表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

私の姉さん

「ねえ、おばあちゃん見てお人形さん」

私の姉が私を見てそう言ったらしい。

あれは15年前。私が2歳の頃の話だ。

「深雪ちゃん。今日はカレーにしましょうね」

私の姉、深雪は幼くして両親を亡くし母方の祖父母が育てていた。いつものように買い物に行き。そして公園に寄ったそうだ。

「おばあちゃん、あのダンボールなに?」

公園の真ん中にダンボールが置いてあったそうだ。そう…その中に私が入ってたのだ。

「梓どうしたの?ぼーっとして」

「あー、春美。いや、昔のこと思いだしててね」

私の友達の春美。幼稚園からの付き合いだ。

「昔って、拾われたこと?」

「そうそう…」

春美には小さい頃に話してしまい、今は内密にしている。

「しっかし、よかったよな変態のロリコンとかに拾われなくて」

「確かに…今考えると私は、運が良いのかもね」

これがもし、春美の言うとおり変な人に拾われてたら…

「親とか探さないの?」

「親は…家族は私を拾ってくれた。深雪達だから…」

私は、深雪達に一生を捧げるつもりだ。

いつものように放課後、一つ上の姉、深雪を迎えに教室へ来た。「お姉ちゃん。帰ろう」

お姉ちゃんは私に気づき

「あー…私の愛しき梓」

私に抱きついてきた。ちなみにこれはいつものことである。

「はいはい。可愛い妹が来ましたよ」

姉は甘えん坊さんである。

「ねえお姉ちゃん。なんで、私を最初に見てお人形って言ったの?」

「それはねえ。可愛いくて、可愛いくて、可愛いくて?」

「可愛いしか理由ないじゃん…」

はあ…まったく。だけど私は、このような姉とのやりとりが楽しくて仕方ないのだ。

「ジジイ帰ったぞ」

「だから、おじいちゃんと呼べと何度言ったら分かるんだ」

なぜか姉はおじいちゃんと喧嘩している。

「なんで、喧嘩してるの?」

「……してるの見られた」

私はそれ以上言えなかった。うん。仕方ない思春期だもん。

「はあ…まさか姉さんが」

ちなみに姉さんはお姉ちゃんと呼んでほしいので。お姉ちゃんと呼んでいる。

そして、翌日。

理科の実験で使う野菜を収穫してほしいと、春美と屋上に来た。

「なんか、授業中にこうして廊下歩くのドキドキしない?」

「それは…まあなくはないね」

そう、他愛ない話をしてたら屋上に付いた。

「さあーて、収穫する野菜は…」

私が角を曲がると、そこには姉さんが‘女の子’とキスしていた…

「梓…なんで、授業中なのに」

「お姉ちゃんこそ…なんで…」

私は、姉さんの以外な一面を目撃してしまった…




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