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第53話 「百花繚乱の新章開幕!リベリオン、スカイ王国に来るッ!」

 前回までのあらすじ! 激戦の末、ワタルは最後の脱獄囚であるガウラを倒した!











 そんなわけで数日後ッ! 時刻は正午ッ! ワタルはいつものように、自室で自分のベッドを持ち上げてベンチプレスをしていたッ!


「フンッッッ!!! フンッッッ!!!」


 仰向けの体勢でゆっくりとベッドを持ち上げたり下げたりするその光景は、異様であるッッ!!


「よし、いい感じだッ! 今度はこの病院ごと持ち上げるかッ!」


 恐らくそれはやめておいた方が良いだろうッ! ここで再び説明するが、ワタルは現在アリアの両親が経営する病院の一室を借りて生活しているッッ!!


 するとその時ッッッ!!!






 ガチャリッッッ!!!






 アリアがノックも無しに、いきなりドアを開けて入ってきた!!


「ワタルさーーーん!!!」


「何度言ったら分かるんだアリアッ! ノックぐらいしろッ! あとこの間言ってた“病院のトイレの便座カバーを全部純金にする”という案には反対だからなッッッ!!!」


 彼はベッドを元に位置に戻しながら言ったッ!


「えっ、反対なんですか!?」


「当たり前だろうッッッ!!!」


 ワタル、キレる!


「まあそれは置いといて、今日はちゃんと用事があってきたんです!」


「な、何ィィィーーーッッッ!?!?!?」


 ワタル、驚愕!!


 いつも大した用事もなくふらっと部屋に訪れたかと思うと、流行りのアイドルソングを熱唱した後に無言で帰ることで有名なアリアが、今日は珍しく用事があるというッ!


「なんだッ! 事件かッ!」


「いえ違います! お客さんです!」


 するとアリアの後ろから、一人の女性がひょっこりと顔をのぞかせたッ!


 整った顔立ちに、さらさらの青いロングヘアーッ! そして全身を覆うのはとげとげしくかっこいい鎧ッ!


 そう、リベリオンだッ!


「アッ!!!!!!!!!! リベリオンッ!!!!!!!!!!」


「よう、久しぶりだな」


 にこやかに手を振るリベリオンッッッ!!!


「久しぶりだなッ! 何十年ぶりだッッ!?」


「うん、実に1ヶ月ぶりだな」


「う……うぐぅ……ッ!」






 ボロ……ボロボロ……ッ!






 一か月もの時を経てリベリオンと再開することが出来たワタルは、あまりの嬉しさに感動の涙を流し始めたッッッ!!!


 傍から見ているとただの情緒不安定であるッッッ!!!


「なにも泣くことはないだろう。修行の旅の途中で近くまで来たから、お前たちの様子を見に立ち寄ってみただけだ」


 リベリオンは少し困惑しながらそう言った!!


「アッ、そうだッッッ!!!」


 すると彼は涙を流すのをやめ、部屋の隅のタンスに手を伸ばすッ!


「リベリオンッッッ!!! お前に渡したいものがあるッッッ!!!」


 一番下の引き出しから大きめの巾着袋を取り出すと、それをリベリオンに差し出したッ!


「む、これはなんだ?」


「ドラゴンを討伐した時にもらった報酬金の分け前だッ! ずっとお前に渡そうと思っていたッ!」


「おお、だがいいのか? 私は特に何もしていないぞ」


 するとアリアが口を開くッ!


「気にしないでくださいリベリオンさん! この間脱獄囚を連れ戻した時も報酬金を貰ったので、お金なら有り余っているんです! もう一生遊んで暮らせるんです!」


「お、おう……なんだかよく分からんが、ありがたくいただくとしよう」


 リベリオンはそう言うと、ワタルの手から巾着袋を受け取った!!


「そうだリベリオンッ! お腹すかないかッッ!?!?」


 ワタルは時速150キロの速度でスクワットをしながら尋ねたッ!


「ん? ああ、お腹すいたな」


「よしッッ!! じゃあ一緒にご飯を食べに行こう!」


「いいですね! 行きましょう!」


 こうしてワタルとアリアとリベリオンは、お昼ご飯を食べに行く事になったッッッ!!!











 数分後ッッ!! 彼らはスカイ王国繁華街のはずれに位置する個人経営の食堂、その名も“ポイズン食堂”へとやってきたッ!


 こじんまりとした外観でいかにも“穴場”といった感じだッ!


「よし、着いたぞッ! ここは俺とアリアの行きつけの食堂なんだッ! 早速入ろうッ!」


「ちょっと待て」


 リベリオンが、そのまま店に入ろうとするワタルとアリアを制止するッ!


「どうしました?」


 きょとんとした顔で首をかしげるアリアッ!


「いや、どうしたって……この店、本当に大丈夫なのか? なんだポイズン食堂って。食事する場所につける名前じゃないだろ」


 ポイズン、その単語の意味は“毒”ッ! まともな神経の持ち主であれば、こんな名前の店には入らないッッ!!


「大丈夫ですよリベリオンさん! この“毒”というのは、“あまりの美味しさに中毒になってしまう”と言う意味です!」


「そ、そうか……ならばいいのだが……」


 と言うわけで、3人はドアを開けて店の中に入ったッッ!!


 店内は案外まともで、6つのテーブル席とカウンター席に分かれた構造ッ! ワタルたち以外にも何人か客が来ており、小規模ながら活気のある食堂だッ!


「なんだ、結構いい雰囲気の食堂じゃないか」


「そうだろッ!」


 そして3人はテーブル席に座ったッ!


「で、何を食べるッ!?」


「お前たちがいつも食べているものと一緒でいいぞ」


「わかったッ!」


 ワタルは厨房の方を向き、注文を叫ぶッ!


「おっちゃーんッッ!! いつものやつ3人前ッッ!!」


 すると厨房からガイコツが出てきて、返事をしたッ!


「あいよー!」


「おいちょっと待て」


 リベリオンが冷や汗を流しながら口を開くッ!


「どうしました?」


 きょとんとした顔で首をかしげるアリアッ!


「どうしたもこうしたもないだろ。なんだ今の」


「ああ、まだ言ってなかったなッ! ここの店主はスケルトンなんだッ!」


 今明かされる衝撃の真実ッッッ!!!


「スケルトン……だと……!?」


 説明しようッ! スケルトンとは魔族の一種で、簡単に言うと骨だけの状態になった人間のようなものであるッ!


「スケルトンが営業するポイズン食堂とか、もう字面からしてヤバイ空間だろここ」


「そんなことはないぞリベリオンッ! 魔物だからって差別するのは良くないッッ!! ここの食事は最高なんだッッッ!!!」


 ワタルは熱く語ったッ!


「……ちなみにさっき何を注文したんだ?」


 リベリオンが恐る恐る尋ねるッ!


「ああ、“ヌードリャレ・リブル・モテューテュ~シェフの気まぐれパーツを添えて~”を注文したぞッッッ!!!」


「ここの“ヌードリャレ・リブル・モテューテュ~シェフの気まぐれパーツを添えて~”は絶品なんですよね!」


 口々に言うワタルとアリアッ! それを聞いて戦慄するリベリオンッ!


「お前たちは一体何を言っているんだ!!!!!」


 次回、「リベリオン、実食!それは衝撃の味わいッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1] 異世界の珍料理大百科……異世界転生出版

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