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第65話 「やべえ!悪魔めっちゃやべえッ!」

 前回までのあらすじ! ついに“銀の心臓”にたどり着いたワタルたちであったが、その心臓は突如光を放ち、 “ロータス”と名乗る悪魔に変化してしまった! ワタルはいつものように果敢に挑むも、ロータスの魔法に翻弄され危機的状況に! そんな彼の窮地を救ったのは、リベリオンであった!











「り、リベリオンッ!」


「大丈夫かワタル!」


 ワタルの前に立ち、ロータスの手刀を必死に剣で止めるリベリオンッ! しかし誰が見ても、その実力差は圧倒的だッ!


「ワタルさん……! リベリオンさん……!」


 アリアは彼らの死闘を見つめながら、不安げに呟いたッ! 今の彼女に出来ることは、魔法で部屋を明るく照らすことのみッ! その無力さ、歯がゆさは想像を絶するものであろうッ!


「2対1か……久々に面白くなりそうだ」


 ロータスはリベリオンの乱入に一瞬驚きながらも、口角を吊り上げ薄く笑ったッ!


「ふん!」


 彼はそのまま手刀に力を込め、リベリオンを押しのけるッ!


「うぐっ!」


 凄まじい力量差の前に、なすすべもなく吹き飛ばされるリベリオンッ! しかし彼女の身体を、後ろにいたワタルが優しく受け止めたッ!


「助かったぞ、ワタル!」


「いくぞリベリオンッッ!! 呼吸を俺に合わせろッッッ!!!」


「ああ!」


 ここからはワタルとリベリオンの反撃開始であるッ! 彼女は剣をしっかりと握って前へと踏み込み、ロータスに斬撃を数発繰り出したッ!


 無駄な動きが一切ない、流水が如きその剣技は、実際見事であるッ!


 しかしロータスも負けてはいない!!!


「ふ……」


 涼しい顔で微笑んだかと思うと、軽やかな身のこなしでリベリオンの連撃を紙一重で避け続けるッ! そして隙を見て右手による手刀を突き出し、彼女の剣をはじいたッ!






 ガキィィィンッッッッッ!!!!!






 金属と金属がぶつかる耳障りな音が鳴り響くッ! どうやらロータスは、魔法を使って自らの手を金属に変質させているようだッ!


「まだだ!」


 リベリオンはそう叫ぶと同時に、一気に右に跳ぶッ! そして彼女の後ろから入れ替わるようにして、今度はワタルが迫ってきたッ!


「武ッッッッッ!!!!!」


 気合一閃ッッッ!!!


 強烈な熱を帯びた熱血正拳突きが、ロータスの腹部に直撃ッ!


「っ!」


 この一撃は見事に熱血クリーンヒットッ! 彼はたまらず後ろへ吹き飛び、壁に激突したッ!


「貴様、なぜこれほどの力を……まさか、ただの人間ではないのか……!?」


 よろよろと立ち上がりながら問いかけるロータスッ!


「いいや、俺はただの人間だッ! ごく一般的な、熱血武闘派の高校生だッ!」


 ワタルはそう叫びながら、地面に落ちていたあるものを拾ったッ! それは、先程まで祠だったものの残骸であるッ! 彼はその木片をグッと握りしめると、野球のピッチャーのように大きく振りかぶりッッ!!


 ロータス目がけて木片を投げつけたッッ!! その時速、なんと220キロッ! メジャーリーガーの限界を軽々と超えているッッ!!


 ここで読者の皆様に説明しようッ! 今のワタルの動作もれっきとした武術の一種であり、その名を“少林寺投擲拳”と言うッ!!!


(※少林寺投擲拳……全身の筋肉に力を込めて大きく振りかぶり、敵に物を投げつけるという中国4000年の歴史が生み出した最強の投擲技。その動作は野球のピッチャーが行う“ワインドアップ”という投球方法と酷似しており、達人クラスになれば時速250キロで物を投げつけられる。一般的に野球の起源はフランスの「ラ・シュール」、あるいはイギリスの「ストールボール」というスポーツだと言われているが、この技の創始者である中国の仙人が元ではないかという説も存在する)


「ほう、なんという速さだ……!」


 ロータス、驚愕!! そして素早く体を横にそらすことで、時速220キロの木片をギリギリで避けたッ!!!


 サクッ、という小気味の良い音とともに、木片が壁に刺さるッ! いくら悪魔のロータスと言えど、あの攻撃をくらえばただでは済まないッ!


「さあ、どんどん行くぞッ!!」


「覚悟しろ!」


 ロータスに休む暇を与えないために、一斉に襲い掛かるワタルとリベリオンッ!


「ちっ……」


 ロータスは悪態をつきながら瞬間移動ッ! リベリオンの背後へと位置を変えたッ!


 だがッ!


「そこか!」


 彼女はまるで未来を予知していたかのように、後ろを振り向きつつ横なぎに剣を振るうッ!


「!?」


 すかさず手刀で剣を防ぐロータスッ!


「何故分かった……?」


「視線でバレバレだ!」


「ほう……」


 実際のところ、“瞬間移動”という魔法はそう便利なものでもないッ! 使用者の実力によって差はあるが、この魔法はかなりエネルギーを消耗するッ! それ故あまり連発することはできず、移動先も視線を合わせた場所程度が関の山なのだッ!


「なるほど、中々やるではないか!」


 そう言うとロータスは後ろへ跳び、リベリオンたちと一旦距離を取ったッ!


「貴様らのことを侮っていたよ……こうなったら、私の“全力”をぶつけるしかないらしい……」


 腰を低く落とし、全身に力を込め始めるロータスッ!


 すると驚くべきことに、彼の全身の肌の色が見る見るうちに銀色に変質していくッ!


「なるほど……今までは手刀の部分のみを金属に変質させていたが、今度はそれを応用して全身を金属に変えたか……」


 冷静に分析するリベリオンッ!


「それって……関節とか動くのかッ???」


 割とどうでもいいことが気になるワタルッ!


 そんな彼らを横目に、全身銀色になった鋼鉄の悪魔・ロータスが仰々しく口を開くッ!


「我が名はロータス! 冥界に生まれし、誇り高き悪魔! これより我に歯向かう人間に、罰を与える!」


 ロータスから発せられる禍々しきオーラッ! しかし、ワタルとリベリオンも負けてはいないッッ!!


「さて、と……まだ行けるかッ? リベリオンッッッ!!!」


「当たり前だ!」


 ワタルとリベリオンは見つめ合い、ニヤリと笑ったッッ!!


 次回、「ワタルとリベリオンの方が!もっとやべえッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]2018年最新版・野球の歴史……異世界転生出版

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