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第46話 「雷鳴!ワタルvsジンッ!」

 前回までのあらすじ! ワタルはスカイ王国の国王に命じられ、地下牢から脱獄した3人の死刑囚を捕まえることになった! しかしこの3人はそれぞれが圧倒的な能力を持った凶悪犯ばかり! 果たして、ワタルは無事に全員を捕まえることができるのだろうか!?











 そんなわけで、早速脱獄囚の捜索を開始したワタルとアリアッ!


 スカイ王国の繁華街を歩き回りながら、彼らは話し合ったッ!


「まずは情報を整理しましょう、ワタルさん。脱獄したのは、ジン、クラック、そしてガウラの3人。それぞれが特殊な能力の持ち主で、凶悪な犯罪者ということなんですよね?」


 アリアの完璧な説明セリフに、読者の皆様は大助かりッ! 圧倒的感謝ッッッ!!!


「うむッ、その通りだッ! 一刻も早く捕まえないと、罪のない一般市民に被害が及んでしまうッ!」


「では、まず捜索の目星をつけましょう。やはり脱獄犯なのですから、こういった人の多い繁華街にはあまり近付きたがらないと思います」


 アリアの推理が冴えわたるッッッ!!!


「おお、たしかにッ! では人気のない場所へと向かうとするかッ!」


 こうしてワタルたちは、郊外方面へと向かうことにした!











 数分後ッ!


 ワタルとアリアは、スカイ王国郊外の草原へと到達ッ!


「……武ッ!?」


 すると早速ワタルは、前方に怪しい男を発見したッ!


「おい見ろアリアッ! あそこに座ってるやつ、黄色いロングコートを着ているぞッ!」


「あっ、本当ですね! あんな派手なロングコートを着てる奴なんだから、どうせ脱獄囚に決まってます! 行きましょう!」


 そう言ってアリアはその男に向かって走り出しッ!


 唐突に地面の砂をつかみ取ったかと思うとッッ!!





















「おいてめぇーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


 覚悟しやがれーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」





















 その砂を男目がけて投げつけたッッッ!!!


「流石はアリアだ……時々性格の方向性がまったくわからなくなるッ!」


 一部始終を見ていたワタルは、感心しながらそう言った!


 が、しかしッ!


 なんと、アリアが投げた砂は男に当たる直前に空中で火花を散らし、瞬時に蒸発して消えてしまった! おそらく、彼は電撃のバリアーのようなものをまとっているッッ!!


「「!?」」


 アリアとワタル、一斉に驚愕ッッッ!!!


「ワタルさん! こいつ……“ジン”です!」


「ああッ! そのようだなッ!」


 国王が語った脱獄囚の情報の中にあった、“自在に電撃を操る魔法使い”、その名もジンッ!


 今の電撃を見るに、目の前に座る彼こそがジンに違いないッ!


「やれやれ……騒がしいなぁ……」


 すると彼は立ち上がり、ワタルたちの方を振り向いたッ!


「君たち……なんなの?」


 ジンがその優し気な表情をムッと歪ませながら言うッ!


「俺はワタルッ! 国王に頼まれて、お前を捕まえに来たッッ!!」


 腕を組みながら堂々と宣言するワタルッ! するとジンは余裕の笑みを浮かべ、COOLな仕草で髪をかき上げたッ!


「フッ……やれやれ。悪いけど、僕はもうあんなむさ苦しい場所に戻る気はないよ。COOLな僕には似合わないところだ」


「ワタルさん! 私こいつムカつきます!」


 アリアがこめかみに青筋を立てながら怒るッ!


「ああッ! 俺もこういうクールぶる草食系男子は苦手だッ! とっとと倒して地下牢送りにしてやるッッッ!!!」


 言うが早いか、ワタルはジン目がけて飛びかかったッ!


 だが彼がジンの半径3メートルまで近付いた途端、体に凄まじい電流が流れてきたッッッ!!!






 ビリビリビリビリッッッ!!!






「あばばばばッッッ!!!」


 ワタル、悶絶ッ!


 電撃によって体が痺れ、動けなくなってしまったッ!


「ふふふ……僕は電気を自在に操る魔法使いだ……君みたいな暑苦しいやつが、僕に触れることなんてできないよ」


 ニヤリと微笑みながら言うジンッ!


