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第80話 「激闘必死の新章開幕!4本の宝剣を探せッ!」

 前回までのあらすじ! そんなものを書くのは面倒なので、各自前回のエピソードを読み返して思い出せ!











 そんなわけで、ワタルが巨大スライムを自爆で巻き込んで倒してから2日が過ぎたッ!


 ワタルはこの日、ラモンに呼び出しを受けたので“魔物研究所”へとやってきていたッ!


「やあワタル君、来たか!」


 ワタルが意気揚々と研究室に入ると、白衣姿のラモンが出迎えるッッ!!


「よおラモンッッ!! 今日は何のようだッッ!?」


「それなんだが、まずはこいつを見てほしい」


 ラモンはそう言って、研究室中央に位置するテーブルを指差したッ!


「……これはなんだッッ???」


 テーブルの上に置かれたものを見て、思わず首をかしげるワタルッ! なんとそこには、ボロボロの剣が一本横たわっていたッ!


 全長は約1.5メートルッ! ところどころ黒ずんではいるが見事な流線型の装飾が施されており、素人目からも名剣だと分かるッ!


「これは、この間の巨大スライムの死骸から見つかったものだ」


「なんだとッ!?」


 ラモンの言葉を聞いて眉をひそめるワタルッ!


「奇妙な点はこれだけじゃない。調べて見たところ、その剣には異常なほどの魔力が秘められていることが分かった!」


「この剣がか……ッ! パッと見たところ、そこまで凄い物には思えんが……ッッ!!」


 ワタルはボロボロの剣をマジマジと眺めながら言ったッ!


「これはあくまでも憶測だが、スライムが巨大化したのは遺伝子異常ではなく、その剣を体内に取り込んでしまったからではないかと考えている」


「なるほどな……ッ!」


「もしかしたらこれは、“宝剣”と呼ばれる類のものかも知れないな」


 “宝剣”というワードに聞き覚えがあるワタルは、ハッとした表情で記憶の中を探るッ!


「宝剣……宝剣……アッ!!!!!!!!!!」


 ワタル、絶叫ッッッッッ!!!!! 圧倒的絶叫ッッッッッ!!!!!


 そしてビビるラモンッッッ!!!


「どうしたんだいきなり!」


「思い出したッッ!! 俺は半年以内に全ての宝剣を集めないと、死んでしまうんだッッ!!」


「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」


 ラモン、困惑ッ!


「ワタル君、君は一体何を言っているんだ」


「実はかくかくしかじかでな……ッッ!!」


 そんなわけでワタルは、先日脱獄囚のクラックと闘い絶命してしまったこと、そして死後の世界で閻魔と取引し、“半年以内に4本の宝剣を集める”ということを条件に生き返らせてもらったことをラモンに説明したッ!


「なるほどな……にわかには信じられない話だが、君が言うなら間違いないのだろうな」


「ああッ! つまり俺は、こういう宝剣をあと3本集めないといけないんだッッッ!!! 何か情報を持っていないかッ!?」


 ワタルがたずねると、ラモンは顎をさすりながら考え始めるッ!


「ふむ……そういえば数ヶ月前に、ウィンド大陸の北に住むとある大富豪が、オークションで一本の宝剣を買い取ったという話を聞いたぞ」


「なるほど……それじゃあまずは、そこに行ってみるかッ!」


「ああ、だが気をつけろよ。その大富豪は、かなりの偏屈な爺さんらしいからな」


「臨むところだッッッ!!!」











 というわけで、ワタルは早速アリアとリベリオンを召集し、スカイ王国の噴水広場へと集まったッ!


 そして2人に、今回の経緯を詳しく説明するッ!


「……え、じゃあワタルさん、死んでたんですか?」


 彼の説明を聞いて驚愕するアリアッ!


「おう、そうだぞッ!」


「なぜそのことをすぐに言わなかったんだ?」


「忘れてたッッ!! ガハハッッッ!!!」


 あっけらかんと笑うワタルを見て、あきれ返るリベリオンッ!


「はぁ……とにかく、急いで宝剣を集める旅に出る必要があるな」


「うむ、そうだなッ! 幸いタイムリミットまでは余裕があるし、まあ何とかなるだろッッ!!」


「それじゃあ早速、出発しましょうか!」


 かくしてワタル・アリア・リベリオンの3人は、残り3本の宝剣を集める旅に出るのであったッ!











 翌日ッ! 一向はのどかな街道を歩いて、スカイ王国から北へ10キロ行ったところに位置する豪邸へとたどり着いたッ!


「おお……ずいぶんと立派な邸宅だなッ!」


 豊かな草原の中にぽつんと存在するその建物は、全体に赤色の塗装が施された派手な洋館であったッ!


「それにしてもこの豪邸、見ていると目が痛くなってくるな……」


「聞いた話だと、ここに住んでいる人は派手好きで偏屈なおじいさんらしいですよ」


「そうなのか……」


「とりあえず入ろうぜッッ!!」


 言うが早いかワタルは洋館の入り口まで歩き、その大きな扉をドンドンと叩くッ!


「すいませーーーんッッッ!!! 誰かいませんかーーーッッッ???」


 叫ぶワタルッ! しかし洋館の中から返事はないッ!


「……どうする、このドア壊すかッ?」


「それだけはやめろ」


 リベリオンは冷静に突っ込んだッ!


 ――と、その時ッ!






 ギギギィィィ……ッッ!!






 ワタルの目の前の扉が、ゆっくりと開くッ!


「お、開きましたね!」


 そして中から、一人の女性が出てきたッ!


 白と赤という派手な色合いのメイド服に身を包んだその女性は、色白で美しい肌を持っており、年齢は19歳ほどに見えるッ!


「どうもこんにちは、私はメイドのミラと申します。アリババ様に何か御用でしょうか?」


 丁寧にお辞儀をしながらたずねてくるミラッ! “アリババ”というのは、おそらくこの豪邸の主のことだろうッ!


「あ、すいませんッ! 宝剣がほしいんですけどッ!」


「……?」


 不思議そうな表情でワタルを見つめるミラッ!


 ここにきてワタル、渾身のミスッ! いきなり宝剣の話を切り出しても相手を混乱させるだけだッ!


 すると代わりにリベリオンが前に出て、口を開いたッ!


「不躾ですまない、私たちは冒険者だ。ここの主人であるアリババと商談がしたくて来た」


 リベリオンのナイスフォローッ! メイドのミラも納得した様子だッ!


「なるほど、そういうことでしたか。それではアリババ様の部屋へと案内いたしますので、ついてきてください」


「はいッッッ!!!」


 こうしてワタルたちは、無事に豪邸の中へと入ることに成功ッ! しかし、このときの彼らは知る由も無かったッ!


 まさか、この洋館であんなにも恐ろしい事件が起こるなどとは――ッッ!!


 次回、「事件発生!熱血名探偵ワタル、爆誕ッ!」


・参考文献

[1]よく分かるメイドの歴史……異世界転生出版

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