【プロットタイプ】一日だけだ

作者：秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。

詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。

注意事項2

若干恋愛入ってます。

苦手な方はご注意下さい。

大型連休明けの私の口癖なんですよ。

大型連休明けの平日というのは大抵決まっている。どれだけ大丈夫だと思っていても、逃れ様としても、大抵同じ鉄を踏む。それでも、其れで許されるからこそ、そのまま継続し続ける。

明日が平日ならば、大抵鏡花は自分の部屋で寝る。変に気持ちが昂って、明日に支障を来さない為だ。だが大型連休明けというのは例外で、添い寝を所望する。

午前三時半丁度に目が覚めた。カーテンを掛けた部屋から零れた光は今はなく、ただ薄暗い空間だけが広がっている。狭い一人用ベッドの半分を占領する相方は、もどかしそうに体を捻じる。

「鏡花」

声を掛ける。すると突如として瞼が持ち上がる。しっかりと覚醒し切った女が此方をじっと見詰めていた。どうやら此奴も同様に目が覚めた様だ。

「今何時?」

「午前三時半丁度」

「じゃあ、気が済むまでイチャイチャ出来るね」

そう言うと、俺の身体に手を回し、ぐるりとしがみついて来た。胸元に顔を押し付けて、そのままぐりぐりと顔を擦り付ける。

「会社行きたくない。ずっとこうしていたい。外出るの怖い」

そして始まる駄々。大型連休明けの夜明け前は大抵はこうして甘えてくる。言い訳を連ねて、俺の身体にしがみついてくる。必死の現実逃避であった。

「あと二時間あるぞ」

「うん。だから二時間そうする」

寝起きのまま二時間近く会話をする事は、流石の鏡花でも出来ない。大抵は覚醒とまどろみを繰り返し、起きた時だけ俺の身体に好き勝手触れ回る。そうして起床時間と十五分前になると、またグズりだす。

「会社行きたくな〜い〜」

「出社だけはしろ」

一日だ。今日、今日だけ頑張れば、明日の負担は半分になる。逆に今日を乗り越えなければ、お前の心労は溜まる一方だろう。だから頑張れ。今日一日だけは。

「仕事したくな〜い〜」

「行ったらなんとかなる」

周りの視線を気にして、サボる事は出来ないだろ。だから出社だけはしろ。

「……帰ったらさ、またこうしてベタベタしても良い?」

「うぜぇからヤダ」

此処まで我儘を言えるのならば、大丈夫だろう。さっさと起きろ。そうしているうちに、目覚ましの音が鳴り響く。先程まで亀のような動きはそこになかった。俊敏さだけを伴って、音を止める。

「行ったらこっちのもんだ。痛いのは一日だけだ。頑張れ」

「ぅい」

そう言うと、のそのそと部屋を出ていった。次に洗面所で会った時には、だらけた姿はそこにはなく、平日の鏡花がいた。

連休明けの平日の朝は、とにかく内心ごねます。めっちゃごねます。

ミュージカル〇〇乱舞のmis〇〇〇〇が頭に流れます。

夜が明けなければ良い!!

だから約束事。

・とりあえず出社はする。

・出社したら何しても良い。

・お菓子買っても良い。

・トイレ行く回数増やしても良い。長くても良い。

・別のこと考えても良い。

・最悪、早退しても良い。

行ったら何とかなるんです。

行かないと負担が増えるだけなんです。

だから初日だけは気合い入れて出社だけはします。

今日も終わった〜。

それで良い。