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理不尽冒険の始まり始まり!? 3

 バトルスクールに一度到着した善弥だったが、試験は午後の三時から。今は丁度十一時。時間もあり、のんびり構えてる暇のないので、モンスターがいそうな所へ散歩していた。


 前とはそこまでステータス欄の文字は変わらず、とても曖昧な表現で書かれているだけだった。だが、文字はそうであっても、善弥は実感していた。成長している事に。


 かなりの数モンスターを倒してきているので、当たり前と言ったら当たり前だ。少しずつだが、善弥は成長して来ている。


「さっきまで三発くらい喰らわせなきゃいけないモンスターを、二発で倒せるようになったぞ! それに、なんだか素手での戦い方がわかってきた」


『それは、武闘家の練度が上がったからだろう。使う度に成長していくんだ』


「おぉ〜! じゃあ、沢山モンスター倒して強くなるぞぉ!」


『その意気だ』


 それからは、時間までずーっとモンスター狩り。ここら辺一帯のモンスターは荒方狩り尽くしてしまった。


『さ、そろそろ時間だ。バトルスクールのある、学園都市エクストラへ行くぞ』


「学園都市!? ってことは、町ひとつが学園って事か!?」


『あ、言わなかったっけ?』


「いや言ってねぇよ!」


『まぁ、入ればわかる。そこの門を潜ればすごさに顎が外れるぞ?』


「ドキドキ、ワクワク!」


 門番に止められ、荷物チェックや身体チェックをされた後、暗いもんの中を通って行くと、段々と騒がしい声と、機械音が鳴り響いてくる。……って機械音!? 異世界であるよかよ機械……。


『見えたな。ここが学園都市エクストラだ。どう見える?』


 その問に、善弥は答えられない。いや、答えたくはなかった。その町の腐り具合に。


「…………」


『酷いだろ? 電車、車、バスは全て貴族や強者が独占。弱者は歩くか荷物持ちか、あるいは……』


「ストレス発散道具に成り下がるか……期待した俺が馬鹿だった。この世界の事を甘く見てたわ」


『そうだな……』


 学園都市エクストラ。この世界では名の知れた場所で、遠路はるばるここへやって来る者も多いらしい。空を見あげればモノレールに似た乗り物。周りを見ればそこら中にそびえ立つビルに家。道路には車やバスが行き来している。そして、なんと言っても、学園都市中央部に建つ巨大な学校バトルスクール。


 見た目は完璧。だがそれは外見だ。中身はそうじゃない。貴族や強者が殆どを独占し、力のない者は排除される。外で寝てたり裏路地で集られたり。強制労働させられている者もいる。ここは腐りきっている。


「ここは、俺が初めにぶっ壊す理不尽な町第一号で良さそうだな。つか、俺って立場的に金持ちなの? 下民なの?」


『中間って所かな? 金の心配はするな。アイテムストレージにタップリあるからな』


「アイテムストレージ!? そんなの聞いてねぇぞ?」


『おぉ、悪い。話してなかったな。その服のポケットに手を突っ込んで、ストレージオープンって心で叫べ。そすりゃ頭にアイテムが浮かぶから』


「なんか本当に冒険やってるみたいだなぁ……」


 善弥は言われた通りの事をし、アイテムストレージを見てみる。表示されたのは、所持金……ゴールド? これはこの世界での通貨だろ。っで、肝心の額は……はぁ!? 九の数字が十二個あんぞ!?


『驚いただろぉ? 理不尽冒険者に俺からのプレゼントその二って所かな? あはははは!』


「ま、まぁこれだけあるならいいか……」


 善弥は、あまり時間が無かったため、走ってバトルスクールへ向かった。


 バトルスクール前へ到着し、正門前では、受付をしていた。


「人いるなぁ。どいつもこいつも、ボンボンの頭の中豊かな強がりさんか、よっぽどの腕自慢だろーけど」


『ボンボンもかなり強いぞ? 金持ちは講師を雇うからな。基本や技を教えてくれる』


「じゃ、俺一番不利じゃね?」


『まぁ、その、なんだ……考えるな。感じろ』


「死ね」


 少し緊張しつつも、なんとか受付を終え、誘導係に付いて行く。学校内は尋常ではないくらいに広く、生徒の数も多い。校舎、第一運動場や第一体育館、様々な施設が密接しており、どれも戦闘向けに作られたものだ。


「ここ、見てるだけで吐き気がしてくる……こんな弱い者を受け入れない施設はぶっ壊してやりたい」


『なら、ここで強くなれ。そして、ここを統括するリーダー。ヘルメンド=ワンを倒してくれ』


「わかった。だが、こればかりは時間がかかるかもな。それでもいいか?」


『あぁ、いいとも。頑張ってくれるだけで、我々は救われる』


「良し、なら良かった」

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