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仰いだ空のリビン神  作者: ジーナ・ベル
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虚と実の渦

持て余している力というのは、誰にでもあるだろう。喜怒哀楽の放出、一喜一憂の展開。

「高熱が出たくらいでなによ。」と両親は失業で生活費も無いのを理由に、よく医療ネグレクトをしていた。患おうものなら、ガリは「軟弱で金のかかるガキだ。」と肺炎になるまで、家で寝かされたいた。

妹はクロブと名づけられ、母乳で育てられている。

とある日の虐待の一つでは、ヨヅキは母乳がでなかったので、粉ミルクで育てていたが、例によってガリの酒代で、粉ミルク代まで使いはたし、ドガ大国産の練乳をお湯にとかして飲ませられていたらしい。

下痢を起こして、そんな事態でも練乳を飲ませようとしていて、泣いて拒否しているのを、ガリジは「もう餓死でもさせろ。」と喚いていたという。鬼畜の様なガリジは「妹の方が、ヨヅキより可愛いなぁ。」と、比べては嫌みったらしくクロブをあやしていた。

失笑ものだが、ヨヅキもクロブも、ガリの実の子ではないと知らずに、暢気に写真を撮っていた。

グサは作り笑いで昼食を運んでいた。


ヨヅキは4歳になり、保育所にいれられた。庶民らしい子供の群集がわんさかいた時代だ。20代か30代の保育士の育児は、ときにいきすぎな事もあった。昼寝中に起きてトイレに行っただけで、罰としておやつ抜きだという丸々と肥えたニキビ面の保育士ベブというのもいた。「子供のおやつを横取りしてまで食べるのか。だから太るんだよ。」と言っておいた。仕返しとばかりにベブは腕を打った。本当に卑しいな。と、軽蔑した。大人が汚い生物だという思考がいよいよ拭いきれなくなった。

自分はどんなに前向きに暮らしても、家族と他人の血縁にも恵まれないのが世の常なんだ。

薄ら寒い思いでいっぱいになり、窓辺で座り込み、早く大学生に進級したいという願望は強くなる一方であった。

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