タマキ化けます
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タマキはある有名弁護士の娘だ。もっと、お嬢様していてもいいと思うんだが、なぜか暗い。物凄く努力家だし、いろんなことにも積極的なのだが、暗い。
もしかして、俺が昔つけたタ○キンという渾名のせいか?時たま此方に向ける視線におどろおどろしい視線が含まれているときには、ビクビクしていたが、タケシに聞いてみるとそうでもないようだ。
タケシ曰く、この世界には、ホワイトニングファンデーションというものが無いからだという。元の世界では、化粧を覚えてから凄く変わったという、でも、この世界には、化粧品は簡単なものしか無いらしい。
タケシに化粧品を作ってあげるようにお願いされた。タケシも気にしていたらしい。俺は、調合師という職持ちでMAXレベルまで取得しているという。
たしか、ファンデーションには2色あるのだったな。なぜ、こんなことを知っているかというと刃物会社では、女性用かみそりも売っていたりするのだ。そこで、化粧品について一通り勉強させられたのだ。
流石に化学薬品が多い化粧品を全く同じようには作れない。現在入手できる鉱物で再現可能な範囲で行うだけだ。
洗顔料、化粧水、乳液、化粧下地、今シーラー、ファンデーション、チーク、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、口紅、メイク落しまでフルセットと美容液と美容クリーム。
さすがにこれだけのものを再現する鉱物をタケシも持っていなかった。一部のストーン系の魔物が使えただけだ。
王女ミラーの口利きで、王室に出入りの商人を紹介してくれた。ただ、王女にもフルセットをプレゼントする必要があるようだ。タマキにメイクの仕方を教えてもらうんだとうれしそうだ。
王女の肌は白色人種特有の真っ白さなので、もう1色追加しなくては、ならない。めんどくさいな。
それでも、材料が足りなくて、市場や鉱山、そこらに落ちている石も使えるものがある。でも、魔物の残党が居るらしいので、結局、タケシについてきてもらった。タケシは攻撃魔法が得意な魔術師だそうだ。
タケシは親切にも、俺にいろいろと攻撃魔法を教えてくれる。俺は魔術師という職持ちでMAXレベルまで取得しているらしい。簡単に使えるようになっていくとタケシは悔しそうな顔をしていた。
魔物が出てくると、まあ、戦闘経験は無いから常にタケシに庇ってもらうことになったので、それでタケシは満足しているようだった。タケシって単純だ。
・・・・・・・
「これを私に?本当?本当にくれるの?」
本当だ食いつきが違う。めちゃくちゃうれしそうだ。
「ああ、自作もので悪いが、モニターになってくれないかな。」
「今、ここでしてみてもいいかな?」
目の前で、洗顔からバッチリメイクしたところまで、見せてくれる。希望の色合いとかが少し違っているくらいで満足してもらえたようだ。指摘された点をそのうち修正して持っていくかな。
「タ○キンって、めちゃくちゃ美しいじゃないか。」
・・・・・・
これで過去につけた渾名の件を帳消しにしてくれるとうれしいな。
もちろん、睨まれました。でも、メイク後なら・・・。