だから勝手に触っちゃだめよ」

「う~・・(ちぇっ)」


近くにあったなにやら結晶を埋め込んだ杖のようなものに手を伸ばすと、その手をそっとイリシアに戻された。

ちぇ~。


「ほう、魔道具に興味がおありかな?坊ちゃん」


その様子を見たモーガンがおれの顔を覗き込んできた。

垂れた髭が少しくすぐったい。

すると、モーガンは並んでいる魔道具の一つを手に取ってにっこり笑った。


「なんなら坊ちゃん、触ってみるかい?」

「だうう!だうだうっ!(マジで!?やったぁ!!)」

「い、いてててっ。坊ちゃん、それ髭!わしの髭だから!」


はっ、しまった間違えた。

つい興奮して、魔道具じゃなくてモーガンの髭を掴んでしまった。


「ごめんなさいモーガンさん!大丈夫ですか?

もうセロったら、そういうことしたらだめじゃない」

「あううぅ・・・(ごめんよ爺ちゃん、悪気はなかったんだ・・・)」

「いやいや大丈夫、わしは気にしとらんよ。

ふっふっ、子どもは元気があっていいですのう」


イリシアに怒られてシュンとなったおれを、モーガンは朗らかに笑って許してくれた。

うう、良い人だよじっちゃん・・


「ほれ、こっちが魔道具じゃよ」

「ちゃ~~!(ふぉーっ!)」


ほーすごいなぁ、これが魔道具かぁ。

なんかキラキラしてて綺麗だなぁ。


「もうセロったら・・ありがとうねモーガンさん」

「いえいえ、この程度大したことじゃあない」


イリシアが店内をぐるっと一周している間、おれはずっと渡された魔道具に見入っていた。

いつの間にか品を選び終えたイリシアが、入り口で何やら魔道具を弄っているモーガンのところへ戻ってくる。


「今日はこれを頂くわ」

「購入は生活用触媒だけでよろしいですかな?」

「ええ」

「いつもごひいきに、お代は20,500ユリットになります」


イリシアがお札と数枚の硬貨をモーガンに渡し、品物の入った袋を受け取る。


「さあセロ、モーガンお爺ちゃんにそれを返しましょう?」

「う・・」


もうおしまいかぁ、残念だなぁ。

もうちょっと見ていたかったんだけど・・


と、おれが名残惜しそうに杖を握っていると


「それもオマケしましょう」


と、モーガンが言った。


「えっ、いいんですか?」

「ええ、いいですとも。いつもごひいきにしてもらってますから」


ほんと!?やったぁ!!

じっちゃんやっぱ良い人だぁ!

イリシアの腕の中で歓喜を全身で表していると、モーガンはおれを微笑ましそうに眺めている。


「なにからなにまですみませんモーガンさん。

・・セロ、大事にするのよ」

「あい!(もちろんだよ!)」

「ほっほっ、じゃあまたね坊ちゃん」

「う~!」


ぶんぶんとモーガンに手を振り、店を後にした。

いやー、いいものもらっちゃった!


~お詫び~

更新が遅れてしまいすみません

ここ数日体調を崩してまして寝込んでおりました

おかげでGIIのほうも更新してません、待っていた方には申し訳ありませんでした

明後日くらいまでには上げておきますのでよろしければご確認ください


風邪やインフルエンザもそろそろ多くなってくるころです

皆さんも体調には気をつけてくださいね

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