アルメリア教と祝福
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「うう、なんで俺ばっかり・・・わかりますけどね。伝えられなくはないんでしょ。たまには、がんばってくださいよ。・・・はいはい、わかりました!」
「タケシ?なに、ブツブツと独り言言ってるんだ?」
「う・・ん・・。あのね、アルメリア様がね、じゃわかんないか。この世界の神様がアルメリア様なんだけど、保田にお願いしたいことがあるんだって。でも、直接伝えるには、神力を消費しすぎるから、俺が伝えろって・・・聞いてくれる?」
「また、魔道具かなにかか?」
「うん、そうだよ。よく解ったね。」
「まあな。で、どんなことだよ。」
「うん、接触型の神とのホットラインを作ってくれって。」
「・・・・・・えええええええええ、そんなんできるのか?」
「うん、できるみたい。異世界転生者もそうだけど、この世界の聖女とは、うまく波長が合って、話を伝えられるらしい。神力から魔力に変換できる媒体があるから、それで持って、波長を自動的に合わせてほしいらしい。各種族ごとに5種類あることまで、わかっているらしいんだ。」
「人族、獣人族、妖精族だっけ?」
「いや、人族で作ってもらえば、あとはそれぞれの種族ごとにそれぞれの聖女が調整するそうだ。」
「何に使うんだ?」
「それがな、職業選択の祝福を行うらしい。」
「なんだそれ!」
「いままではな、神が赤ちゃんが誕生したら、出向いて祝福を与えていたらしいんだけど、魔竜討伐の時に忙しすぎて、誕生のときには出向けなくて、うまく祝福が与えられていないものと間違えて二重に祝福を与えたものが出てきたんだ。」
「え、それはひどいな。」
「まあ、例のギルドカードを作っている過程でわかってきたことなんだが、職業欄が空欄の人間が出てきてな、神に問い合わせたらわかったんだ。いいかげんだろ。」
「まあな。」
「そこで、ギルドカードを使って、祝福を与えていないものに対して、おわびを兼ねて、ひとりひとりに言葉とともに祝福を与えたいんだって。」
「いいじゃないか。」
「媒体は聖女様に渡してあるからだそうだ。済まんが行ってくれるか?」
「いいよ、聖女様と二人三脚か、ずっと付きっ切りか?なあ、聖女様って手を出しても大丈夫か?」
「ああ、特に処女性が問われるわけではないからな。過去には娼婦がなった例もあるみたいだ。今の聖女様は幼いときになったあと、ずっと独身を通しておられるがな。」
・・・・・・・・
ああ、やられた!くそ!タケシの分際で!なんと、今の聖女様は、65歳の妙齢の女性だったのだ。どうりで、タケシの口がニヤついていると思った。
基本、ギルドカードの職業欄を書き換えるのは、ギルドカードを作ったときの応用だから問題ない。セキュリティも聖女様の魔紋を登録することで解消した。
問題は波長だ。実験台はまず自分だ。聖女様の魔力と被験者の魔力を利用することで、神力を最小限にすることで、実験に神が耐えられるようになった。
5通りの実験を行うだけで完了するはずだったのだが、何度やってもうまくいかない。何度も実験に付きあわされてイライラしてきたのか、だんだんと聖女の態度が変化してきた。それに伴い、聖女からパワハラとセクハラが行われるようになってきた。
「もう、わらわはいやよ。そなた抱きしめてくれないかぎり、協力せぬ。」
仕方なく抱きしめると凄い力で唇が奪われたり、酷いセクハラを受けたりした。おかしいな、理論上これであっているはずなのに・・・。
・・・・・・・
埒があかないので、タケシに協力してもらい。実験を行うと一発でアルメリア神と交信できた。そこで聞いた話は、聖女は全然はじめから協力してなかったらしい、ただ、俺にセクハラしたいだけで、あんなことをしたらしい。
別に神に歯向かっても、剥奪されないらしい。その時代で波長のあう聖女は、一人か二人らしい。しかも、聖女になることを拒否できるらしい。多少のわがままは目を瞑るしかないんだそうだ。
この聖女が初代教祖だったりして、どんな教祖になったかは、神のみぞ知る・・・。




