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第77話 「参上!熱血機兵グレートガイッ!」

 前回までのあらすじ! 巨大スライムと闘うワタルであったが、敵の巨体になすすべもなく逃走! アリアを担いでスカイ王国の研究所へと戻るのであった! すると巨大スライムも執念深くワタルを追いかけ、スカイ王国へと急接近! 今世紀最大級の王国のピンチに、ラモンはついに最終兵器“熱血機兵グレートガイ”の起動を決意するのであった!











 そんなわけでラモンは、ワタルと意識を取り戻したアリアを連れて、研究所最奥部に位置するドアへとやってきたッ!


「ここだ、入ってくれ」


 ラモンに言われてその先の部屋に入室するワタルとアリアッ! しかし室内は暗く、どんな空間なのか分からないッ!


「……今、電気を付ける」


 するとラモンは懐から小さなリモコンを取り出し、いくつかスイッチを押したッ!


 そしてッ!






 ピカァァァンッッッッッ!!!!!






 部屋が明るく照らされ、その全貌が明らかになったッッッッッ!!!!!


「こ、これは……ッッッッッ!!!!!」


「な、なんですか!?」


 ワタルとアリア、眼を見開いて驚愕ッ!


 なんと二人が案内された部屋は100メートル四方の広大なガレージで、その空間の中央には巨大な鉄の塊があったッ!


 もっと正確に描写するならば、それはなんと“全長8メートルの巨大な騎士”ッ!


 一瞬巨人が鎧を全身に着けているのかと思ったが、それは違うッ! 鎧の中に、生命体はいないッ! 間違いなくこれはロボットだッ!


 滑らかな流線形のフォルムをした、騎士のロボットだッッ!!


「説明しよう。これが私の開発した最終兵器……“熱血機兵グレートガイ”だ!!」


 キリッとした表情で力強く叫ぶラモンッ! それを聞いたワタルとアリアは、グレートガイに興味津々であるッ!


「すげぇッッッッッ!!!!!」


「すごいですね!」


 二人の反応に鼻高々と言った様子のラモンッ!


「そうだろうそうだろう! これは見てのとおり鋼鉄の騎士なわけだが、その全長はなんと8メートル! だから、人が“着て”扱うものではなく、人が“乗って”扱うものなんだ!」


 要するに、彼はめちゃくちゃかっこいい巨大ロボットを作っていたということだッ!


「やるじゃないですかラモンさん! でも、なんでこんなものを作ろうと思ったんですか?」


 アリアが首をかしげてそう尋ねると、ラモンは天を仰ぎながら、静かに過去のエピソードを語り始めたッ!


「そう、あれは私がまだ8歳だった頃のことだ……」











 幼い日のラモンは、スケッチブックに絵を描くのが大好きな、明るい少年であった。動物や風景の絵を描くのも良かったが、一番はまっていたのは大きなロボットの絵を描くこと。


 2足歩行が出来て全身に強力な武器が沢山搭載された、ロマンあふれる夢のようなロボットが好きだったのだ。


「ママー! 見て見てー! おっきなロボットの絵を描いたよー!」


 ある日ラモンは、リビングのソファーに座る母親に、拙いながらも一生懸命描いた巨大ロボットの絵を見せた。すると母親はその絵を一瞥し、


「そんなことをやっている暇があるなら勉強しなさい。さもないとあなたの2番目と4番目のお父さんのように、馬鹿な大人になってしまうわよ」


と冷たい表情で言い放ったのだ。


「そ、そんなー! 僕、頑張って描いたんだよー? ほめてよー! 大体2番目のお父さんと4番目のお父さんに関しては会ったこともないから、そんなこと言われてもわかんないよー!」


「うるさいわね! 私は今スマホゲーのログインボーナス集めで忙しいのよ! あっちに行ってなさい!」


 この時、ラモンは心に誓った。一生懸命勉強して、立派な科学者になり、本物の巨大ロボットを作って見せようと。











「……というわけで、僕は必死に研究して、この巨大ロボットを作り上げたんだ!」


 機体を見つめながら熱く語るラモン!


「……ッッッッッ?????」


 意味がさっぱり理解できなかったワタル!


「あなたの家庭環境複雑すぎません?」


 冷静に突っ込むアリア!


「とにかく、時間がない! ワタル君、これに乗ってくれ!」


「の、乗るのは構わんが……操作方法なんか全くわからんぞッ!」


 ワタルは数か月前まで、ごく普通の男子高校生だったのであるッ! 故に、ロボットなど操作できなくて当たり前だッッ!!


「それについては大丈夫だ!」


「本当かッッ!?」


「ああ! 乗ってみればわかるさ!」


 ラモンはそう言って手元のリモコンを操作するッ! するとガレージ中央で沈黙する巨大な騎士の腹部が、パカリと開いたッ!


「あそこがコックピットだ! 乗ってくれ!」


「うん、分かったッッッッッ!!!!! ドリャアァァァーーーッッッッッ!!!!!」


 気合一閃ッッッッッ!!!!!


 ワタルは鋭く叫ぶと同時にジャンプし、巨大ロボの腹部へと入っていくッ!


「こ、これは……ッ!」


 通常、“コックピット”と聞くと、わけのわからないボタンや計器類がたくさん並んだ狭苦しい空間をイメージするッ!


 だが、“熱血機兵グレートガイ”のコックピットは違ったッ!


 そう言った機器の類が一切ない、広々とした空間だったのだッッ!!


「だ、だが……どこに座ればいいんだッッ!?」


 そうッ! そこはもはやコックピットと言うよりもただの空き部屋ッ! 座る椅子すらもないッ!


 すると突然、天井のスピーカーからラモンの声が響いたッ!


「どうだいワタル君! 快適な空間だろう?」


「お、ラモンかッ! びっくりしたぞ、このコックピットッ! ところで、こんな場所でどうやってマシンを操縦するんだッッ!?」


「説明しよう! こいつは操縦者の体の動きをトレースして、全く同じ動きを繰り出すことが出来るんだ! だから面倒なレバー操作は必要ないのさ!」


 彼の説明を聞いて感心するワタルッ!


「なるほどな……つまり、俺がコックピットの中でパンチをすればこいつもパンチをするってわけだなッ!」


「そうだ!」


 そうと分かれば話は早いッッ!!


「よしッ! 時間がない、早速出撃だッッ!!」


「ああ、わかった!」


 するとガレージの天井が開き、燦々と輝く太陽の光がグレートガイを包んだッ!


「ここから出ればいいんだなッッ!!」


「ああそうだ! 心の準備はいいか!?」


「無論ッッッッッ!!!!!」


 ワタルはコックピットの中央で仁王立ちし、憤怒の形相で答えたッッッ!!!


「それじゃあいくぞ! 熱血機兵グレートガイ、出撃だ!!」


 ラモンの力強い宣告ッ! それと同時にグレートガイに電源が入り、兜のモノアイが赤く光ったッッ!!


 次回、「激突!怪獣vsグレートガイッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]異世界転生小説で巨大ロボを出す方法……異世界転生出版

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