表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/138

第89話 「緊張!ワタル、お茶会に誘われるッ!」

 前回までのあらすじ! ワタル達はクイズ大会に優勝し、見事に3本目の宝剣を手に入れた! 残す宝剣はあと1本! とその時、ワタル達の前に邪道院 邪々美じゃどういんじゃじゃみが現れた! どうなるワタル!











邪道院 邪々美じゃどういんじゃじゃみッッッ!!!」


「久しぶりね、ワタル!」


 邪々美はその茶色いショートの髪を揺らしながらはにかんだ! 可愛いッ!


「な、なぜこんなところに来たんだッ!?」


 ワタルは狼狽しながら尋ねたッ! すると彼女は懐から一枚のカードを取り出し、それをワタルに差し出したッ!


「武ッ! なんだこれはッ???」


 そのカードには何やら文字が書かれているが、ワタルはこの世界の文字をいまだに読むことが出来ないので理解不能ッッ!!


「見てわからないの? これはお茶会の招待状よ!」


「お茶会の招待状ッ??? なぜそんなものを俺によこすんだッ???」


「私のパパが、アンタに会いたがってるからよ!」


「な、何ィ~~~ッ!?」


 ワタルの脳裏に、かつて邂逅した邪々美の父、邪道院 邪々丸じゃどういんじゃじゃまるの姿がフラッシュバックするッ!


 身長4メートルという規格外の巨体に、丸太のように太い腕ッ! そして特に印象的な、悪鬼が如きあの形相ッ!


 流石のワタルも、邪々丸には肝を冷やしたッ!


「パパが言ってたわ。アンタ、宝剣を集めてウィンド大陸のあちこちを走り回っているんでしょう? で、それが今のクイズ大会で手に入れた3本目の宝剣ってわけね!」


 ワタルの背中に背負われた宝剣を指差しながら言う邪々美ッ!


「な、なぜそこまでの情報を握っているんだ?」


 リベリオンは眉をひそめながらそう言った! すると邪々美は胸を張って


「ふふん、邪道院家のネットワークを舐めないでほしいわね!」


と返すッ!


「というわけでワタル! 3日後に私の屋敷に来なさい! そこでパパが、4本目の宝剣についての情報を渡すわ!」


「なるほど、分かったッ!」


 ワタルはコクリと頷いたッ!


「ただし、一人で来ること! いいわね!?」


 それを聞いた一同はびっくり仰天ッッ!!


「そ、そんな! 危険ですワタルさん! これは罠ですよ!」


 腰に手を当てながら言うアリアッ! 確かに、彼女の主張はもっともだッ!


 だがしかしッ! この誘いに乗らなければ、最後の宝剣についての情報を得る千載一遇のチャンスを失ってしまうのもまた事実ッ!


「……よし、行こうッ!」


 ワタルが覚悟を決めた表情でそう答えるッ!


「OK、これで約束は成立ね! それじゃあ3日後にあいましょう!」


 そう言うと彼女は踵を返し、ワタル顔負けのスピードで走り去っていくのであった……ッッ!!











 そして3日後ッッッ!!!


 約束通りワタルは単身で邪々美の屋敷へとやってきたッ! ちなみにこの巨大な屋敷は、スカイ王国からずっと遠く離れたところに位置する荒野の中にポツンと建っており、ここに来るのは第32話以来2度目であるッッ!!


「すいませ~~~んッッッ!!!」


 ワタルは叫び、洋館入口の巨大な扉に正拳突きをかましたッッ!!






 ドシンッッッ!!!






 辺りに鈍い音が響くッ! するとその扉がゆっくりと開き、中から一人の初老の男性が現れたッ!


「お久しぶりです、ワタル様。お待ちしておりました」


 そう言いながら丁寧にお辞儀をする男性は、この屋敷で執事として仕えているセバスチャンッ! 黒い燕尾服に身を包んだ上品な紳士であるッッ!!


「お久しぶりです、セバスチャンさんッ!」


 ワタルは元気に挨拶をしたッ!


「さあ、こちらへどうぞ」


「はいッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 というわけでワタルは、セバスチャンに連れられて屋敷1階の奥にある大広間へと向かったッ!


