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理不尽冒険の始まり始まり!? 1

「……はっ!? こ、ここは……?」


 目が覚めたのは、見知らぬ家の中。見た感じ木造だ……それに、人の気配も無い。何なんだ?


『そこは、これからのお前の拠点だ』


「わっ!? ビックリしたぁ……って、ここが俺の家ってことか?」


『ああ、そうだ』


「ふ〜ん……で? これから俺は何をするんだ?」


『目を瞑り、頭の中でステータスオープンと唱えてみろ』


「なんじゃそれ」


『いいから、やってみろ』


「……ったく」


 目を瞑り、頭の中で唱える。ステータスオープン。


 すると、ゲームでよくある、ステータス画面の様なものが、頭の中に浮かんでくる。


 これすご! なんかゲームやってみるたいだなぁ……。で、なになにっと? ……これ、ステータス値が、数字じゃなくて文字で表されてるんだけど?なに? 体力の欄。死なないから書く必要が無い? 適当すぎんだろ!?


『ああ、それはお前が特別特殊なだけだ。お前には頑張ってもらわないといけないからな。で、この世界の話だが……』


「って、いやいやいや、こんなのゲームじゃ許されないからね!?」


『まぁいいだろ? 実際、どこまでもステータスが上がるんだ。ごちゃごちゃ数字を並べたってよくわからんだろ?』


「た、確かに……って、今まで普通に話してたけど、あんた誰なんだ?なぜ俺に話しかけてくる?」


『あ? 自己紹介がまだだったか? 私は……まぁそうだなぁ。この世界の人々から漏れ出した、理不尽に対する苛立ちの思いが、集まるに集まって発生した、いわばこの世界反逆者的な?』


「発生ってなんだよ……」


『届かぬ叫びや、心の中の思い。それらが人には見えない形で集まった物だよ。それと、これは関係ないが、ある程度のお前のいた世界の知識がある。それより、この世界の話に戻るぞ?』


「あ、あぁ……俺に話しかけてくる奴が、目には見えなくて、だけど俺の中にいるのはわかったから戻っていいぞ」


『理解が早いな。よし、では話すぞ?』


 善弥は、唾を飲み込み、頷く。


『一つ目、この世界は広いと言うこと。大きさでいうと、お前が元いた世界の七倍だ』


「うんうん……七倍!?!?」


『二つ目、この世界には、ゲームで言うところの冒険者という者がいる。もちろん、魔族と呼ばれる敵もだ。これは、全員そういう力があるから、迂闊にこちらから手を出すな? 死ぬぞ? ……あ、死なないんだった』


「……ってことは、勇者だったり、剣士だったり、敵だったら、魔王だったり、魔女だったり?」


『そうだ。村人の一人一人にも力はある。それ故に、この世界ではルールがある』


「ルール?」


『ああ。この世界では、力を持つものが権力者。つまり、その村や町で、一番に強いものがリーダーって事だ。つまり、何が言いたいかわかるな?』


「ああ。理不尽要素一つ目な」


『その通り。そして三つ目。この世界には、神が実在する。それも、かなり多く、かなりめんどくさい。ただ、神は個人でしか動かないから、権力者という訳では無いが……』


「神同士が暴れる、とか、神を崇める奴らの戦争、とか、神を殺す、とか、神が殺す、とかか?」


『その通り……はぁ……こればかりは今のお前では無理でなぁ……』


「理不尽要素二つ目、がもうすでにスケールが大きすぎて泣きそうなんだか?」


『四つ目、の前に、言い忘れてた。この世界にはドラゴンもいる。こいつらも気分屋でなぁ……神よりめんどくさい事もある』


「もしこれがゲームだったら絶対批判殺到」


『そして四つ目。決闘を申し込まれたら、絶対に断れない。断ったら殺されるか処刑。これは、この世界を作った創造神が決めた、人にだけ有効なルールだ。だが、お前が選んだ不死の力なら問題ない』


「良かった。俺、そういう訳の分からない死に方するのが嫌だし、理不尽って聞いた瞬間に、理不尽な死をしたくないから不死を選んだんだよねぇ。一生のんびり暮らしてたいし」


『そうか。……とまぁ、こんなところかな。あとの細かい説明は歩きながらするか。とりあえず、学校へ行こう』


「そうだなぁー……って、え? が、学校?」


『当たり前だろ? と言っても、座学ではない。戦いを学ぶんだ』


「そ、そんなのあるの!? ま、まぁいいや……わかった。制服は?」


『向こうで渡される。試験は今日だ。試験は主に戦闘を行って、認められたものが入学出来るというものだ。さぁ、行きたまえ!』


「なんだそのいかにも理不尽の臭いがプンプンする試験は……まぁ、行くしかねぇか……」


 行き先が決まり、目指す場所は、この世界でもかなり有名な、冒険者育成機関学校バトルスクール。この時の善弥は甘く考えていた。この学校、いや、この世界が、どれだけ理不尽に溢れているのかを……。

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