祝福とレベルアップ
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「なあ、タケシ?職業のレベルって最大6だよな。」
「うん、そうだけど。」
「俺の職業1743なわけじゃん。とすると最低10458回レベルアップしているってことだろ。この10500000という経験値と合っていない気がするんだがどうなんだろうか?」
「実際に調べたわけでは、ないのだが、経験値計算が単純な割り算になっているはずなんだ。俺が初めてレベルアップしたのが経験値が1000を越えたとき、だったんだ。でも次レベルアップしたときは経験値が2050を超えたときだ。」
「おう、そうだよな。ギルドカードを作る手伝いをするようになって、気付いたんだが、レベルが上がるたびに、次回レベルアップするに足る経験値が少しずつ増えている傾向があったので、自分の経験値に疑問を持ったんだ。」
「それがな、ミカが初めてレベルアップしたとき、強敵にたまたま最後の一撃を加えて経験値が一足飛びに2000ぴったりになったんだが、スキルポイントが一気に2つ増えたらしいんだ。」
「そうすると、何か、魔竜を殺したことで得た10500000÷1000で10500回レベルアップしたと・・・。」
「そう考えるのが妥当だと思うよ。」
「ちなみに、お前達異世界転生者は、レベルアップの際、スキルポイントが貰えて、自由に割り振りができるのだよな。」
「うん、そうだね。こっちの世界の生物はレベルアップの際の思いに左右されるみたいだ。魔術師ならレベルが低いときは、職業レベルを上げたいと常々思っているからレベルが上がっていくだろうし、MAXレベルなら、さらにMPを上げたいと思っているから、その能力があがったりすると思うんだ。」
「じゃ、俺はどうなんだ?」
「うん、結果論からすると、そのときヒロムが全ての職業を身につけたいと思っていたか、それとも、逆に、もう働きたくないと思っていたかどちらかなんじゃないのか?」
「そうか、確かにあのとき俺は自暴自棄になっていたな。それで、全ての職を選択し、MAXまでレベルアップしたんだ。」
「まあ、申し訳ないけど、俺達、異世界転生者は、向こうの神に貰ったスキルや武器、防具があるから、各種スターテスに補正が入っていたり、経験値に関係なく、スキルポイントをもらえたりしたんだよな。」
「そりゃ、チートだな。」
「ああ、俺もそう思うが、大変だったんだぞ。人類滅亡まであと何日というところで召喚されて・・・。」
「それで、美味しいところだけ、俺が持って行ったんだな。そりゃー、マーちゃんも不機嫌になるはずだわ。」
ましてはその理屈だと、最後のほうはほとんどレベルアップしていなさそうだ。唯一といっていい、レベルアップの手段を潰してしまったのか。
「話は変わるけど、この間な、6歳くらいの子供なのに、祝福を受ける前に職業持ちだったんだが、どういうことなんだ?」
「ああ、それは、憧れの職業ってやつだ。この世界の生物は、生まれたときに所持しているスキルポイントに相当するものがあるらしいんだ。それを本人が強く思うことで選択できるらしいんだ。たいていは祝福で消費されるらしいけどな。」
さらに、レベルアップすると取得できる経験値が経るという設定もあります。