#ライバーキング
P.S四天王が一堂に会した次の日。
円卓会議でも魔王軍幹部集会でもないのに集まった彼らは、寝ていた。
八重咲以外。
もう昼だぞ……。
「みんな、朝弱いんですね」
「お前はなんで起き上がれんだよ……」
「どういうことですか?」
「いや、平気ならいいんだが」
昨日あれだけ荒れて、一晩で回復するもんなのか……。
「あ、そうだ兄者さん!昼食作りません?」
「別に構わんが。……なんかあるな」
「実はずっとやってみたかったことがありまして」
「それ、作りたい料理とかじゃねぇな」
「兄者さんじゃないとダメなんです……兄者さんにしか頼めないんです!」
「あー、とりあえず、表現は選ぼうな」
【ババ抜き】魔王一派最弱王決定戦【春風桜、八重咲紅葉、吹雪菫、サイサリス・夜斗・グランツ、兄者】
「みんなでババ抜きするぞ〜!!!」
「「「いえーい!!!」」」
「はぁ……」
コメント:テンションの差よ
コメント:魔王一派オールスター
コメント:全員集合
コメント:何気にフルメン初では
コメント:で兄者がずっと王様?
コメント:それゲームじゃなくて日常w
ほんとに8時に全員集合しやがった。
ちなみにオフコラボじゃないからな。
昼飯を食った後に解散し、今はディスコードで繋ぎながらの配信だ。
……なんか、そういう知識がどんどんついてきてる気がする。
今回は、ババ抜きか。
ご存知パーティー大戦でプレイする。
ワンゲームごとにビリが罰ゲームらしい。
またマシュマロ読まされるのかね。
「兄者〜、ハンデどーする〜?」
「このゲームでハンデとかどうやんだよ」
「あ、手札読みあげるとか?」
「スミレさん、それゲームにならないですから」
「そう、だね、ごめん」
「いや、いいですけども」
「まぁ?かなり運要素デカいしいいだろ」
「そうですね!はやくやりましょう!」
コメント:ババ抜きでハンデは草
コメント:兄者ババ持ちスタート固定
コメント:ババ抜きでリセマラw
コメント:夜斗そのセリフはフラグ
コメント:お前が運を語るな
コメント:自販機で一回もジュース当たったことなさそう
コメント:おみくじ末吉しか出なそう
コメント:財布の札だけ落としそう
コメント:不運大喜利はじまっとるw
「んなことあるかい!」
「ほれ始めんぞー」
「兄者〜、ババ持ってる?」
「それ聞かれて答えると思ってんのかよ……」
「あ、わたしからですね。夜斗さん、引かせてもらいます」
「うっしゃこい!」
「あ、やりぃ!」
「いきなり揃うんだ」
「夜斗くんすご」
「さすがだわ」
「うっせーわ!」
コメント:草
コメント:揃うんかいw
コメント:これが不運の自称魔王
コメント:不運の夜斗
コメント:幸運の八重咲
コメント:幸運は姫だろ
コメント:八重咲は狂戦士
コメント:バーサーカーソウル!
そっからは、まぁ順調だな。
やや愚妹とスミレさんの手札が少ないくらい。
未だにジョーカーがこないあたり、誰かのところで止まってそうだ。
ちなみに夜斗→八重咲→俺→愚妹→スミレさんの順。
「結構続くね」
「そうですね。夜斗の手札が減らねぇな」
「兄者と枚数は同じだろ!」
「初期枚数が違うっての」
「兄者〜、8ちょうだい」
「はやくジョーカー引けよ」
「え持ってんの!?」
「さぁ?」
「怖いんだけど!ねぇパスってあり〜?」
「それメリットないぞ」
「うわ〜ん!」
コメント:ブラフか?
コメント:四分の一で姫が引くわけない
コメント:謎の信頼草
コメント:八重咲もうすぐ上がりそう
コメント:引く相手が夜斗なら当然
コメント:存在が接待
「いえーい!あがりー!」
「おめでとさん」
「兄者さん、何してくれます?」
「いやそういうルールはないから」
「ちっ」
「ちょっと?なんで勝って舌打ちしてんの?」
「兄者くんと八重ちゃん、本当に仲良いよね」
「そうですかね?」
「今日も一緒に料理してたじゃん」
「え、あー、あれか」
「待て待てお前ら、なんの話だ?」
コメント:どういう事だ
コメント:一緒に料理をしてる二人を見てるパイセン?
