異世界に転生したはずなのに〜何度も転生する物語り
目の前の世界が異世界だということがわかるのは
何も良いことばかりではない。
それがわかるようになったのは
何度目の転生を果たした時だったのだろうか
今回はおそらく
その中でも最悪の事象にあたるのかもしれない
いや
そもそも異世界という定義が曖昧だった
何度目か、もはやその転生した数はわからない
いや、これって輪廻転生というやつじゃないのか?
とか思った事もあるけれど
それならば毎回
覚えている事が21世紀の日本という社会で暮らしていた記憶だけ、という事が腑に落ちない
そのくせ
また転生したな、という事だけがわかるから
これって夢を見てるのかも
なんて考えてみたりもする
ただ、経験上
これが夢だったとしても
転生先の人生を終わらせないと次に行けない事だけは、わかってる
わかってるというか、そういう事なんだろうなぁって気がする。
というわけにおいて
今回はこれまでの転生のなかでもかなりキツいパターンだと断言出来そうだ。
そもそも
なぜ意識がある?
そこから始めなければならない
あの頃、っていうか
元いた世界の知識の中で
樹木にも神が宿る話は聞いた事があったけれど
基本的には西洋の話で
そもそも西洋ってなんだよ?とか聞かれたら説明が難しいから、よく知らない遠くの樹木はしゃべったりするけど、大抵悪いやつばっかだったっていう事か。
日本の樹木で、口をきいてるやつの事は知らないなぁ。
アニメでも記憶にない。
アニメ、って、まあ絵本?
いや、まあ
伝え聞いた面白いお話みたいなもんかな
って、誰も話も聞いてくれてるかわからないし
誰の声も聞こえない。
いや、樹木にも霊とか木霊とか意思があって
それぞれ木樹同士で会話してるとか
言ってたよね、みんな想像してたじゃない。
ダメだ。
動物の声も他の植物の声も
まったく聞こえない
ただ
目の前に広がる世界に生きてる
人間らしき生き物の声だけは聞こえる
周囲にも同じ様な生き物がいてるとは思うけれど
僕は今回まったく動けない。
目、がない。
ただ視界というか一方向だけ景色が見えて
声が聞こえる
女の子の声
僕を呼ぶ声がよく聞こえる
僕はこの異世界ではきっと
植物で世界を随分と高く広く見渡せているから
きっと、木に転生したのだと思う。
いきなり、このサイズ感で覚醒した理由については、おそらくだけれど、周りの木々や動植物からの反応がないところ、女の子が僕に話しかけてくるところを鑑みて、僕は大層な樹齢を持って霊木あたりになったんじゃないかと思っている。
霊木、神木、御神木。
このクラスになれば、ひとの声を聞き取れたり
意思だって持ってても良さそうじゃないかって気がする。
今回、覚醒しておきながら
最悪っとおもった理由は、おそらく
超がつくほど長生きしそうだ、ということが一つ
それはそれで
人類憧れの不老長寿を達成
パンパカパーン
とかなりそうなものだけれど、それは違う
動けない。
ついでに言えば、この世界は、とういか見える範囲では、お風呂がなくて
女性は川で沐浴している。
熱いくらいの地域のようで、女性は男性がそばにいなくなるとすぐに裸になる
どちらにしても
それが日常だと、あまりにもエロスは無いことに気付かされて萎えた。
などと思っていると
どうやら儀式なのかしきたりなのか
処女の初体験は必ず僕の目の前で行われる
それから、しばらく時間が流れてからは
子どもが欲しい夫婦が来て
目の前でセックスする様になり始めた
それがわかるようになったのは
いつ頃からか
セックスしていた夫婦が赤ちゃんを連れて
再び現れてお礼を伝えてくれるようになったからだ。
まぁ
話の成り行きで、今しがた覚醒したばかりみたいに話し始めたけれど
僕の退屈に巡り合った時の衝撃を追体験して欲しかったから、こんな喋り口で始めたけれど
もう、覚醒してから随分と過ぎた。
何が言いたいかといえば
おそらく僕は
まぁまぁ発情しやすい年齢で転生した気がするということだ。
女の子の裸で興奮していたし、目の間で繰り広げられるセックスライブは興奮絶頂
なのに
僕は動けない
いつもただおあずけだ。
可愛くて、よく声をかけてくれていた女の子が
いつの間にか男とできていて
目の前でセックスを繰り広げろ続けるって
これはまぁまぁ
精神的にキツい
よく言うあれだ
普通は御神木っていえば
世の移ろいを見守ったり
後世に伝えたり
変化を見続け見届けて
枯死でもしていくだろうと思っていたのに
この世界の住人は
進化に乏しい
そういえば
昔読んだ記憶にある異世界物では
長寿の一族は数千年生きていたけれど
イメージ的にはずっと中世の世界観だった。
それって待ってくれ。
確か長寿の縄文杉とやらが2000年
いや、長耳族ってやつの方が長生きじゃあないか
このままいけば
代わり映えせずに、好きになった女の子を
ほかの男に奪われていく事を眺めていくだけの樹生を終えて、次の転生を待つだけになってしまう
2000年って
いや待て
僕が神聖を得て、意識を持ったと仮定すれば
100年とかで持てるものか?
