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第52話 「堂々決着!やっぱりワタルが一番やべえッ!」

 ワタルはこの異世界にやって来て、ありとあらゆるものを見てきた。ありとあらゆる“違い”を、感じてきた。


 人種の違い。種族の違い。言語の違い。通貨の違い。


 だが1つ、元いた世界とこの世界とで、変わらないものがあった。


 それは、“拳”。


 元いた世界の漢たちも、この世界の漢たちも、皆最強の称号を得るために、“拳”を磨いている。


 元いた世界の漢たちも、この世界の漢たちも、「世界で一番俺が強い」と叫ぶために、“拳”を鍛えている。


 つまるところ、変わらないのだ。どんな世界であろうと、誰もが、最強を目指して戦っているのだ。


 ならばワタルも、やるべきことは変わらない。


 鍛えるのだ。戦うのだ。勝ち抜くのだ。


 どんなに強い相手が現れようと、仁王の形相で立ち向かうのだ。


 括目せよ。これが――


























 ――熱血武闘派高校生の、生き様であるッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


























「武ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 殴りかかってきたガウラの拳を紙一重で避け、カウンターパンチを繰り出すワタルッ! その一撃が、相手の鳩尾にクリーンヒットしたッッッ!!!


「!!!」


 予想外の反撃に面食らうガウラ! そこに生じた隙を、ワタルは見逃さないッ!


「刃ッ! 破ッッ!! 覇ッッッ!!!」


 一発、二発、三発と、続けて正拳突きを放つワタルッ!


 その機関銃が如き連打に、流石のガウラもたまらず後退したッッ!!


「このぉ!」


 そして彼は、右足を振り上げてワタルに上段蹴りをかますッ! 当たれば大爆発間違いなしの、危険な一撃ッ!


 だが、ワタルは完璧に“見切って”いるッッッ!!! 素早く上にジャンプすることで、その攻撃を見事にかわしたッッッ!!!


「同じ技は、俺には通用しないッッッ!!!」






 スカッッッ!!!






 空を切るガウラの蹴りッ!


 宙を舞うワタルの全身ッ!


「とどめだッッッ!!!」


 鮮やかに着地したワタルは、そう叫びながら両腕に熱血エネルギーをためていくッ!


「くっ!」


 焦りながらも、防御の姿勢を取るガウラッ! だが、遅いッ! 遅すぎるッッ!!


 達人同士の戦いにおいて、この一瞬の遅れが命取りなのは、ここまで読んでくださっている読者の皆様であれば重々承知のことであろうッッッ!!!


「くらえガウラぁぁぁッッッッッ!!!!!」


 そしてワタルは両手の拳をフルに使い、敵にパンチの雨あられを浴びせたッッッ!!!


 凄まじいスピードッ! 凄まじい衝撃ッ! まるでワタルには、千の手があるかのように錯覚してしまうッッ!!


「うがぁ!!」


 時速1000キロのスピードで吹き飛ばされるガウラッ! その時、彼は目にしたッ! ワタルの背中に現れた、神々しい“千手観音”の姿をッッッ!!!


 ここで説明しようッ! ワタルのあの技は、仏教において古来より伝わってきた最強の技、“熱血千手観音拳”である!!!!!


(※熱血千手観音拳……“千の手を持つ”と言われる千手観音の力を借りて、敵に強力な正拳突きの連打を千回浴びせる技。この技をくらった者は、どんなに悪人であろうと改心し、善人になる。ちなみに、かの有名な空海もこの技の使い手であったということは、仏教ファンの間ではあまりにも有名な話である)


 そして吹き飛ばされたガウラは、後方の瓦礫に激突ッ!


 その衝撃で靴に仕込まれていた火薬が暴発ッッ!!


 スラム街に再び、耳をつんざくような爆発音が響き渡ったッッッ!!!


 恐らくこの程度であのガウラが死ぬことはないと思われるが、もはやこれ以上の戦闘は不可能であるッ! よってこの勝負、ワタルの勝利ッッ!! 圧倒的勝利ッッッ!!!


「あばよガウラッ! お前との戦い、楽しかったぜッッ!!」


 ワタルはハチマキを風になびかせながら、ガッツポーズをしたッ!











 翌日! ワタルとアリアは事態の報告を行うために、国王の謁見室へとやってきたッ!


「ふむ、なるほど……ジンとガウラは捕まえられたが、クラックには逃げられてしまったか……」


 鋭い目つきの国王が、もっさりと生やしたあごひげを撫でながらそう言ったッ!


「申し訳ありませんッッッ!!!」


 腰を直角90度に曲げ、えげつない風圧を巻き起こしながら謝罪するワタルッ!


「いや、いいんだ。君たちは十分に働いてくれた。後は私の衛兵たちに任せておけ」


「はいッ!」


「それにしてもワタル君。私はまたしても、君に救われたようだ。あの極悪な死刑囚たちを、まさか2人も連れ戻してくれるとは。アリアちゃんも、本当によくやってくれた」


 国王は、珍しく表情を柔和にほころばせたッ!


「いえいえ……」


 恐縮したようにお辞儀をするアリアッ! 可愛いッッ!!


「さて、ワタル君。もしも何か事件があったら、また君に解決を頼みたい。構わないね?」


「勿論ですッ!」


 ワタルは即答ッ!


 こうして、一応ではあるが死刑囚たちの脱獄事件は終結したッッ!!


 だが、この時のワタルはまだ知る由もないッ! まさかこの数日後に、“あの人物”がやってくるなどとはッ!


 果たして“あの人物”とは一体誰なのかッ!? それは、次回のお楽しみであるッッ!!


 次回、「百花繚乱の新章開幕!リベリオン、スカイ王国に来るッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]千手観音とは~初心者向け仏像解説~……異世界転生出版


[2]伝説の技、熱血千手観音拳の秘密に迫る!……異世界転生出版

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