コメント:何があった
コメント:kwsk
コメント:詳細求む
「あ〜、えっとね〜。昨日にみんなでお泊まりしたんだよね〜」
「その話すんのかよ」
「え〜?しよ〜よ。面白かったじゃん」
「そう、それでね。私お昼くらいに起きて、兄者くんと八重ちゃんがいないから探してたらキッチンにいたの」
「オレらは寝てたから知らん話だな」
「だな〜」
「何作ってるかなーって思ってみたらね。お好み焼き作ってたの。それで、その動きっていうか作り方がなんかすごくて」
「凄いって、どんな感じだ?」
「なんかこう、マヨネーズとか油とか投げ合ってた」
「それは、料理、なのか……?」
「キッチンで遊んじゃダメだよ〜」
「それは桜ちゃんだけには言われたくないなー」
「あれはネタなんですけどね」
「楽しかったですよね!兄者さん」
「まぁ、うん、そうな」
コメント:投げ合ってたw
コメント:喧嘩してたんか
コメント:ぐら〇ぶるネタか
コメント:リアルでやってんのかよw
コメント:仲良くお好み焼き作ってる二人
コメント:やえ兄てぇてぇ
コメント:それを陰から見てるパイセンは正妻?
コメント:正妻の余裕
コメント:やえ兄に見せた兄スミだった?
やってみたかったらしい。
相手がいないとできないし、それ以前に理解して貰わないといけないもんな。
何よりそれを提案して引かれないのが前提。
そらハードルも高くなるか。
「あ、やった、あがり!」
「スミレ先輩いえーい!」
「い、いえーい!」
「パイセンもあがった〜!あ、じゃあババ持ってるの夜斗くん?」
「じゃあってなんだよ!」
「まぁ夜斗だな」
「だからなんでだよ!」
「演技はできるけど嘘は下手なんだよ、うちの妹は」
「いじわるだけど意味ない嘘は言わないんだよ、クソ兄者は」
「……なんだこの兄妹」
「仲良いんだね」
「たまーに仲良いですよねこの二人」
「いつも良いと思うよ?あーいいなー」
「スミレ先輩、姉か弟か欲しかったりします?」
「え、なんで分かったの!?」
「これはもう、チタンダエルですね!」
「チタンダエルだな」
「なにそれ?」
「天使か何かかぁ?」
コメント:私気になります
コメント:本人に伝わってないw
コメント:パイセンが千反田は解釈一致
コメント:半ビーストw
コメント:姫視点だけどやっぱババは夜斗だな
コメント:このまま一生動かなそうw
コメント:ババ「実家のような安心感」
コメント:運ゲーで夜斗が勝てるわけないんだよな
コメント:豪運の姫が残ってる問題
コメント:おいそれフラグ
コメント:あ……
「えぇ〜!!!」
「うっしゃあああ!!!」
「よく勝ったな」
「夜斗くん、おめでとう」
「見たかスミレよ!これが魔王だ」
「あ、その設定まだ生きてたんですね」
「設定って言うな!」
「で、愚妹、罰ゲームらしいが」
「……ねぇ兄者、こういうのなんて言うんだっけ?デジモン?」
「デジャブな」
「「「なんで分かるの!?」」」
コメント:姫の罰ゲームといえばあれか
コメント:マシュマロ読みだな
コメント:姫のマシュマロ罰ゲームセリフで埋まってそうw
コメント:付き人にすら姫虐されてるの草
コメント:一番萌えるのを頼む
「……ねぇこれはダメでしょ!?ダメなやつでしょ〜!!!」
「もういいから、さっさと終わらせてくれ。マジでしんどいから。内容が」
「はーい、じゃあ桜ちゃんの罰ゲームセリフまで3、2、1、ドンッ!」
「兄者、膝枕して♡」
「やべぇ、吐く」
「そんなに!?」
スミレさん、これキツいんす。
だからさ、誰の罰ゲームなのこれ。
せめて俺のいない所でやってくれよ……。
「ただのブラコン台詞じゃなくてブラコンな桜ちゃんって台詞なのがまた効きますね」
「笑えねぇ……」
「なんで兄者くんも嫌がってるの?」
「リアル妹に言われるのはキツいらしい」
「そうなんだ」
「旧劇の量産機戦闘シーン並にキツい」
「うわぁ、それはキツいぃ……」
「ごめん、度合いが分からない……」
「むしろなんで紅葉は分かるんだか」
「はやく次のゲームやろ〜」
コメント:尊死
コメント:姫虐すると兄者にダメージ入るんだな
コメント:ブラコン姫も見たい
コメント:シスコン兄者のセリフまだ?
