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はんぶんこ。(200文字小説)「再」
バレンタインデー前のひとこま。200文字小説です。
※再掲作です。
バレンタイン前の平日。
放課後、僕は昇降口にいた。
「あれ、君いたの?」
「あ、先輩」
「いやー、チョコ作ってたらさ、こんな時間だよ」
「へー、先輩あげる相手いるン……!」
「ほれ、味見。二個余ったから半分な。大人っぽくさ、少しビターなんだけど。どうよ?」
「ど、どうって、知らねっすよ」
「まいっか。あー寒い寒い。
あったかそうじゃん、そのマフラー貸してよ」
「ちょっ、や、それじゃ僕が寒く」
「ならさ。半分こ、する?」
以前、活動報告で書いていたものを焼き直ししました。