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理不尽冒険の始まり始まり!? 5

「二次試験開始!」


 ヘルメンドの合図と共に、再びドーム状の試験会場で開始される。それぞれ等間隔に散らばっており、四方八方どの角度にも敵がいる。その中、善弥は周りの貴族達から、一番の標的とされていた。


「うわっ! 寄ってたかって俺を倒そうとするな!!」


 まずは一番近くにいた、耳にピアスを三十個ほど着けた男が襲ってくる。武器は剣。体格もガッチリしており、先程のおデブちゃんよりは強い。


「しねぇぇぇえ!」


「ほいっと」


 大振りに振った相手の剣は空を切り、善弥の強烈な殴打により遥か彼方へ飛んで行く。


 続いて二人目。射程圏内になると、容赦なしに魔法をぶっぱなす。ただ、善弥にはそれが遅く見え、難なく躱して反撃。遥か彼方へ飛んで行く。


 続いて、三人程が手を組み、囲んで襲いかかってきた。


「手を組むの有りなのかよ!!」


 大きく跳躍し、ある程度来たところで、下を向く。すると、何故か人が小さく見えた。


「あれ? こんなに人小さかったっけ? ……って、天井じゃん!?」


 善弥は一回転し、天井を蹴り、とんでもないスピードで、地面まで落ち、また一回転をして踵落としを地面に決め込み、地面が隆起し、囲んでいた三人はあらぬ方向へ吹っ飛んで行く。


「なんか俺ステータス上がりすぎてません? そんな大してモンスター殺したわけじゃないんだけど?」


『私にもわからん。なんでなんだろうな?』


「まぁいいや……まだまだ俺を狙ってる人は多いようだし……」


 それから、善弥を狙う貴族は数を増し、それは残り人数が三十名になっても試験は終わらず……と言うより止められず、善弥が全員を倒してしまった。


「し、試験終了……合格者、下民……」


「まだ下民だのなんだのって言うの? アイツは根っこからクソ人間だな。絶対ぶっ倒して理不尽を無くしてやる」


『その意気だ』


 その後、善弥はヘルメンドに連れられて、特別棟の理事長室へ案内された。この学校は共学三年制で、校舎が一年、二年、三年の学年でそれぞれ分けられる。だが、善弥の様な、後から入ってくる者もいるため、その者が学ぶ為の施設がここ特別棟だ。


「き、君はあれ程の力をどこで手に入れたのだ?」


「手に入れたも何も、自分の努力の成果ですよ。誰も雇ってませんし、誰にも頼ってない」


「嘘をつくなよ? 下民如きが嘘をついていいなど間違っている。ここは私のルールに従って貰いたい」


「嘘? 俺がいつ嘘をついた? じゃあ仮に、誰かを雇ってたとしても、それは俺が雇うだけの金があるってことだろ? なら、俺は貴族と同等と考えてもいいんじゃないか?」


「はっ、笑わせる。どこの出身かも知らぬガキで、それにその服装。明らかに貴族では無いのが見える。貴族とはな、先祖代々受け継がれてきた血筋と、古くから伝わる服装とそれぞれが持つバッチを貰ってから貴族と言われるのだ。それがないお前はただの下民だ!」


 だめだ。ここでこんな事話していても拉致が明かない。ここは流すしかねぇか。


「はぁ……わかった。下民でいいから、入学は決まった。後は何をすればいい?」


「タメ口を直せ。でなければ教えぬ」


「……ワカリマシタ。オシエテクダサイ」


「チッ……まぁいい。後は金を払え。額は後で教える。それと、貴様の様なもののために、特別棟を使う訳にもいかなぬから、お前は一棟へ行き、そこで貴族が達と共に戦いを学んでもらう」


「ワカリマシタ、三年間よろしくお願いします」


 話の後、制服と生徒手帳、その他諸々の必需品を貰い、金を払ってから理事長室を出る。明日から来いとのことだ。正直めんどくさい。


「ま、ここを潰すためだ。ここで強くならないと話にならないか」


『そうだ。ここに来た理由はそれが大半だからな。後は、冒険者とはどういう者かを学んで欲しいのと、沢山の相手と戦って貰いたいのが本音だ。後は何も臨まぬ』


「なら、これは俺の勝手な決め事だが、ここを制圧した際は、貴族とか下民とかそういう差別は禁止して、平和な町にする」


『それはどれだけ長くなるのやら……』


「俺が強くなればいいんだ。別に三年間通わなくても、ヘルメンドをぶっ倒せばいい。だって、決闘は絶対受けなきゃダメなんだろ?」


『ふっ……まったく、面白い奴だ。……頼むぞ』


「今更何を。やってみせるさ。いや、必ず成し遂げてやるよ!」


「そこの君! まちたまえ〜〜!」


 特別棟を出て、そう息巻いていると、突然後からビブラートを効かせた声で、呼び止められる。


「な、なんです?」


「君、ただ一人の合格者だって? 受験生を全員倒すなんてすごいじゃないか〜〜!」


「そ、そうですけど、貴方は?」


「私は一年のトップをやらせて貰ってる、セレブ=カネモーチだ。以後お見知りおきを〜〜〜!」


 善弥は、その名前にを聞いた時、笑いを必死に堪えた。

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