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面倒な女

作者: 神楽

ぱっとひらめいて書いてしまいました。

短いですが、お付き合いいただけるとうれしいです。






 「ね~ね~?渚の好きなタイプってどんな人~?」

「ぶふぉっ」

私に話しかけるのは、中学のころからの友人である高橋愛奈だ。そして噴出したのは、質問に動揺した私…ではなく、同じく中学のころからの友人中西海誠である。この二人とは部活も同じだった。

「なんで噴出してんの?まったくもう、早く拭いて」

「す、すまん…」

ちなみにこれは何の集まりかというと、一応中学の同窓会なるものなのだが、今日の昼ごろに「今日集まれる人集合!」というLINEが急にまわってきたため欠席者も多く、段取りもなにもないため、やはり同窓会のような大したものではないかもしれない。訂正しておこう。しかし、急だったのにもかかわらず20名近い人数がそろったというのは、すごい。みんな暇なのだろうか。


「なーぎさ?聞いてるの?」

「え?何が?」

そういえば愛奈に何か聞かれてたのか。海誠のせいで忘れてた。

「だーかーらー!好きなタイプは?ってきいてるのっ」

大分酔ってんなこいつ、とか思いつつ、質問の答えを考える。

昔は好きになった人がタイプとか言ってたけど、最近は…

「器の大きい面倒くさくないひと」


「「・・・」」


何故か私の話を聞いていた全員が固まっている。そこで愛奈が、「具体的には?」と聞いてきた。

「何があっても私のこと受け入れてくれて、喧嘩のときも感情的にならずに冷静に話し合いができて、自分のことは自分でやってくれて、私が仕事で疲れてたりとかするときに思いっきり甘えさせてくれる人。」

「長いわっ」

と、愛奈からすかさず突っ込みがはいった。なぜか海誠が落ち込んでる。あいつも酔ったか?


そこで友人の葵ちゃんが、

「なっちゃん、なんでそんな条件?」

葵ちゃんは中学のころから付き合ってる彼氏がいる。そろそろ10年くらいだろうか?

「なんでって、私基本自分が面倒だと思ったことはやりたくない人なの知ってるでしょ?恋愛においてもそう。子供っぽいのは相手にするのがいちいち面倒じゃん。仕事で思い切り気を張ってるから、帰宅後とか休日とかはいろんなことから開放されたいのよねえ。だからそういう疲れてるときに、デートとか恋人のお守とか面倒以外の何者でもない訳。恋人といるときくらい、思いっきりリラックスして普段とは逆の立場になりたいの。デート断っても、そうか、ゆっくり休めよとかいってくれるような人がいいなあって」

ひとつ言っておくと、私は一応看護師だ。しかも救急の方なのでかなり大変だし、忙しい。


「そっか。うん。なんかなっちゃんらしいと思う」

「あーでも渚のこと好きになる男って、年下のほうが多いからなあ」

「渚も渚のこと好きな人もドンマイってことだね。あははっ」

「…雅、急に話に入ってきて失礼なうえに悲しくなること言わないでくれる?第一私を好きになる物好きなんてそうそういないわよ」

ガタッ

「そ、そんなことないと思うぞっ」


「え、海誠?大丈夫?」

「吉住のことをよく思ってるやつもたくさんいると思うっ」

「…ありがとう。お酒、こぼしてるけど大丈夫?」

「え?うわああっ」

やっぱり酔ってたか、とりあえず意識はしっかりしてるし平気か?とかいろいろ考えながらおしぼりを渡す私には、友人たちの「結構好意持ってる男いるのにね」とか「海誠達もかわいそうに笑」という話は聞こえてないのであった。


「ま、ひとつ言えるのは、渚が一番面倒というか厄介な性格よね」

「「うん。確かに」」


こうして飲み会(同窓会)の夜は更けていくのであった。







 お読みいただきありがとうございました!

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