転生したら精子だった。
俺は転生アプリのせいで精子に転生してしまった。3億匹の精子の中から一つの卵子を目指すデスゲーム。
子宮に解き放たれた俺たちは最初の難関酸性の粘膜に襲われることになる。そこに精子♀が現れるのだが。
俺は、最近はやりの転生をしてしまった。何に転生してしまったかって?それは……精子だ。
今はある女の膣のなかだ。
「邪魔だどけっ」
「イテっ」
白い精子たちが一つの卵子目指して、なんでもアリのデスゲームに参加している。
なんせライバルは数億その競争率は0.000001倍俺はこの中で勝ち抜くことはできるのだろうか。
ここは女の子宮の中だ。くそっこのネバネバに足をとられるっ
「うあああああぅ」
つまずいた俺の足もとは力尽きた精子の骸が絨毯のように広がっている。
この精子を目指すデスゲーム過酷すぎだろう。
子宮は強い酸性で、ほどんどの精子がここで力尽きる……。そう保健体育で習ったっけ
「ねえ、あんた。」
俺は女の声で振り向いた。意外とかわいい。
「誰だ。」
「精子♀よ、突然だけど私たち組まない?」
「組む、どうしてお前と組む必要があるんだ。」
「これ、聞いたんだけど。私たちはライバルであると同時に協力しないといけないの」
「協力??」
「精子が協力して前に進むことで負担を何割か軽くできるのよ。」
俺は少しばかり考える。3億のデスゲーム、確率を少しでも上げれるならっ。
「わかった。でどうしたらいい?」
彼女は俺の横に並ぶ。
「らせん状に交互に入れ替わりながら前に進むの。わかった?」
「ああ。」
子宮をすすむ俺たち。彼女の言うように一人で進むより体力を温存できる。
しかし、俺たちの前に死神が立ちはだかる。そのことを俺たちは知る由もなかった。
何とか酸性の子宮を抜け出した俺と精子♀。しかし一難去ってまた一難。
死神が俺たちの前に立ちはだかるのだった。