市町村単位の記念木とか、御神木で江戸時代とかだった気がする。
300〜400年。
いやだぁ、、、、
まだまだ先が長すぎる
前の転生は
蠅だった記憶だけがある。
あれは最悪だって、殺される瞬間に思った。
不思議な事に
転生中の記憶は引き継げないくせに
終わりの記憶だけは残されている
あの時は
忌み嫌われる幼な悪意で追い立てたれて
逃げ切った、と思った瞬間に身動きが取れ無くなって、息が詰まって記憶が途切れた。
なんで蠅なんだって
でも、あれは絶対に随分マシだったんだ。
多分一生が短い
転生した瞬間に諦めたら
次までの期間は、そんなに長くない。
きっと。
今からあと1600年くらい
エッチな事を出来る可能性を否定される事に比べたら、虫けらでもアメーバーでも
ソッチのほうが絶対にいい
あ、また
隣村の女の子がやってきた。
結構気に入ってた子だから、まぁいいかぁ。
って、熱い
え、熱い
やめて
なんで
ここはどこだ
真っ暗なんだけれど
感覚がない
息、してる感触もない
脈動もない
あ、
あれ
カラダが分裂した気がする
これって
単細胞系じゃない?
おいおい
本当にアメーバーになった?
って
分裂って
で意識継続って
え
死なないパターンでない?
それはもっと最悪
いや
一生、一生じゃない?
いやわかりにくいか
ずっと一生、っていうか
きっと普通でいたらっていうか
外的によらないと、不死
誰とも喋らず
見ず聞かず
いや働く細胞を漫画にしたのあったでしょ?
どの細胞も話しかけてくれないよ
いつまで?
一生かぁ
哲学でもしてたら現状打破できるかも。
コギト・エルゴ・スムだっけ?
我思う、故に我あり
我絶賛思ってますが
我はどこにありますか?
ちょっと待って?
あれって、全ての事象が真実?実在?かどうかを疑っていって、目の前に手に持っているものだって、本当は無いかもって、思うけれど
確か、物事を考えている自分の存在を否定はできないから、否定できない実在が存在担保するっていうか、僕は普通にいるから、そこから地続きな世界もやはり実在するって話だったはず。
いや、ここにはインターネットサービスが無いから、うろ覚えでしか無くても仕方ないでしょ。
そもそも、あの哲学者も、世界は実存するってのが、テーマだったはず。
AIとかいう人工知能?
あれと人間の違い比較したら
この考えごとしてる僕は、本当に僕ですか?
起きたら必ず地続きだった転生前の記憶
って、僕は本当に生きてる?
いや、哲学者さん?
我思う、故に我ありって、思ってる人はいつだって生きてるはずですよね?
AIが考えてるかもよ?って?
僕はAI?
いやいや
AIがエロに走りますか?
妄想の果てにはいつも現実があって
妄想に生きてみても、物価高に気が滅入って
稼ぐ事に必死にならざるを得ない現実が追いかけて来て、我思う、故に我ありを疑う術も無かったのに。
夢であったら
目が覚めた時にほとんど記憶が無い
その時、我を思っていた我は
どこに消えたのだろ。
いまは、どこ?
異世界も嘘なのかな。
プツン




