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第69話 「無人島大決戦!ワタルvs怒れるゴリラッ!」

 前回までのあらすじ! 無人島に漂流してしまったワタル・アリア・ブレイド・リベリオンの4人! しかし諦めてはいけない! ワタルは食糧調達係、ブレイドは居住スペース建築係、リベリオンはイカダ製作係として役割分担をし、極限のサバイバル生活を開始! 一方その頃アリアは! 砂浜にミステリーサークルを描いていた!!!











 ワタル達が無人島に漂流してから5日が経過ッ!


 そんなわけでワタルは今日も、モリを片手に狩りに出かけようとしていたッ!


「あっ、ワタルさん! 狩りに行くんですか? 行ってらっしゃい!」


 そう言うアリアは、砂浜で67個目のミステリーサークルの作成に着手しているところだッ! おかげで砂浜は訳の分からない模様だらけだが、当然ながら宇宙人はまだ現れていないッ!


「おうッ! 行ってくるぜッ!」


 ワタルはそう返事をして学ランを脱ぎ棄て、上半身裸のスタイルで森へと向かうのであったッ!











 彼がこれまでの5日間のサバイバル生活で知ったことは、この無人島には様々な種類の野生動物がいるということだッ!


 シカやイノシシといったオーソドックスなものから、スライムのような低級の魔物まで生息しているので、案外食べるものには困らないのであるッ!


「よしッッッ!!! 今日も一狩り頑張るぞいッッッ!!!」


 上半身裸で森を闊歩しながら、仁王の形相で叫ぶワタルッ! その威風堂々としたオーラは、ジャングルの王と呼んでも差し支えないッッッッッ!!!!!


 するとその時、彼の前方にある草むらがガサゴソと揺れたッッッ!!!






 ガサゴソッッッ!!! ガサゴソッッッッッ!!!!!






「武ッッ!? イノシシかッッ!?」


 ワタルは腰を落としつつモリを構えて、気配を研ぎ澄ますッ!


 そして次の瞬間ッ!


 草むらから巨大な人影が現れたッ!


 しかしそれはよく見ると“人”ではなくッ!


「こ、こいつは……………………………………………………ッッッッッ!!!!!」


「ウホ! ウホウホ!!」


 身長4メートルにも及ぶ、規格外の大きさを誇るゴリラであったッッ!!


「なんてこったッ! ゴリラかッ!」


 予想外の事態に驚くワタルッ! まさかこの島にゴリラがいるとは思ってもいなかったッ!


「ウホホ! ウホウホオ!」


 巨大ゴリラは意味不明な雄たけびをあげながらワタルを睨み付けるッ! どうやら、勝手にテリトリーに侵入されたことを怒っているようだッ!


「クッ、どうするッッ!? 無駄な争いは避けたいんだがッ!」


 モリを油断なく構えながら逡巡するワタルッ!


 するとゴリラは胸を張り、その分厚い胸板を両腕でボコボコと殴り始めたッ!






 ボコボコボコボコッッッッッ!!!!!






 これはいわゆる“ドラミング”ッ! ゴリラの威嚇行為であるッ!


「相当怒っているな……こうなったら、戦うしかないか……ッ!」


 ワタルが冷や汗を流しながらそう呟いた瞬間ッ!


「オレ、タタカイ、キライ!」


 なんとゴリラが、ドラミングをしながら人間の言葉を話したッ!


「えッッッ!?!?」


 ワタル、混乱! 圧倒的混乱ッ!


「オレ、拳でタタカワナイ! 違うホウホウで、決着ツケル!」


 なんということだッ! ゴリラが平然と言葉を発しているッ! しかし冷静に考えてみればここは異世界ッ! ワタルが元いた世界のゴリラと、この世界のゴリラが全く同じという保証はどこにもないッッッ!!!


 故に、言葉を話せるくらい脳が発達したゴリラがいてもおかしくないッ!


「おいゴリラッ! じゃあ何で決着をつけるんだッ?」


 ワタルはモリを捨てて、戦う意思がないことを示しながら尋ねたッ!


 すると巨大ゴリラはドラミングをやめ、鋭い牙を見せつけながら口を開くッ!


「ラップバトル……!」


「ッ!? ラップバトルだと……ッ?」


「ココのジャングルのオキテ……決着はラップバトルでツケル……!!!」


 するとゴリラは懐からバナナを取り出し、それをマイクに見立てて口元に構えたッ!


「くそ……こうなったらやるしかないみたいだぜッ!」


 人間vsゴリラッ! 前代未聞の異種ラップバトルッ! わけのわからない展開のオンパレードだが、ワタルは腹を括ったッ!


「センコウ、オレ……コウコウ、オマエ……オレが勝ったらオマエはココからデテイク……オマエが勝ったらオレがデテイク……」


「よし、わかったッ!」


 そんなわけで、ワタルと巨大ゴリラのラップバトルがついにスタートッ!


 まずは先行のゴリラが、右手で握りしめたバナナをマイクのようにして歌い始めたッ!


 さあッ! 読者の皆様も一緒に歌おうッッッッッ!!!!!











「YO! オレサマはまさにゴリラ! 言うマデもなくジャングルのオウジャ!


 コノ森全てオレノもんだ! シンニュウしてる命知らずドコだ!


 ヨウシャなく! つまみ出す! ジャングルのオキテ!


 刻みつつ! 振りかざす! ワイルドなビート!


 シンプルかつ鼓動燃やすリリック!


 サイキョウかつ場を沸かすギミック! YO!」











 バナナ片手にワイルドにラップを歌い上げる巨大ゴリラッ! そのビートはまさにジャングルの王者にふさわしい力強さであったッ!


 あえて名付けるならば、これは“ゴリラップ”であるッ!


「ツギ! オマエ!」


 ゴリラはそう言うと、持っていたバナナをワタルに投げ渡すッ!


「上等だッ!」


 彼はバナナを受け取り、深く息を吸い込んでラップを歌い始めたッ!


 さあッ! 読者の皆様も一緒に歌おうッッッッッ!!!!!











「YO! YO! 俺様は伊藤ワタルッッッ!!!


 トラック受け止め異世界渡るッッッ!!!


 俺のラップ聞きゃ世界が変わるッッッ!!!


 熱いビートがマジ響き渡るッッッ!!!


 全世界(みな)俺の歌を聴けッッッ!!!


 人間ゴリラ関係なく聴けッッッ!!!


 このジャングルの一番いただくッッッ!!!


 弾むビート今大地踏み鳴らすッッッ!!!


 Yeahッッッ!!!」











 ワタル、仁王の形相で絶唱ッッッ!!!


 するとゴリラは、その太い腕を揺らしてパンパンと拍手したッッッ!!!


「オマエのラップ、エモイ……!」


(※エモい……英語の「emotional」が由来。感情に強いインパクトを与えられた際に使われることが多い)


「ありがとうよッ! だがまだ終わりじゃねぇだろッ!」


 ワタルはそう言って、バナナをゴリラに投げ返すッ!


「イイダロウ……ココカラ、本気ダス……!」


 無人島のジャングルで繰り広げられるワタルvs巨大ゴリラのラップバトル!


 次回、いよいよ決着――!!


 というわけでッ!!!


 次回、「ジャングルのラップバトル!結果は引き分けッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]ゴリラの知能指数についての研究……異世界転生出版


[2]“エモい”の意味とは……異世界転生出版

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