第70話 「ジャングルのラップバトル!結果は引き分けッ!」
前回までのあらすじ! ワタル達が無人島に漂流して5日が過ぎた! そんなわけでワタルがいつものように森へ狩りに出かけると、なんとそこで身長4メートルの巨大ゴリラに遭遇! 戦いを覚悟するワタルであったが、ゴリラが提案してきた対戦方法はラップバトルであった!
というわけで、ワタルvsゴリラのラップバトルは後半戦に突入!
舞台はジャングルのど真ん中ッ! 上半身裸のワタルと身長4メートルのゴリラによる一騎打ちであるッ!
「イクゾ、ニンゲン……!」
マイク代わりのバナナを握りしめて言うゴリラッ!
「来いッッッ!!!」
ワタルは腕を組みながら返答したッ!
そしてゴリラは深く息を吸い、2度目のラップを歌い始めるッッ!!
さあッ! 読者の皆様も一緒に歌おうッッッッッ!!!!!
「Hey yo! ワイルドなビート! 今ジャストミート!
酔いどれのヒット! フィーリングベスト!
ここに立つ俺がジャングルの王者!
そこに立つお前はただの亡者!
妥協せぬフロウ! ぶちかますブロウ!
そして沸くフロア! 求めるぜモア!
Yeah!」
バナナ片手に見事ラップを歌い上げるゴリラッ! まるで、ジャングルが彼専用のダンスフロアになってしまったかのような錯覚を受けるッ!
「やるじゃねぇか……ッッッッッ!!!!!」
「ラスト……オマエ……カカッテコイ……!」
ゴリラはそう言って、ワタルにバナナを投げたッ!
「ぶちかましてやるぜッッッッッ!!!!!」
時速190キロで飛んできたバナナをパシリと受け止めながら叫ぶワタルッ! ジャングルに彼の雄叫びがこだましたッ!
そして深く息を吸い、決着をつけるべく最後のラップを歌い始めるッッ!!
さあッ! 読者の皆様も一緒に歌おうッッッッッ!!!!!
「HEYッ! フロアぶち上げる甘美なライムッッッ!!!
全てぶちまけろ耽美なPRIMEッッッ!!!
このラップ聴けばストレス発散ッッッ!!!
熱血があれば悪霊退散ッッッ!!!
ダサいやつみんなフロアで爆散ッッッ!!!
SNSでほらみんな拡散ッッッ!!!
これこそが It’s a ワタルセラピーッッッ!!!
Yeahッッッ!!!」
仁王の形相で見事に歌い上げたワタルッッッ!!!
熱血いッッッ!!! このラップバトルは熱血すぎるッッッ!!!
ゴリラもワタルも、どちらも甲乙つけがたい見事なラップを披露してくれたッ! 読者の皆様も、一体どちらが勝つのか予測できないといった顔になっているッッ!!
するとゴリラが、ニヤリと笑ったッ!
「やはりオマエのラップはクレイジーで、エモイ……!!!」
「お前のラップも、ワイルドでよかったズェ……ッッッ!!!」
そしてッ! ワタルとゴリラは、ガシリと固く握手を交わしたッ!
ちなみに、この瞬間のゴリラの握力はなんと400キロッ! 常人であれば握手した途端に手がグチャグチャになってしまうが…………………………………………………………………………………………………………ワタルの握力は500キロなので問題なしッッッ!!!
かくして、人間vsゴリラによる前代未聞のラップバトルは惜しくも“引き分け”という結果に終わったッッッッッ!!!!!
――するとその時ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
「ん? アンタもしかして……ワタル? なんでこんなとこにいんの?」
ジャングルに、可愛らしい女の子の声が響いたッッッ!!!
「武ッッ!?!?」
慌てて声がした方を確認するワタルッ!
そこにいたのは、身長160センチの小柄な少女であったッ! 可愛らしいフリルの付いた服に、茶色いショートカットの髪型ッ! そして一際目を引く、背中に背負った全長2メートルの大斧ッッッ!!!
そう、彼女の名はッ!
「邪道院邪々美じゃねェかッッッ!!!」
ワタル、驚愕ッ!
「久しぶりね、ワタル」
彼女は平然とした調子で言ったッ!
「な、なんでこんなとこにいるんだッ!」
「なんでって、ここはアタイの所有するリゾート島よ。定期的に遊びに来てるわ。アンタこそなんでここにいるのよ」
「~~~ッッッ!!!」
なんということだッ!
無人島に漂着したのかと思いきや、ワタル達がやってきたのは邪々美の別荘だったのであるッッッ!!!
というわけで、これまでの経緯を説明するワタル!!
「……なるほど、アンタたちは遭難してここにたどり着いてしまったというわけね」
「そうなんだッ! 遭難だけに、そうなんだッッッ!!!」
大きく頷くワタルッ!
「まあこの島は大きいから、無人島だと思ってしまうのも仕方ないわね。ちなみにここから少し歩けば別荘に着くし、その先の船着き場にはプライベートクルーザーもあるわよ」
圧倒的大富豪、邪々美ッッッ!!!
「……ところで、このゴリラはなんなんだッ!?」
「ん? ああ、その子はアタイのペット。“ジャジャーン”っていう名前よ」
「ペット……だと……ッッ!?」
今明かされる衝撃の真実ッ! このゴリラは邪々美のペットだったッッ!!
「そう……オレのナマエ、ジャジャーン……邪々美、オレのご主人……」
バナナをほおばりながら言うジャジャーンッ!
「そういうことは早く言えよッッッッッ!!!!!」
ワタル、キレたッッ!!
「まあいいわ、それじゃあスカイ王国まではアタイが送っていってあげる! これで貸しが1つ出来たわね!」
ふんぞり返りながら口を開く邪々美!
「ありがとうございますッッッッッ!!!!!」
それを聞いたワタルはすかさず土下座ッッッッッ!!!!! 圧倒的感謝の意を伝えるのであったッッッッッ!!!!!
こうしてワタル一行は、邪道院家が所有する高級クルーザーに乗って島を脱出ッ!
無事に極限のサバイバル生活を生き延びることに成功したのであったッッ!!
めでたしめでたしッ! 圧倒的めでたしッッ!!
だが、この時のワタルは知る由もなかった……まさか“あの男”が、再び目の前に現れるなどとはッッッ!!!
次回、「再戦!逆襲のクラックッ!」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]ゴリラの平均握力……異世界転生出版