コメント:兄者にセリフを読ませる方法が浮かばねぇw
んで、二戦目。
愚妹が速攻であがった。
序盤はほぼ運ゲーだし、心理戦できるのはタイマンの時だけだもんな。
その後、俺と八重咲が抜けて、魔王さんと女神さんの対決だ。
「むう……夜斗くん、どっちがババ?」
「フッ、左だ」
「むぅ……」
「これで引かれなかったら夜斗さんからババ不動ですね」
「笑ってやるな」
「夜斗くん弱〜」
「それにさっき負けたのお前だけどな」
「もうわかんないから、えい!」
コメント:勝った!
コメント:第三部完!
コメント:素直に右を引くパイセン
コメント:夜斗が正直に答えたと?
コメント:策士策に溺れるか
コメント:こいつ悪魔の実食ったレベルで溺れてんなw
「罰ゲームかぁ、オレのセリフとか需要あんのか?」
「ないな」
「即答はやめてくれよ……」
「罰ゲームって特に何をするかって決めてなかったんだっけ」
「どうします?あとでアドフィット5時間耐久とかします?」
「死ぬわ!つか紅葉、どっかの誰かからサドが伝染ってないか」
「紅葉ちゃんたまに怖いこと言うよ〜?ヤンデレっていうか闇?」
「なにそれ怖ぇ」
「とりあえず、最弱王名乗るでいいんじゃねぇの」
「ならオレに負けた桜こそだろ」
「一勝一敗だしもう一回やっとくか?」
「なんでアタシたちが負けること決まってんの〜!?」
コメント:頭よわよわの姫と運よわよわの夜斗だもの
コメント:パイセンも心理戦よわよわだけどな
コメント:タイマンで勝てたのは奇跡
コメント:つか、兄者と心理戦なったら勝てるやつおるん?
コメント:八重たんと兄者のタイマンきた!
「兄者さん、わたしが勝ったら罰ゲームどうします?」
「そうだな。当分、俺配信自粛するわ」
「それ兄者さんが休みたいだけですよね!?」
「むしろ出まくって貰うか?」
「それなら、みんなの配信に出るっていうのは?」
「いいですねそれ!」
「よっし、勝て紅葉!」
「なんでいきなり俺対他になってんの」
「兄者、大丈夫だよ〜」
「愚妹……」
「いつも兄者対他だから〜」
「よし、愚妹、殴るぞ」
「タンマ!ね、ほらゲーム中だよ〜、うん。そう、だからグーはやめよ?ね?」
「それじゃあ、こっちにしようか──」
「ちなみに、八重咲。俺が勝ったら渡したポスター回収な?」
「……え!?」
コメント:止まったw
コメント:ポスターってなんぞ
コメント:プレゼントを回収するなよw
コメント:動揺しとるなw
コメント:八重咲……
「そ、そんな……変えなきゃよかった……」
「動揺してくれてよかったわ」
「え、ポスター取られちゃうんですか!?」
「さすがにそこまで鬼じゃねぇよ」
「兄者〜、罰ゲーム何すんの?」
「ザ・ビースト一週間罰金500円な」
「わたし死んじゃう!」
「そんなにつらいんだ」
「幼少期の本〇吾郎の人生くらいつらいです」
「そらつれぇ」
「うん、わかんない……」
「だから、何の話だ?」
「さぁ〜?」
コメント:メジャーw
コメント:あれは辛すぎる
コメント:一週間で罰金万いきそうw
コメント:ここまで無敗の兄者とパイセン
コメント:最強夫婦w
この後、何戦かやったが負け数1位は堂々の夜斗だった。
罰ゲームが累積したため、彼は1ヶ月最弱王を名乗ることになった。
魔王なのに最弱王なのかよ……。
余談だが、昼食後の解散時に、皆に余りまくったプリンを配った。
おかげで黄色に染ってた冷蔵庫が正常になったぜ。