 ここはかつて邪々美とオーブを賭けて闘った、思い出深い場所であるッ!


 そして部屋の中央には、真っ白なテーブルと2つの椅子が設置されていたッ!


「今から旦那様をお呼びしてまいります。ワタル様は、椅子に座ってお待ちください」


「はいッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 セバスチャンに言われたとおりに椅子に座り、邪々丸を待つワタルッ! 数分後ッ!






 ドシン……ッ! ドシン……ッッ!!






 地響きッ! 圧倒的地響きが屋敷全体を揺らしたッ!


「来たか……ッ!」


 椅子に座ったまま身構えるワタルッ!


 そしてッッッ!!!






 ドカーーーンッッッッッ!!!!!






 凄まじい爆音とともに、部屋の入口が壁ごと爆発したッッ!!


「やあ、待たせたね……!!!!!!!!!!」


 爆煙の中から悠々と出てきた身長4メートルの人物はッ! そうッ!


 ――邪道院 邪々丸じゃどういんじゃじゃまるであるッ!


 オーダーメイドの純白のスーツに身を包んだ彼は、悪鬼が如き顔面をぐにゃりと歪ませて微笑んだッ!


「こんにちは……ッッ!!」


 ワタルは椅子から立ち上がり、きびきびとした動作で頭を下げた!


「ふふふ、そう緊張することはない……さあ、座り給え」


 ワタルの対面の椅子に腰を掛けながら言う邪々丸! しかしお気付きだろうか!? 彼は、本当は椅子に座ってなどいない! 椅子にお尻が触れる寸前で、かすかに浮いているッ!


 これは間違いなく――空気椅子ッ!


「気にしないでくれ。私が座ったら椅子が壊れてしまうからね、いつも空気椅子をして(こうやって)いるんだ」


「なるほど……ッ!」


 邪道院邪々丸、恐るべしッ! ワタルは目の前の筋肉巨人が放つオーラに若干気圧されながらも、椅子に座ったッ!


 するとセバスチャンが音もなく現れ、2人の前に紅茶を置くッ! それは上品な香りのハーブティーであったッ!


「さて、早速だがワタル君……君は今、かなり危機的な状態に陥っているんだろう?」


「ええ、そうですッ! 実は……」


 邪々丸はその丸太のように太い腕を上げ、ワタルの話を遮るッ!


「いや、話す必要はない。事情は全て理解(わか)っている」


「ッッ!?」


「君にはまだ話していなかったが……私が当主を務めるこの邪道院家は、代々続く最強の暗殺者一家だ。そのためウィンド大陸中に独自のネットワークを所有している。だから君が今、完全に生き返るために4本の宝剣を探していることも知っているんだ」


 今明かされる衝撃の真実ッ! なんと、邪道院家は暗殺者一家だったッ!


「暗殺者一家、ですか……なるほど……ッ!」


 ワタルはそう言いながら、ハーブティーを一口含んだッ! 美味いッッ!!


「さて、単刀直入に言おう。4本目の宝剣は、他でもない私が所有している」


「……」


 ワタル、沈黙ッッ!!


「おや、驚くかと思ったんだが……」


「いえ、あなたからこうしてお誘いの招待状を受け取った時点で、ある程度の予想はついていましたッッ!! 問題は……」


「――宝剣を譲る条件、ということかな?」


 邪々丸はそう言ってニヤリと笑ったッ!


「……そうですッッッ!!!」


 仁王の形相で答えるワタルッ!


 すると邪々丸は、悪鬼の形相でゆっくりと口を開いたッッ!!


「宝剣を譲る条件は……この私を倒すことだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 その瞬間ッッッッッ!!!!!


 空気椅子の状態から一気に跳び上がった邪々丸は、その巨体からは想像できないほどのスピードでワタルに蹴りを放ったッッッ!!!


「武ッッッッッ!!!!!」


 ワタルvs邪道院邪々丸ッ! ウィンド大陸全土を揺るがす今世紀最大の闘いが、今始まったッッッッッ!!!!!


 一体なぜ、邪々丸はワタルを襲うのだろうかッッッ!?!?


 次回、「激突!仁王vs悪鬼ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]異世界の紅茶の品種大百科……異世界転生出版

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