姉さんの異変
「おはよう、清香さん~」
集合時間より30分も早く来てしまったが、清香さんに春美はもういた。
「皆さん楽しみで早く来ちゃったんですね」
まあ、こういう行事って早く来ちゃうよね。
「私は、寝れなかったから眠い…」
春美が眠そうに言ってた。
「おーい、半分寝てるぞ」
まあ、とにかく校外学習の始まりだ。
「よーし、無事に全員揃ったな。それじゃあ各担任は持ち物検査をしてくれ」
でた、恒例の持ち物検査。
「はい、携帯に漫画没収ね」
他のクラスが携帯やら漫画やら没収されてた。
「皆いいか、私以外にはバレるなよ…」
先生がコソコソ皆に耳打ちしていた。
「わかりました」
「ありがとうございます」
そうして、先生は皆をチェックしていった。
「学年主任、1組は没収なしです」
「そうか。まあ、1組は優秀だからな」
よし。と、先生はガッツポーズしてた。
3年生と合流し、新幹線乗り場に時…。
「あれ、深雪さんは?」
うん?春美がそう言い辺りを見回すといなかった。どこ行った?
「先生、お姉ちゃん探して来ます」
「うん?あー早くなあ…」
まったく、姉ちゃんは…。
「とは、言ったものの…」
この広い東京駅を探すのは骨が折れる。
しかし、意外にもずく見つかった。
「お姉ちゃ…」
声を掛けようとしたが、誰かと電話していて、
私は、思わず隠れてしまった。
「それで、私のお母さんの容態は…」
お母さん?姉さんの母親は子供の頃に亡くなったと聞いたはずだが…。
「そうですか…まだ。はい分かりました」
電話をし終えた姉さんが、こっちに来る。
「あ、お姉ちゃんいた」
私は、偶然を装った。
「梓…。ごめんね行こう」
何だろう…お姉ちゃんは元気いっぱいがなかった。歩いてるいてもお互い一言も話さなかった。
「どうしたの二人とも?」
帰って来た私たちを見て清香さんは言った。
「大丈夫だよね、お姉ちゃん」
「うん…梓の言う通り」
だが、私たちに覇気はなかった。
「うぐ!」
「ほーれ。早く乗れ」
ぼーっとしてたら、新幹線が来ていた。
「もう、どうしたんだ梓は」
「春美…いや大丈夫だよ」
でも確かに気になって仕方ないのは事実だ。だが、下手にお姉ちゃんに聞けない。
「梓、来てくれるかしら?」
そんな時、姉さんに呼ばれた。
「ごめん春美…少し行ってくる」
そして、連れてこられたのはトイレだ。
「梓、どこまで聞いてたかは知らないけど…私の両親については深く触れない」
いつになく、真剣に言う姉さん。
「お姉ちゃんがそう言いなら私は、そうする」
「いい子ね…梓は」
いつか、姉さんの口から話してくれるその日を待とう。今は今を楽しまなきゃ。
「さて…それはいいけど…どうする?」
どうする?とは、トイレに連れ込んだが、ほんの少しの間に外には列ができていた。
「二人で出たら、おかしいよね…」
まあ、そんなに長居はできないので出たが、皆に見られたのは言うまでもない。
「どうだった梓?」
「まあ、だいたいまとまったかな?」
実際何も解決してないが、仕方ない。
さて、いよいよ京都に着く。
姉さんのことは気になるが今は楽しまなきゃね。