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第59話 「爆誕!熱血武闘派漫才ッ!」

 前回までのあらすじ! ついに幕を開けた“スカイ王国最強漫才王者決定戦”、通称“S-1”! この日のために猛特訓をしてきたボケルは、ワタルのツッコミにも耐えられるくらいのムキムキボディーを手に入れることに成功! 果たして彼らは、無事に漫才をやり遂げることが出来るのであろうか!? こうご期待!











「それでは早速予選を開始していきましょう! ご紹介いたします! 1組目は、ワタルさんとボケルさんによる筋肉マシマシの熱血武闘派漫才コンビ! その名も“プロテインズ”です!」


 ジョセフ横澤がアナウンスをすると、観客が一斉に拍手をしたッ!






「「「イエーーーーイ!!」」」


「「「ワーワーーー!!」」」


「「「パチパチパチパチーーー!!!」」」






「……いくで、ワタルさん! 準備はええか?」


「無論ッッッ!!!」


 そして舞台裏から躍り出るワタルとボケルッッ!!


 こうして、“プロテインズ”による武闘派漫才が幕を開けたッ!





















「はいどうもープロテインズですー」


「よろしくお願いしますッ!!」


 舞台中央に置かれたスタンドマイクの前に立ち、挨拶をするボケルとワタルッ!


「ワタルさん、ワイ昔から伝説の勇者になるのが夢なんや。せやから今日は、ワイが勇者、ワタルさんが魔王になって、最終決戦やりましょう」


「応ッッッ!!!」


 漫才の題材は“勇者と魔王”!! ファンタジー色を前面に押し出したコント漫才であるッ!!!


「よーし、ようやくここまで追い詰めたぞ魔王! 覚悟しろ!」


「フハハハハッ! よくぞここまでたどり着いたなッッ!!」


 それぞれ勇者と魔王になりきるボケルとワタルッ! 迫真の演技であるッ!


「だが勇者よッ! 私を倒すのは、ただの剣では不可能だぞッ!!」


「分かっている! だから今日は、特別な剣を持ってきたぞ!」


「ほう、それはどんな剣だッッッ!?」


 するとボケルは、懐から“あるもの”を取り出した!


「それは……“ちくわ”だ!」


 ボケル、渾身のボケッ! それに対してワタルは、この日のために特訓してきたツッコミ(いちげき)を繰り出すッ!


「なんでやねんッッッッッ!!!!!」


 低い姿勢から勢いよく繰り出された裏拳は、ボケルの分厚い胸板にクリーンヒットッッッ!!!


 そしてッ!


「ぐぅわーーー!!!」


 ノーガードでツッコミをくらったボケルは、たまらず時速120キロで吹き飛びッッ!!






 ズドンッッッ!!!






 舞台の壁に激突ッッッ!!!


 その光景を目の当たりにした観客、唖然ッ! 圧倒的唖然ッッ!!


 しかしそれも当然であるッ! 漫才を見に来たというのに、目の前で繰り広げられているのはもはや殺戮だッ!


「……」


 するとボケルは何事もなかったかのように立ち上がり、スタスタとスタンドマイクの位置へと戻ってきたッ!


「……すまない魔王よ、今のは冗談だ」


「おお、そうかッッ!!」


 そして何事もなかったかのように再開される漫才ッ!


 この時ようやく、観客たちは気付いたッ!


 今のワタルの動作が、れっきとした“ツッコミ”であったということにッ!


 一見すると一撃必殺の裏拳にしか見えなかったあの攻撃が、実は“ツッコミ”であったということにッッ!!


 すると今までの呆気にとられていた感覚が、一転して“シュールな笑い”へと変化していくッ!


「では勇者よッ! 私を倒すために、本当はどんな剣を用意してきたのだッッ!!」


「それは……これだ!」


 そう言ってボケルが懐から取り出したものはッッ!!


「……“魚肉ソーセージ”だ!」


 ちくわに引き続き、再び練り物ッッッ!!!


 それに対してワタルは、もう一度殺人的ツッコミを繰り出したッッッ!!!


「なんでやねんッッッ!!!」


 鋭い裏拳ッ!


 吹き飛ぶボケルッッ!!


 その衝撃で徐々に破壊されていく舞台の壁ッッッ!!!


 目の前で繰り広げられる前代未聞の武闘派漫才に、観客たちは大爆笑ッ! ボケ自体は正直まったく面白くないが、ツッコミのインパクトが絶大なので問題はないッ!


 それよりも何故か、さっきから“ちくわ”や“魚肉ソーセージ”など異世界に存在するはずのないものばかりが登場しているッ! 読者の皆様からすれば、そっちの方がツッコミどころであるッッ!!


 ――が、今はそんな些細なことはどうでもいいッッッ!!!


(ええでワタルさん、その調子や! お客さんたちも笑っとる! その調子でガンガンツッコんで来てくれ! このネタをやりきるのが先か、ワイの体が耐え切れなくなるのが先か……根性見せたるで!!!)


 こうしてこの後も、凄まじいツッコミの応酬によって会場は爆笑の渦に包まれッ!


 二人は大盛況の内に、漫才を終えることが出来たッッ!!


「「どうも、ありがとうございましたー!」」


 声を合わせて言うボケルとワタルッッ!!


(やったでワタルさん! 大盛況や! これなら決勝進出間違いなしやで!)


(ああ、そうだな! 決勝でも頑張ろうぜ、ボケル!)


 二人は確かな手ごたえを感じつつ、舞台を後にするのであったッッッ!!!











 そして数分後ッ!


「それでは最後のコンビをご紹介いたします! 20組目は、ブレイドさんとジョニーさんによる漫才コンビ! その名も“黒バラーズ”です!」


 ジョセフ横澤がアナウンスをすると、観客が一斉に拍手をしたッ!






「「「イエーーーーイ!!」」」


「「「ワーワーーー!!」」」


「「「パチパチパチパチーーー!!!」」」






「……いくぞ、ジョニー! 準備はいいな?」


「もちろんさ、兄貴!」


 そして舞台裏から躍り出るブレイドとジョニーッッ!!


 こうして、“黒バラーズ”による漫才が幕を開けたッ!





















 ……が、びっくりするぐらいスベったのでこの二人のエピソードは割愛させていただくッッッ!!!











 こうして予選は無事に終了! ここからは、観客たちの投票によって決勝に進むことが出来るコンビを決定するのだ! しかし決勝に進めるコンビは20組中わずか5組! 狭き門であるッ!


 果たしてワタルとボケルは、決勝に進めるのであろうかッッッ!?!?


 次回、「ワタルとボケル!見事決勝進出ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]よく分かる漫才の基本……異世界転生出版


[2]シュールギャグ入門

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