ー 2話 |絶対的強者《ランページ》ー
2115年12月21日午前8時
奈緒が慌てて起きる一時間前、街に黒いコートを羽織った五人の若者がいた。
街の人々はその五人を見た途端、顔を青ざめさせ一目散に逃げていった。
「あれ〜、なんで皆俺たちを見て逃げるのかな〜、全く失礼な人達だよ」
「少し黙れ、ソウマ」
「あ〜怖い怖い。流石第四位、カイトさん」
「喧嘩売っているのか?」
「まあまあ、落ち着けよカイト」
「あなたはソウマに優しすぎますよ、ユウキさん」
「そうか? ソウマ、仕方ないだろ、{ランページ}だからな」
「え〜でも、こんなにあからさまに逃げられるとちょっとショックだな〜」
そんな仲良し?の五人、そう、この五人こそ、
{ランページ}の内の五人だ。
「それにしてもあの人遅いですね〜第二位は遅刻してもいいのかな?」
「うちの姉さんを侮辱してるのですか? ソウマさん? 怒りますよ?」
「全然怖くないよ?第七位の佐伯 桜花ちゃん」
「なんでフルネームで呼ぶんですか? ソウマさん、はっきりいってキモイです」
「うお、オウカちゃん、辛辣〜」
「そんなに言うんだったら、お前が行け、ソウマ」
「第五位に言われると逆らえないですね、ヒナさん。了解です」
というとソウマは脚から雷光を放つと、
「{雷天大壮}」
一瞬で消えてしまった。
~ 数分後 ~
「戻りました……そういえば、第一位のあの御方は?」
四人「さあ?」「そういえば、会ったことないな、名前は確かゼロ??」
「おー、きれいにハモったね~、第二位のあの人なら知ってるかな?」
ソウマがそう言った途端、他の四人はソウマの後ろを指さして口をパクパクさせた。ソウマは不思議に思い後ろを振り返ると、
「げっっ!もう来たの〜?……第二位」
そこには黒いマントを羽織って襟元に赤い七芒星のエンブレムをつけた奈緒がいた。
「その第二位って呼び方やめろ、ソウマ」
「ご、ごめんなさい佐伯 奈緒さん、いやナオさんって言った方がいっか。」
「はぁ~まあいいや。……あ、それとお前だろ? うちの社長を半殺しにしたの」
そうナオが聞くと、ソウマは不敵な笑みを浮かべると、
「はい」と答えた。
「何であんなことしたんだ? 会社混乱して明日から仕事できなくなるじゃねーか」
一同「え、そこ??」
奈緒、改め佐伯 奈緒は普段は会社員としているが、実は{ランページ}の第二位ナオである。さらに第七位の佐伯 桜花の姉でもある。
「お姉ちゃん! 久しぶり〜!!」
「おぉー、オウカじゃん!おひさ〜〜、ところで、さっき第一位がナントカって言ってたよな?なんだ??」
一同「ナオさんはゼロさんについて何か知っていますか」
「そうだな〜、ゼロは……」