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04ー罠

ブックマークが増えてる!?本当にありがとうございます!

――さて、ダンジョンを掘る前にこの洞窟の現状を説明しましょう。……まさかいきなり掘ろうなんて思ってないですよね?――


「い、いやぁ?そっそんなこと思ってないけどぉ?」


――見苦しいです。まず、この洞窟の立地について説明しましょう――


――この洞窟は断層山地である、通称『ブルー・デス・ボルケーノ』の麓に位置しています――


「ボルケーノ...って火山じゃないか!掘ったら噴火するんじゃないの!?」


――はぁ...「断層山地」は火山ではありません。山頂を縄張りにしたドラゴンの咆哮が火山の噴火と間違えられ、誤って火山と名付けられることはよくあります――


「うぐ...知識不足だ...」


――次にこの洞窟の構造ですが、現在この洞窟は直径約12メートルほどです。――


――ちなみに入り口は土砂で埋まっていますが、いつ崩壊して侵入者が入れるようになってもおかしくない状態です――


「ちょっと待って。侵入者?」


――あなたを殺そうとやってくる者達です。あなたの餌でもあります――


「へ?なんで僕が狙われてるの?」


――うぬぼれないでください。あなたには不燃ゴミほどの価値もありません。彼らがねらうのは、あなたの中にある『ブリッジ・オブ・リトリオル』と呼ばれるものです――


「なにそれ?」


――ダンジョン制作には関係のないことですので、あなたに知る権利はありません――


「とりあえず、僕が死なないようにしろってことだよね」


――そういうことです――


「ってことは、とりあえず僕が隠れられるようなところを作ればいいのかな?」


――忠告しますが、あなたからはダンジョンマスター特有の魔力波動が出ています。いくら隠れても無駄です。それよりは侵入者の排除を行うべきでしょう――


「ええ?そんな物騒な」


――大丈夫です。気色悪いクラゲなぞ何もせずとも好感度は最低値です――


「うーん、それでもなぁ」


――では、殺人に快楽をおぼえるように改造しましょう――


「いや、待って。ちゃんとするから!それだけはやめて!」


――はぁ、それでは早くダンジョンを掘ってください――


「ああ、分かったよ。」


シュウウウ……シュウウウ……


――あなたはバカなのですか?そこを掘ると入り口をもう一つ作ることになりますよ――


「ええ?ほんとだ……」


――思考能力までクラゲ並みになったのですか――


「ごめんなさい。」


――全く、自分のダンジョンを把握できないダンジョンマスターなど前代未聞です――


「え?ほかにもダンジョンマスターがいるの?」


――もちろんです。ダンジョンマスター間のコミュニティーのようなものも存在します。まあ、あなたのような弱小ダンジョンマスターにそれを利用する権利はありませんが――


「そうなのか……」


――そんなことより、まだダンジョンは出来ないのですか――


「今作ってるよ!待ってよ。」


シュウウウ……シュウウウ……


***********


シュウウゥゥゥ…………


「んーこんなもん?」


――なるほど、迷宮型ですか。いささか時間がかかりすぎな気もしますが、まあ出来の方は及第点はあげられるでしょう――


「あー、つかっれたー。あの液体出すの結構体力使うんだな~。」


――寝言を言ってるのですか?こんな迷路だけではすぐに発見、駆除されるのが目に浮かびます。トラップを設置する必要があります――


「あー、落とし穴とか?」


――そういったものです。ただ、あなたにトラップの管理が出来るとは思えないので、代わりに私が発動、残骸処理、再設置、修理を行います――


「へえ、それなら楽でいいね。」


――もちろん、対価は貰います。対価の内容は追い追い説明します――


「それじゃあ、トラップを作ろうかな。一応聞いておくけど、材料とか設計図ってあるの?」


――あなたが欲しいものなら、あなたの知識から情報を取り出し、こちらで作製出来ます。ただし、Devil-Points、通称DPを対価としてですが――


「DP?」


――このダンジョン内で死んだ生物の魔力に応じて魔王軍から支給される通貨の一種です――


「通貨ってことは、トラップはそのDPっていうお金で買わなきゃいけないってこと?」


――そういうことです。また先ほど言ったトラップの管理にかかる費用もこのDPで支払っていただきます――


「なるほどね~。んで、今僕は何DP持ってるの?」


――魔王軍からの支給された1000DPと、あなたの肉体が死んだことで手に入れた1DP、計1001DPを今あなたは持っています――


「身体安っ!?」


――なんということでしょう。調べたところどうやらこの1DPはあなたではなくハエから出たようです。あなたの死体は0DPです。全くの無価値です――


「マジか……。めっちゃ傷ついた。もう、いいや。取り敢えず落とし穴って何DPなの?」


――設置代が100DP、管理代は、一回ごとに設置代の1%です――


「ふーん。じゃ、じゃあクレイモア地雷は?」


――クレイモア地雷?……なるほど、指向性のある爆弾ですか。設置にかかるDPは……250DPほどです――


「へえ、置けるんだ。ならそれを」


――いえ、あなたの地雷に関する知識を見たところ、跳躍地雷というものを発見しました。クレイモアより殺傷能力の高いこちらの方をお勧めします。一つ200DPです――


「ええ、それってめっちゃグロいやつじゃん」


――内臓が出てくる光景はこれから嫌でも見ます。気にすることではないです。気にならないよう精神を改造しますか?――


「いや、いい。大丈夫。跳躍地雷を買おう。」


――了解しました。残り801DPです――


『ブルー・デス・ボルケーノ』青白い煙が山頂から立ち上ることから名付けられた。実際は《氷牙龍》ハボクックと呼ばれる古龍種の咆哮が煙のように見えるだけで、火山ではない。

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