第99話 「心機一転!アリア、イメチェンがしたいッ!」
前回までのあらすじ! ブレイドは見事ニート生活から脱出し、海の家でシェフになった! よかったね!
ある日の正午のことッ!
ワタルがいつものように自室で筋トレをしていると、突然タンスの一番下の引き出しが開いたッ!
そしてッッ!!
「ワタルさん!! 聞いてください!!!」
タンスの中から平然とアリアが登場ッ! 忘れていただきたくないのだが、彼女はこの作品のメインヒロインであるッッ!!
「おお、アリアじゃないかッ! どうしたんだいきなりッ!」
ワタルは1秒間に10回のペースで腕立て伏せをしながらそう言ったッ!
「一旦腕立て伏せをやめてください!」
「わかったッ!」
彼女の言葉に素直に従い、腕立て伏せをやめるワタルッ! そしてアリアはタンスの中から完全に体を出し、神妙な面持ちで口を開いたッ!
「ワタルさん……そろそろ私、“イメチェン”するべきじゃないですか!?」
「……………………………………………………はあッッ???」
ワタル、困惑ッッッ!!!
「だってこの小説、今回のエピソードで99話目ですよ!? そろそろイメチェンがあっても良くないですか!? 私、第2話の初登場時からずっと純白のワンピース姿でビジュアル固定ですよ!?」
「いや、だからって別にイメチェンとか、そういうのいいだろ……ッッ!!」
するとその時ッ! 今度はタンスの下から2番目の引き出しが開き、そこからリベリオンが登場したッ!
「ふふ、なにやら面白そうな話をしているな」
「おお、リベリオンさん! 丁度いいところに! どうせならあなたも一緒にイメチェンしましょう!」
「確かに、ここまで私はずっと鎧だけを着てきたからな……。そろそろ、普通の服とか着ちゃおうかな……」
タンスから上半身だけを出した状態で話すリベリオンッ!
「よーし、そうと決まれば早速、服を買いにショッピングへ行きましょう! ワタルさんも来てください!」
「なんでだよッッ!!」
こうして、ワタルとアリアとリベリオンはショッピングに出かけることになったッッッ!!!
ウィンド大陸で最も栄える街、スカイ王国ッ! この街の中心部にある繁華街へと、3人は足を踏み入れたッ!
様々な出店の屋台や雑貨店が立ち並ぶ通りを前に、気合十分といった様子のアリアが口を開くッ!
「ここなら、おしゃれな服がたくさん買えそうですね!」
「ああ、そうだな!」
リベリオンも賛同したッ!
「それじゃあ俺は適当にそこらへんで正拳突きしてくるから、その間に2人は買い物をしてきてくれッッ!!」
「分かった。では、2時間後にまたここへ集合しよう」
「それまでは個別行動ですね! それじゃまた後で!」
言うが早いかアリアは駆け出し、繁華街の雑踏の中に消えていくのであった……ッ!
そして2時間後――
正拳突き1万回を終えたワタルが約束の場所に着くと、そこにはいつものとげとげしい鎧を脱ぎ、代わりに黒いTシャツを身にまとったリベリオンがいたッ!
「おっ、来たかワタル。どうだ、中々良いTシャツだろう?」
そう言って得意げに腰に手を当て、シャツを見せびらかしてくるリベリオンッ! 今の恰好の彼女は、元魔王四天王とは思えないほど“普通のかわいらしい女性”であるッッ!!
「うむ、似合っているぞッ! ところでそのシャツ、中央にデカデカと文字が書いてあるが……一体どういう意味だッ???」
説明しようッ! 99話にもなるのに、ワタルはいまだにこの世界の文字が読めないッ!
じゃあなぜ会話はできるのかという謎が存在するのだが、もうそんなことはどうでもいいッッッッッ!!!!! これからもその謎が明かされる予定はないッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
するとリベリオンは口を開き、
「これは“お茶漬け”と言う意味だ!」
と答えたッ!
「??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」
ワタル、混乱ッ! 圧倒的混乱ッッ!!
「……なんでそんな文字が書かれたTシャツを着るんだッ???」
それは、あまりにも純粋な疑問であった……ッッ!!
「……え、いやなんでって言われても……私お茶漬け好きだし……」
「……………………………………………………ま、まあ、お前が気に入ったんならいいんじゃないか……ッッッ……………………………………………………」
「お、おう……………………………………………………え、もしかしてこのTシャツ、ダサい?」
「エッッッッッ!!!!!????? いや別に……ッッッ……………………………………………………」
言えないッ! リベリオンが自信満々に選んで買ったTシャツを、ダサいなどとはッッ!!
心優しき日本男児であるワタルには、そんなこと口が裂けても言えないのだッッッ!!!
そして2人の間に流れる、あまりにも気まずい雰囲気ッ!
――と、その時ッ!
その静寂を打ち破るかのように、遠方からけたたましいバイクのエンジン音が近付いてきたッッ!!
ブオォォォォォオンッッッッッ!!!!!
「武ッ!?」
「なんだ!?」
驚きながら音のする方向を向くワタルとリベリオンッッ!!
するとそこにいたのは、なんとッッ!!
「お前まさか……アリアかッッ!?」
次回、「記念!ワタル、第100話&連載開始1周年ッ!」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]必見!正しいイメチェンの仕方!……異世界転生出版




