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第61話 「神絵師!ワタル、イラストを貰うッ!(前編ッッ!!)」

 ある日の正午のことッ!


 ワタルは自室にこもり、机の前でペンを握りながら……号泣(ない)ていたッ!


「う、うう……うぐぅ……」


 仁王の形相で熱い涙を流すワタルッ! すると突然、タンスの一番下の引き出しが開いたッ!


 そしてッッ!!


「どうしたんですかワタルさん!」


 タンスの中からアリアがひょっこりと登場ッ! 彼女はこの作品のメインヒロインであるッ!


「おお、アリアッ! いいところに来たッ! 実は、暇だったから自画像でも描こうかと思って挑戦してみたんだが……俺は絵が下手なんだッ!」


 ワタルはそう叫びながら、机の上の紙を手に取りアリアに見せつけたッ! その紙には、何やらわけのわからない異形が描かれているッッ!!


「これは……焦げたハンバーグの絵ですね!」


「いや自画像だッッッ!!!」


「なるほど壊滅的ですね! こういうことはプロに頼むのが一番です! 早速、イラストを描くプロに会いに行きましょう!!」


 そんなわけで、ワタルとアリアはプロのイラストレーターに会いに行くことにッッッ!!!











 数分後、彼らはスカイ王国の閑静な住宅街へとやってきたッ!


「ここに、プロのイラストレーターがいるのかッ???」


「はい! “神絵師矢馬蔵(かみえしやばぞう)”という、この道40年の大ベテランが住んでいるんです!」


「ほう、それは凄いなッ! ……というかこの世界にもプロのイラストレーターという概念があるんだなッ!」


 そして住宅街を歩き続けること10分ッ! 二人は、一軒の邸宅へとたどり着いたッ!


「着きましたよ」


「おお……立派なところだなッ!」


「それじゃあワタルさん、チャイムをお願いします」


「ピンポーーーーーンッッッ!!!」


 ワタル、絶叫ッ!


「やめてくださいワタルさん、大声を出さないでください。近所の人に迷惑ですよ」


「オッ、それもそうだなッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 ワタル、反省ッ!


「そうじゃなくて、そこのドアの横にあるボタンを押すんです」


「分かったッ!」


 アリアに言われたとおりに、ドア横のボタンを押すワタルッ! しかしッ!


「フンッッッ!!!」






 バキバキバキッッッ!!!






 な、なんという事だッ! ワタルのボタンを押す力が強すぎて、チャイムがバッキバキに粉砕されてしまったではないかッッ!!


「アッッッ!!! ヤベェッッッ!!!」


「なにやってるんですかワタルさん!!!」


 衝撃の展開にあたふたしだすワタルとアリアッ!


 するとその時ッ!


「うるせーーーーー!!!!!」


 邸宅のドアを蹴破り、中から一人の老人男性が勢いよく飛び出してきたッ! 赤と白のストライプ柄の服に身を包んだ、なんともエキセントリックな格好の老人であるッ!


「アッ、どうもこんにちはッッッ!!!」


 腰を直角に曲げながら元気に挨拶をするワタルッ! やはり、挨拶は大切だッ!


「なんなんじゃお前らさっきから! ワシの家の前で騒ぎおって!」


「失礼ですが、あなたは神絵師矢馬蔵(かみえしやばぞう)さんですかッ?」


「そうじゃ! 一体何の用じゃ!」


 矢馬蔵がキレながらそう尋ねてきたので、ワタルはここを訪ねることになった経緯を一から説明したッ!






「なるほどな……つまりアンタは、自画像が欲しいんじゃな?」


「はい、そうですッッッ!!!」


 威勢よく返事をするワタルッ!


「だが残念じゃったな! ワシは今絵が描けんのじゃ!」


「何故なんです?」


 アリアは首をかしげたッッ!!


「実は絵を描こうにも、赤のインクが切れとるんじゃよ! 今業者にインクの注文をしておるが、届くのは早くとも来週じゃ!」


「あなたの血とかじゃ駄目なんですか?」


「駄目じゃあ!!!!!」


 アリアの問いかけに対して怒鳴り散らす矢馬蔵ッ!! 当然であるッ!!!


「なるほど……じゃあ、俺がそのインクを入手してきますッッ!!」


 ワタルがそう言うと、矢馬蔵は顔をほころばせたッ!


「おお、本当か! 赤のインクは、大陸に自生する“紅薬草(べにやくそう)”という野草から作ることが出来る! この野草を採って来てくれ!」


「はいッッッ!!!」


 言うが早いか、ワタルとアリアは早速紅薬草が生えている森へと向かったッ!











 スカイ王国から数キロ南の位置に、巨大な規模の森林地帯が存在しているッ! この森は危険な野生動物が多く生息する場所なので、近隣住民は滅多に近付かないことで有名だッ!


 しかしワタルとアリアは、そこに丸腰で乗り込んだのであったッッ!!


「大丈夫かアリアッ! きつかったら、お前だけでもすぐに引き返して帰っていいんだぞッ!」


 ワタルの圧倒的気遣いッ! 熱血武闘派高校生ならば当然の心意気であるッ!


「いえ、大丈夫です! それよりも……なんだかこの森、妙に静かじゃないですか?」


「うむ、俺もさっきから気になっていた……ッ!」


 そうッ! ここは野生動物が多く生息している場所のはずなのに、鳴き声が全く聞こえないッッ!!


 この瞬間、ワタルは野生の勘で状況を把握したッッッ!!!


「……恐らく……俺達の近くに、この森の“(ぬし)”がいるんだろう……ッ!」


 それを聞いたアリアが表情をこわばらせるッ!


「“(ぬし)”……ですか……?」


「ああ……きっとその“(ぬし)”を恐れた野生動物たちが逃げ出したせいで、この辺りはこんなにも静かなんだッ!」


「なるほど……たったこれだけの情報量からそこまで推理するなんて、流石はワタルさんですッ!」


 アリアはすかさずワタルを褒めたッ! なろうヒロインの的確な仕事ぶりに、読者の皆様も思わずご満悦ッッッ!!!


「気を付けるんだ、アリア……俺達はもう、その“(ぬし)”に目を付けられているのかもしれない……ッ!」


「はい、そうですね……!」


 と、その時ッ! 彼らの前方の草むらが、突然ガサゴソと激しくうごめき始めたッッ!!


「武ッッ!?!?」


 果たして、ワタルとアリアの運命や如何にッッッ!!!


 次回、「神絵師!ワタル、イラストを貰うッ!(後編ッッ!!)」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]毎月応援イラストプレゼント企画!……http://www.cg-con.com/novel/6_novelcon/rendou.html

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