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第66話 「ワタルとリベリオンの方が!もっとやべえッ!」

 前回までのあらすじ! 体を自在に金属にできる能力を持った悪魔・ロータスと戦うワタルとリベリオン! そしていよいよ、決着の時が近付こうとしていた!! この戦いの結末を見逃すな!!!











「はああぁぁ!」


「フンッッ!! フンッッッ!!!」


 全身を鋼鉄に変えたロータスに向かって、呼吸を合わせ二人同時に攻撃するリベリオンとワタルッ!


 対するロータスは、両腕を器用に動かし、リベリオンの剣とワタルの拳をいなしていたッ!


「人間ども……私を怒らせた罰を思い知るがいい……!」


「うるせぇッッッ!!!」


 唐突にキレた情緒不安定なワタルが、ロータスの顔面に鋭い左フックをかますッ!


「ごふっ!」


 もだえるロータス!


「へッ! 鋼鉄の肌にしたところで意味はないぜッ!! なぜなら、今の俺の拳の温度は120度だからなッッッ!!!」


 言うまでもなく、金属は熱に弱いのだッッッ!!! この状況において、ロータスのワタルに対する相性は最悪と言ってもいいッ!


(※金属と一口に言っても、種類によってその性質は全く異なる。そのため金属=熱に弱い、という認識は誤りである。参考に、アルミニウムの融点は約660度なのに対して、タングステンの融点は約3400度と大きな違いがある。要するに深くは考えない方が良いということだ)


 そしてこの隙を見逃さず、リベリオンは敵の喉元目がけて刺突攻撃を繰り出したッ!


「舐めるな!!!」


 ロータスは叫ぶと、リベリオンの攻撃を避けつつ彼女の鳩尾に力強く蹴りを放つッ!


「ぐはぁ!」


 一気に吹き飛ばされるリベリオン!! そのまま後ろの壁に時速110キロで激突ッ!


「大丈夫ですかリベリオンさん!」


 リベリオンの元へ慌てて駆け寄るアリアッ! そして彼女は回復魔法を使って、リベリオンの傷を治癒し始めたッ!


「あ、ありがとう、アリア……」


「動かないでください、リベリオンさん!」


「大丈夫だ、これくらい……!」


 しかしその言葉に反して、彼女は息も絶え絶えといった様子であるッ!


 そんな光景を見て笑うロータス!


「フハハハハ! 脆弱なる人間め! 私に歯向かうからこうなるのだ!」


「俺の仲間を馬鹿にするなッッッッッ!!!!!」


 ワタルはロータスに拳を打ち込み続けながら叫んだッ!


「あいつは強いぞッッッ!!! お前なんかよりずっと強いッッッ!!!」


「何を馬鹿なことを!」


 ワタルとロータスの苛烈な一騎打ちッ!


 時速130キロでパンチを撃ち続けるワタルに対して、それを鋼鉄の肉体を用いて弾き続けるロータスッ!


 ワタルが疲労するのが先かッ! ロータスの鋼鉄の肌が熱に耐え切れなくなるのが先かッ!


 だが読者の皆様には安心していただきたいッ! ワタルは最強なのだッ! ごく普通の、最強の高校生なのだッ!


 故にッッッ!!!


 ワタルは負けないッッッ!!!


「武ッッッッッ!!!!!」


「うがぁ!」






 ドンッッッッッ!!!!!






 ワタルの渾身の正拳突きをまともに受けたロータスが、遂に地面に倒れたッ!


「き、貴様ぁ! 悪魔の私にこのような侮辱を!」


 彼はよろよろと立ち上がりながら口を開くッ!


「知るかッッッッッ!!!!!」


 当然ながらワタルは追撃の手を緩めないッ!


 右手に限界ぎりぎりまで熱血エネルギーを貯め、もはや避けるだけの体力すらも失ったロータスの腹に向かって思いッッッッッッッッッッきりアッパーを繰り出したッッ!!


「!!!!!」


 そしてッッ!!


 ワタルの熱血エネルギーに耐え切れなくなったロータスはッッッ!!!


「あ、あが……が……」


 そのアッパーをくらった瞬間に、凄まじい勢いで灰になってしまったッッッ!!!


「あばよッッッ!!!」


 空中に霧散していくロータスの遺灰ッ! 悪魔の最後は、あまりにもあっけないものであったッッ!!











 翌日ッ! ワタルとアリアは、今回の騒動のことを国王に報告するために謁見室へと向かったッ!


 リベリオンも一緒に連れていこうかと思ったが、彼女はかつて四天王の一人として魔王に仕えていた身であり、周りにそのことがばれると色々と面倒なのでやめておいたッ! 実際の所、当時の彼女は仮面をつけていたのでばれる可能性は低いが、やはりトラブルは避けたいッ!


「ふむ……まさか“呪われし遺物”がこの国にもあったとは……」


 鋭い目つきの国王が、毎度のようにもっさりと生やしたあごひげを撫でながら言ったッ!


「その口ぶり……もしや、こういったものは他にも存在するのですかッ!?」


 仁王の形相で尋ねるワタルッ!


「ああ、あるぞ。冥界に住む悪魔の力を宿した、とても恐ろしいものだ」


「なんと……ッ!」


 ワタル、驚愕ッ!


「とにかく、今回の件に関しては礼を言おう。“呪われし遺物”に関してはわかっていないことの方が多いからな。君がそれを破壊してくれて安心した」


 厳し気な表情を崩し、安堵する国王ッ! その顔には、歳相応の疲れの色が見て取れるッ!


「昔から、冥界に住む悪魔はこちらの世界に侵攻しようとしているのではないか、という噂がある。この“呪われし遺物”も、その前触れなのかも知れないな……」


 国王はひげを撫でながら意味深なことを言ったッ! もしかしたらこれは後の展開への伏線かも知れないし――伏線じゃないかも知れないッッッッッ!!!!!


 とにかく、今は平穏な日常が帰ってきたことを素直に喜ぼうではないかッ! もう当分は、こんな恐ろしい事件にワタルたちが巻き込まれることはないであろうッッ!!


 めでたしめでたしッ! 圧倒的めでたしッッッ!!!


 次回、「遭難!ワタル、無人島に漂流ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]金属の特性・完全版……異世界転生出版


[2]金属と熱の関係について……異世界転生出版

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