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仰いだ空のリビン神  作者: ジーナ・ベル
2/14

倫生する人間と招くものと

やって来たのは怪異のもろもろであった。

早朝、開け放ったタギの居間で、ヨヅキは意味のわからいながらも、重要そうな忠告をされた。 

ダギ「呼ばれても返事するなよ。」と言い、井戸のある畑へ去っていった。

ヨヅキは前日の事もあり、いぶかしみつつ、いつこの家から開放されるのか。不満は膨れ上がっていた。

正午頃、ダギの庵の大気がザワついたて。その直後、「オーイ、オーイ」と近所の住人が声をかけたように思えた。「え?」と不意に背後の畑に視線を向けてしまった。

ダギは「外に出るなー!」と発すると、雨戸を全部閉めてしまった。そして、「外見るな。返事するな。」

庵の外では、わいやわいや集まりだしている。まるで巨大な磁石の反発にもにたベクトルが感じられた。

すると、雨戸という雨戸が数十もの手によって、とんとんとんとんとん、とんとんとんとんとん、と鳴り出した。

タギは「呼ばれたか・・・。もうこんなに早くあの世に引き込もうとするのか。」

ヨヅキは、神に呼ばれるのは光栄な事態ではないのか。と心中では、物忌みすべきか?騙されてる?

それにしても、忌々しい者らの不規則な雨戸の叩かれる音は、おぞましさを増し、明け方まで続いていた。

タギは「外のは厄介だ。答えたら地獄に引っ張っていかれるよ。あんたはそうそう手放せない子なんだ。女に生まれた以上、たくさんの子供を産むんだよ。」と、妙な励ましを受けた。

ヨヅキは「折角、穢れずに、あの世に歓迎されてるのに、もったいないな。」と、腑に落ちないのをこぼした。俯いたのその時、「まだ行かせやれない。」と頭蓋内にささやく声を聞いた気がした。

「本当の神の招きではないと?」天井を見上げてみると、立体映像の如く見える黒ずくめ小太りの中年男性が、宙に浮いたその場から、冷ややかな笑顔をのぞかせていた。

ヨヅキは「今の奴、死神か!」反射的に身をちじこまらせた。持ってかれる所だったの。誰にも等しく与えられた魂を。




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