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止まない雨(200文字小説)

「雨、止まないね」


 彼女がつぶやく。

 僕はうなだれてその言葉を聞いていた。


「私ね、今度引っ越すの。いろいろあって、ここを出て行くんだ。だからあまり会えなくなっちゃうけど」


 仕方がない、もう僕たちは別れたんだ。

 今では通りで見かける程度の関係。

 もう住む世界が違いすぎる。


「雨、止まないね」


 梅雨晴れの光が頬を伝う雨に反射する。


「また来るね」


 彼女は可愛いデザインの水差しに入れた菊の花を、そっと電信柱の脇に置いた。

梅雨の季節なので。

感じたままを、お持ち帰りください。

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