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第68話 「極限!絶体絶命のサバイバル生活ッ!」

 前回までのあらすじ! アリアが商店街の福引で南の島“ワイーハ”への旅行券を当てた! そんなわけでワタル・アリア・リベリオン・ブレイドの4人でバカンスへ行くことに! しかし乗り込んだ船は常軌を逸したレベルでボロボロであり、案の定沈没! こうして4人は、無人島に漂流してしまうのであった!











 ワタル達が漂流してから数時間後ッ! 時刻は多分正午ッ!


「なるほどな……つまり俺達は、無人島に漂流してしまったというわけか……」


「大変なことになってしまいましたね……」


「私達はこれからどうすればいいんだ……」


 気絶状態から回復したブレイド・アリア・リベリオンが、神妙な面持ちで口々に呟くッ!


 彼らは今、無人島の砂浜で円になって座り込み、今後のことについて会議を行っていたッ!


「食料なら安心しろッ! 海も森もあるんだし、探せばどうにかなるだろッ!」


 ワタルはどこまでも前向きであるッ!


「まあそこは安心かも知れないが……誰か、転移魔法とか使ってスカイ王国に一瞬で戻れたりしないのか?」


 そう言って漂流したメンバーを見回すブレイドッ!


 しかしッ! この中で魔法を使えるのはアリアのみッ! しかもそれは簡単な回復魔法程度ッ!


 そのため転移魔法による移動は不可能ッ!


 圧倒的極限状態ッ!


 助けが来るまで、彼らはこの無人島でサバイバル生活をしなくてはならないようだッ!


「とりあえず、この無人島がどれぐらいの大きさなのか見て回るというのはどうだ?」


 リベリオンがそう提案するが、ワタルは首を横にブンブンと時速110キロで振って却下したッ!


「この状況で下手に動き回るのはまずいッ! もしもこの島が予想以上に大きかった場合、体力を相当に消耗してしまうことになるッッ!!」


 そうッ! この場合、下手に動き回るのは悪手であるッ!


「ワタルの言う通りだ。とりあえずはこの浜辺を拠点にして、少しずつ行動範囲を広げていくのが良さそうだぜ」


 腕を組みながら言うブレイドッ! 元盗賊団のリーダーというだけあって、場をまとめるのが上手いッ!


「それじゃあ、役割分担を決めませんか?」


「そうだなッ! じゃあ俺は食糧調達係をするぜッ!」


「じゃあ俺は居住スペースを建築しよう」


「では私は……脱出用のイカダでも作るか」


 こうしてワタルは食糧調達係に、ブレイドは居住スペース建築係に、リベリオンはイカダ製作係に決定したッ!


「アリアは何をするんだッッ???」


「なんか適当に遊んでおきます」


 アリアは自由係に圧倒的決定ッッッ!!! それでいいのだろうかッッッ!!!


「じゃあ早速、行動を始めましょう!」


 アリアはそう言うとバッと立ち上り、近くに落ちていた細い木の棒を拾ったッ!


「そいつをどうするんだッッッ???」


「砂浜にSOSサインを書くんですよ!」


 そしてアリアは木の棒を使って、砂場に大きく「S」「O」「S」と書き始めたッ!


「成程ッ! 近くを漁船が通りかかった時に気付いてもらえるようになるなッ!」


 ワタル、感心ッ! そもそも異世界なのにアリアが「SOS」を平然とアルファベットで書いている時点で違和感満載なのだが、この極限状態でそんな些細なことに突っかかっている暇はないッッッッッ!!!!!


「よし、皆ッ! 俺達も頑張ろうぜッ!」


「おう!」


「ああ!」


 こうして、ワタルとブレイドとリベリオンも各々の作業に取り掛かり始めたッ!


「それじゃあ俺は……おッ、これが使えそうだなッッ!!」


 ワタルはその辺にあった木の棒を拾うと、


「破ッッッッッ!!!!!」


 目にも止まらぬ早業で先端を削り、簡易的ではあるがモリを作り上げたッ!


「こいつでいっちょ、漁に行くかッ!」


 彼はそう言って、学ランをバサリと脱ぎ捨て上半身裸にッ!


 そしてッッッ!!!


「うおぉぉぉぉぉッッッッッ!!!!!」


 モリを高く掲げ叫びながら、海の中に消えていくのであった……ッッ!!











 数時間後ッ! 時刻は夜ッ!


 アリア達はたき火を囲んで座り、ワタルの帰りを今か今かと待ちわびていたッッッッッ!!!!!


「お腹すきましたね……」


「そうだな……」


 空腹に耐えかねた様子のアリアとブレイドッッ!!


「まああのワタルのことだ。すぐに帰ってくるだろう」


 リベリオンはパチパチと燃えるたき火を見つめながら、2人を元気づけるように言ったッ!


 と、その瞬間ッ!


「とうッッッッッ!!!!!」


 海の中から、上半身裸のワタルが水しぶきを上げながら帰ってきたッ!


「待たせたな、お前たちッ!」


 全長4メートルはありそうなカジキマグロを引きずりながら叫ぶワタルッ! その姿はまさしく荒海の王者であるッッッ!!!


「おお! なんだそのマグロ! まさかお前がやったのか?」


 驚愕しながら問いかけるブレイドッ!


「当たり前だろう!」


 自慢げに胸を張るワタルッ!


「さあ、喰らおうぜッッッ!!!」


 そして彼は早速、素手でマグロの解体を始めるのであったッ!


 こうして彼らの無人島生活1日目は、無事に終了ッ!











 翌日ッ! 無人島生活2日目ッッ!!


「さてと、そろそろ漁に行くか……ッ!」


 モリを握りしめながら言う上半身裸のワタルッ!


 だがその時、彼の目に不審なものが写ったッ!


「……武ッ??? おいアリア、何をやっているんだッ???」


 アリアは木の棒を使って、砂浜にわけのわからない模様を描いていたのだッ! 幾何学模様と円形を複雑に組み合わせたような、よく分からないマークであるッ!


 もしかしたら、何か魔法陣のようなものかもしれない!


「あっ、ワタルさん! 私は今、SOSサインの横にミステリーサークルを描いています!」


 魔法陣ではなかったッ!


「ミステリーサークル……なぜそんなものを描いているんだッ!?」


「これを描けば、反応した宇宙人がUFOに乗って助けに来てくれるかもしれませんから!」


「お、おう……ッ!」


 ワタル、ドン引きッ!


 どうやらアリアは、無人島漂流のストレスのせいで完全に頭がおかしくなっているようだッ! ……いや、元からこんな頭だったような気もするがッ!


 次回、「無人島大決戦!ワタルvs怒れるゴリラッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]無人島サバイバルガイド……異世界転生出版


[2]ミステリーサークルの描き方……異世界転生出版

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