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帰路に着くまで

この話は、

答えを得る話ではありません。


選ばなかったことを、

自分の足で引き受ける話です。


別れ際は、いつも似ている。

 時間が来て、理由を探して、立ち止まる。


 彼は今日も、うかを送らなかった。

 それが優しさなのか、線引きなのかは分からない。


 しばらく並んで歩いたあと、

 彼は足を止めた。


「じゃあ、ここで」


 それだけ言って、視線を逸らす。

 引き留めない。

 触れない。

 名前も呼ばない。


 うかは、小さく頷いた。


 五年分の言葉が胸に残っているのに、

 今さら何を言えばいいのか分からなかった。


 もし今、彼の名前を呼んだら。

 もし、甘い声で呼んでしまったら。

 この関係は、壊れてしまう気がした。


 彼の背中が、少しずつ遠ざかる。


 追いかけることはできた。

 でも、しなかった。


 彼の言葉は、未来に置かれたままだ。

 答えは、まだ来ていない。


 それでも、うかは知っていた。

 今日ここで、自分は恋をしたのだと。


 彼の背中を見送って、私は帰路へ着いた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この物語は、

叶わなかった恋の話ではありません。


答えを待つことを選び、

それでも自分の足で帰ることを選んだ、

ひとつの通過点の記録です。


この恋が、

読んでくださった方の心に

静かに残れば幸いです。


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