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…青年準備中…

「え~と、ゴブリンの牙が……標準12に…安物20と…

…骨は6本……

ウサギと…養生鈴蘭と黒花紫藍が一揃いっと。

合わせて銀貨七枚と鉄貨八枚です。」


やべえ、貨幣価値がわからん。


まあ、協会だし誤魔化したりぼったくられる事は無いだろう。


それに初日の稼ぎなんてたかが知れている、買い物でぼったくられても大した損でもないはず。


「えっと、薬師の証しって手に入れるにはどうしたらいいですかね?」


「七の鐘がなってから来た順に行います。

七の鐘は七回鳴りますから分かるはずです。」


「分かりました。

ありがとうございます。」


代金を受け取ると中央広場にいく。


マザークリスタルの塔から出たばかりは無かったが、今は露天商が何人かいる。


普通の人もちらほらとやってきては露天商が小物や間食を買っていく。


流石に普段から武器や防具のような高くて売れにくい物を扱って居るのは露天商にはいない。


だが広場から領主の館への道に盾と兜や×に交叉させた剣という分かりやすい看板がある。


正直なところ、装備が錆びたショートスピア一本、錆びたジャベリン二本、錆びて欠けたジャベリン一本(二度目のゴブリン戦の後回収すると欠けていた)、普通の布の服では心許ない。




武具屋のドアを開けるとドアについたベルがガランガランと音を立てた。


「よーこそ。

ジュリアス武具店へ。」


日常的に戦闘のある世界だからか注文を受けてから作るのではなく先に用意してある。


静かだし店員を見ても鍛冶はしていなさそうだ、卸して売っているのだろうか?


壁が棚になっていたりコンビニのようにスペースを最大限に使っている。


「何をお探しで?」


「槍と投げ槍と鎧、盾も気になる。」


「長物は奥の壁、盾と鎧は右の壁、投げ槍は一番前の棚にある。

自由に見な。」


防犯が気になったがこっそり隠し持てるような物はナイフの中でも小さい投げナイフの類いくらいだ。


その投擲武器はカウンター前の棚にあるし考えていない訳では無いのだろう。


先ず投げ槍から見る。


一メートルかそれ以下のジャベリン、二メートルもあるピルム、中間のピラ、全体が金属製のソリフェレウム、火をつけたり毒を塗ったりし易い麻などの繊維を備えたファラリカ、スピアスローワーと専用の投げ槍のセット等がある。


だが高い。


一番安いジャベリン中でも安い物も銀貨 一枚で一つだ。


錆びてはいないものの今のジャベリンより穂先が小さい。


「下取りはしているのか?」


「……錆びてるが屑鉄としてなら鍛冶屋の連中に売れるな。

暫くはクリスタリアには便宜を図ってやれってレオニダス様に言われてるしなあ。

そうさな、槍と投げ槍を三本ここで買い換えるってんなら下取りと銀貨三枚と鉄貨五十枚で錆びてない同じ武器をやるよ。」


「じゃあそれで。

…何故クリスタリアって分かったんだ?」


「別の地方は知らんが、この地方では当たり前の下取りをしているか聞いてくるなんて新顔だ。

だが錆びた装備で旅する奴ぁいねぇ。

ちょうどクリスタリアが生まれる日だしまず違いねぇと思ったのさ。」


その後、普通の木製ボードシールド、買ったショートスピアに後付けの石突きを銀貨一枚と鉄貨五十枚で買った。


ボードシールドは矢や投槍等の遠距離攻撃を防いだり、構えていない時も背後からの奇襲を防いでくれると考えたからだ。


石突きは初期装備だけあって木の柄と錆びた鉄の穂先だけだった槍と同じ種類なので念の為だ。


残りは銀貨二枚と鉄貨八枚だ。


ジュリアス武具店を出てから再び看板を探す。


今度は容器に入った液体の看板にしよう。





「毎度あり!」


薬というか治療器具全般を扱っている店だった。


買ったのは万能解毒薬の中で一番安い解毒薬一瓶と養生鈴蘭を使った包帯を限界までだ。


包帯は一巻きと半分ぐらいだ。


ポーションもあって、飲むと短時間だが自然治癒が劇的に強化されるらしいが高くてとても手が出せない。


万能解毒薬は専用の解毒薬には劣るが神経毒、血液毒、消化液等魔法では無く物理的な毒には効果があるらしい。


消化液は主にスライム系や昆虫系が使って、吐きかけてきたり時には体内に注入してくる事もあって、この辺りでは森にいる木葉蜘蛛このはぐもが使ってくるらしい。


更にゴブリンには毒草等の毒を武器に塗る個体が時々いるらしい。


しかし店主は一番安いとはいえ近所ではこれで対応出来ないような物理毒を心配する必要は無いとも言っていた。


一応聞いてみたが黒花紫藍の呪毒・怨鎖は魔力毒だから薬は扱っていないらしい。


魔力毒やら物理毒やら消化液からまた新しいのが出て来たな。


え~と、確か知りたいと思えば…


物理毒と魔力毒は文字通り物理的な毒と魔法的な毒だ。魔力毒は錬金術師や魔法使い、中でも治療や付与タイプの専門で物理毒は薬師や医師の専門だ。

物理毒は血液毒、神経毒、消化液、誘引毒の四つに分かれていて、血液毒は血球中の血球を破壊したり妨害したりし、神経毒は神経を麻痺させたり誤作動を引き起こし、消化液の肉体自体の構成を分解し、誘引毒は感覚器や脳を刺激して誘導する。


慣れればすごく便利な機能だ。


魔力毒は対応したスキルが無いから分からないけど、もしかしたら自力で覚えても有効なのかな?




《システムの恩恵は有りませんが動作や判断は可能です。》




………ケアが行き届いているのはいいが、少し不気味だな。

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