「うぐう……そういえば奴の電気攻撃への対策を何も考えていなかった……ッ!」


 ワタル、ここにきて痛恨のミスッ! 国王から事前に能力を聞かされていたにも関わらず、なんの作戦も立ててきていなかったッッッ!!!


 勢い任せの性格がここにきてあだにッ!


「ちくせう……ッ! ちくせう……ッッ!!!」


 涙を流しながら地面に倒れ込むワタルッ!


 このままでは彼はジンに敗北してしまうッ! 敗北ということはそれすなわち、この作品の“連載終了”を意味するッッッ!!!


 まずいぞワタルッ! こんなところで連載を終わらせてはいけないッッッ!!!





















 するとその時ッ!


 彼らの前に、一人の男が現れたッッッ!!!


「……ん? 君たちは……ワタルとアリアか?」


 それは、聞き覚えのある、腹に響くような野太い声であったッ!


 格好は何故か上半身裸ッ! 身長はなんと2メートル超えッ! そして目を離さずにはいられないその神々しい腹筋と胸筋とスキンヘッドッ!


「お、お前は……ガーランドッッッ!!!!!」


 そうッ! 彼の名はガーランドッ! ワタルがスカイ王国に初めて来たときに戦った武闘家であるッ!


 ちなみに26話の戦いで行方不明になっていたが、ここにきて普通に再登場ッ! 死んでいなかったッッッ!!!


「久しぶりだな、ワタル! 元気か?」


「今元気に見えるかッ!?」


 ワタルは地面に倒れたまま叫んだッ!


「まあ……結構疲れてそうだな」


「というかなぜここにッッ!?」


 ワタルは地面に倒れたまま尋ねたッ!


「なぜって、ここは俺のランニングコースだ。毎日ここを走ってる」


「なるほどなッ! こいつはすごい偶然だッ!」


 ワタルは地面に倒れたまま感激したッ!


「それよりも、何があったんだ? それと、そこの黄色いコートの男は誰だ?」


 ガーランドが首をかしげながら聞いてきたので、アリアが今までのいきさつを完璧に説明したッ!


「なるほど、じゃあそいつは脱獄囚ってことか。見過ごせないな」


 彼が言うと、ジンは不機嫌そうな顔で口を開くッ!


「やれやれ、また暑苦しいのが増えた。勘弁してくれよ。僕、こういうの好きじゃないんだ」


「ふん、そうかい。俺もお前みたいな軟弱野郎は苦手だ。よし、ワタル。ここは俺に任せておけ!」


 そう言うとガーランドは頼もしく胸を張ったッ! そこから更に両腕を天に掲げつつ曲げて、上腕二頭筋をアピールッ!


 あ、あのポーズはッ! 間違いないッ! ガーランドおなじみの“ダブルバイセップス”だッッッッッ!!!!!


「……なあ、そろそろ始めてもいいか?」


 しびれを切らしたジンが口をはさむッ!


「おお、悪い悪い。そうだな。それじゃあ……すぐに終わらせてやるぜ!」


 そう言ってポージングをやめたガーランドは、戦闘態勢に移行ッ!


 腰を低く落とし、右肩を前に突き出しながらジンに向かってタックルを開始したッ!


 その巨体からは想像もできないほどのスピードッ! 圧倒的なまでの馬力ッ! そして輝くスキンヘッドッ!


 彼の雄姿は、例えるならば高温の熱を発生させながらひた走る、勇猛な蒸気機関車であるッッッ!!!






 ――だがッ!


「無駄だ!」


 ジンはそう言うと、右手をバッと前に突き出したッ! すると彼の周囲に、青白いバリアーが現れるッ!


「これは……俺がさっきくらった電撃のバリアーかッ! まずい、止まれガーランドッ!」


 焦った表情で叫ぶワタルッ! しかし機関車は急には止まれないッ! 常識であるッ!


「うぉぉぉぉ!!!!!」


 なんとガーランドは、気合を入れながら電気のバリアーに突撃ッ!


 果たして、ガーランドの運命や如何にッッッ!!!


 次回、「その手があったか!ワタル、いい作戦を思いつくッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]蒸気機関車の歴史……異世界転生出版


[2]蒸気機関車の原理……異世界転生出版

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