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シンデレラになった化け物は灰かぶりの道を歩む  作者: ジルコ
第三章 シンデレラになった化け物は新たな運命を歩む
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第63話 レオンハルトの戦い方

 スカーレット城のダンジョンに出現するモンスターの多くは1階層から出現するグレイフォックスのように動物がモンスターになったようなものが多い。ドロップアイテムとして魔石だけでなく肉が出現するモンスターも多くそれ故にこのダンジョンの上にコーラルが作られたと考えられる。


 動物系のモンスターの特徴としては身体能力に優れ、一芸に秀でている者が多いということか。動きも人間とは全く違うし、サイズも様々なので慣れるまでには多少の時間がかかるということも特徴と言えるかもしれない。


 そんなスカーレット城のダンジョンの中を私たちは早歩き程度の速さで進み続けていた。先頭を歩くのはもちろん私だ。罠を察知する必要があるし、モンスターが来た場合にクリスやアレックスの盾となる必要があるから当たり前だ。

 そして私に続くのがレオンハルト。やはりレオンハルトは私にとっては見慣れた片手剣と盾で戦うようだ。クリスに良いところを見せようとでも思っているのかやたらと気合が入っているのが感じられてかなりウザったいが仕方がない。

 そしてその背後にクリス、アレックス、ギネヴィアが固まって歩いており、一番後ろをシルヴィアが警戒しつつ歩いているというのが今回の布陣だ。


 4人で探索していた時に比べれば前衛に1枚加わっているので安定性が増しているはずだ。とは言え今のところそれを実感することはないのだが。


「ふん!」


 駆けてきた足が異様に発達した牛のモンスターであるスタンプブルの巨体を飛び越えつつその脳天にバトルアックスを振り下ろす。2本の角の間を通り、頭頂部へと突き刺さった刃はそのまま脳まで突き破り致命的なダメージを与える。


「風の3式」

「火の3式」


 それに追い打ちを掛けるように放たれた風と火の槍がその巨体へと突き刺さりスタンプブルは何もできずにどすっという大きな音を立てながら倒れ伏した。


 現在私たちが進んでいるのはダンジョンの11階層だ。ギネヴィアの要望を叶えるためにかなりの速さで進んできてはいたが、どうしても人数が増えたことや、罠の注意喚起などに時間を取られてしまいとてもではないが15階層まで行けるような状態ではない。

 そろそろ昼になるので大休憩がてら昼食を交代で取り、そしてしばらくしたら帰る必要がある。ダンジョンを探索する時は余裕があるうちに引き返すということはソドスから耳にタコが出来るほど聞かされているのだ。実際私の経験上もそうだと思うしな。


「今日はこの階層が限界ね。じゃあしばらくこの階層でモンスターと戦いましょう。ここなら美味しいお肉もドロップするしね」


 ギネヴィアも私と同じ判断をしたのかそう言うと探索の方針の変更を指示してきた。入る前に言っていたこのダンジョンのことについて知っているというのは本当だったみたいだな。確かにこの階層には先ほどのスタンプブルを始め、数種類の肉をドロップするモンスターが存在している。

 無理矢理にでも15階層へ向かわせられるのかとも思っていたが妥当な判断もできるようだ。


「シエラ、レオンと交代よ。レオン、出来るわよね」

「はい」


 指示通り先頭をレオンハルトへと譲り、後ろからその動きを観察する。罠に注意を払いながらじっくりと進んでいくその姿からはある種の余裕のようなものが感じられた。

 このダンジョンを探索しなれている私たちとは違い、レオンハルトにとっては初めての場所であるのだがしっかりと罠を発見し、こちらへと注意を促すその姿は堂にいっている。まあレオンハルト自身も王城にあるダンジョンで探索はしているのだろうし当たり前なのかもしれないがな。


 しばらくして通路の先からモンスターが姿を現した。先程と同じスタンプブルだ。


「突進を止めて抑えますから援護してください」

「「はい」」


 レオンハルトが叫び、それにクリスとアレックスが応える。私はレオンハルトがミスした時にフォローできるように待機だ。まあ実際、前衛がいなかったとしてもクリスとアレックスの2人がいれば近づかれる前に魔法で倒しきることも出来るんだがな。


 それにしてもどうやってスタンプブルを抑えるつもりなのか。

 スタンプブルは足の発達した牛型のモンスターだけあってその突進力はかなりのものだ。体重の軽い私が普通に攻撃を受ければ容易に弾き飛ばされてしまうくらいの威力はある。だからこそ私はかわしながら攻撃するということにしているのだから。


 レオンハルトは剣を納め、盾を構えている。まさか真正面から受ける気か? 私とは体重が違うといってもスタンプブルにとっては些細な違いに過ぎないとレオンハルトならわかっているはずだが。

 そんなことを考えつつ見守っていると、盾を持っていないほうの手が動き魔法陣を形成していった。


「土の四式」


 その声とともに魔法陣が完成し、スタンプブルの突進上に土の柱が生まれる。いきなり現れたそれを回避できるはずもなく正面から柱へと突き進んだスタンプブルはなんとかその土の柱を破壊はしたもののその速度はかなり低下していた。

 そしてそこにレオンハルトが剣を抜きつつ詰め寄り戦い始めた。スタンプブルがその発達した足を振り上げて攻撃してくるがレオンハルトは巧みに盾を使いそれを受け流していく。そして隙を見つけては剣で切りつけていった。


 ふむ、考えたものだな。


 スタンプブルの攻撃の中で怖いのはあの威力のある突進だ。しかしあの突進にも欠点がある。速度を乗せるためにある程度の距離が必要なのだ。逆に言えば距離さえ取らせなければその脅威度は半減するといっても過言ではない。


 レオンハルトの堅実な攻撃により傷を増やしていくスタンプブルが両前足を上げて大きく仰け反り、そしてその両前足を振り下ろす。さすがにその攻撃を盾で防ぐのは難しいと考えたのかレオンハルトが後ろに飛び退いて距離をとると、スタンプブルの口の端がつり上がった。どうやら先ほどの攻撃はレオンハルトを引き離すためのものだったようだな。

 スタンプブルがさらに距離を取るべく振り下ろし終えた前足に力を入れるが、残念だったな。判断を下すのが遅すぎる。


「風の3式」

「火の3式」


 私たちを大きくカーブするようにして飛んでいった風と火の槍は狙いたがわずスタンプブルへと命中し、そのモンスターの命を刈り取ったのだった。

この後書きは本編のイメージを壊す恐れがあります。そういう事が嫌いな方は飛ばして下さい。


【お嬢様と従者による華麗なる後書き】


(●人●) 「投票に行くぞ、あれっくす!」

(╹ω╹) 「うわっ。また唐突ですね」

(●人●) 「何を言っている。国を行く末を案ずる国民として当然のことだろう」

(╹ω╹) 「お嬢様がまともな事を言うなんて……。そうですよね。僕も真剣に考えてみます」

(●人●) 「そうだぞ。公的に自分よりも立場が上の者を貶めることが出来るのだ。これでれおんはるとも一網打尽だ!」

(╹ω╹) 「いつも通りでしたね」

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わりとゆるゆるな現代ダンジョンマスター物です。殺伐とはほぼ縁のないボケとツッコミのあるダンジョンの日常を描いています。

「攻略できない初心者ダンジョン」
https://ncode.syosetu.com/n4296fq/

少しでも気になった方は読んでみてください。

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