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第43話 「恐怖!ワタル、肝試しに行くッ!」

 前回までのあらすじ! なんと“ウィンド大陸最強アイドル決定戦”は、スカイ王国乗っ取りを狙うピクシーによる罠だった! そんな彼女を歌の力で打ち倒すため、ワタル、ブレイド、ジョニーによるアイドルユニット“ゲキアツ☆レボリューションズ”は、最初で最後のライブを決行したッ!











「どうだッッッ!!!」


 この日のために用意してきた曲“熱血のミラクル☆スター”を満身創痍で歌い切ったワタルたちッ!!


 要所要所で入るダンスのキレも完璧であったッ!


 するとッッッ!!!


「ウグァァァ!!! 体が消えていくーーー!!!」


 彼らの激熱バイブスなアイドルソングに感動したピクシーが消滅していくッ!


「やった! ピクシーが消滅していくよ!」


 歓声を上げる全身黄色タイツのジョニーッ!


 こうして、ワタルたちは無事にピクシーを倒し、スカイ王国を危機から救うことに成功したッ!


「ありがとうワタル……今回のことで目が覚めた。今度からは、真面目に働くことにするぜ」


 ブレイドはワタルを見据えながら言ったッ!


「おうッ! それがいいッ!」


 ちなみに他の大会参加者たちは、マリーの看病のおかげで全員一命をとりとめたッ!


 これにて一件落着ッ! 圧倒的めでたしッッッ!!!











 数日後ッ! ワタルがいつものように自室で筋トレをしていると、いきなりドアを開けてアリアが入ってきたッ!


「ワタルさーーーん!」


「武ッッッ!?!?」


 ちなみに、今まで一切描写がなかったので忘れそうになっていたが、ワタルはアリアの両親が経営する病院の一室を借りて暮らしているッ!


「なんだアリアッ! 部屋に入る時はノックぐらいしろッ!」


 そう言って彼は腕立て伏せを中断して立ち上がったッ!


「それで、要件はなんだッ!」


「暇なので肝試しに行きましょう、ワタルさん!」


 アリアがにっこりと微笑みながら答えるッ!


「おっ、このあつい季節にはぴったりだなッ!行くかッ!」


 こうして、ワタルとアリアは肝試しに行く事になったッッッ!!!











「それで、今俺達が向かっている洋館はどんな場所なんだッ???」


 肝試しスポットへ向かう道中、ワタルはアリアに尋ねるッ!


「聞いた話によると、そこには昔、資産家として有名な夫婦が住んでいたそうです」


「ほう、夫婦かッ!」


「でもある日、なぜか二人は謎の病にかかり、同時に亡くなってしまったんです」


「何ィッ!? 恐ろしいなッ!」


「そんなわけで、“資産家夫婦が呪いで殺された”という噂が広まり、以降誰もその館には近付かなくなりました」


「なるほど……たしかに、肝試しにはぴったりだなッ!」


 そのままスカイ王国の繁華街を抜け、閑散とした地域を進むことさらに数分後ッ!


「あっ、見えてきましたよ!」


 アリアはそう言って前方を指したッ!


「おお……あれかッ!」


 そこには、所々ツタで覆われた不気味な洋館が存在していたッ!


「それじゃ、早速行くかッ!」


「はい!」


 こうしてワタルとアリアは、迷わず洋館へと直行ッ!


 鍵のかかっていない大扉を開け、中に入ったッ! しかしその中は、明かりも何もない真っ暗闇!


「暗いな……ッ!」


「任せてください!」


 アリアはそう言うと、右腕を前に突き出すッ! するとその手のひらが、白くぼんやりとした光を出し始めたッ!


「おお、魔法かッ!?」


「はい! 回復魔法以外でも、こういう簡単なものなら使えますよ!」


 これによってワタルたちは照明を確保ッ! 洋館の散策が可能になったッ!


「しかしまあ、不気味なところですね……」


 右手の光で前方を照らしながら、アリアは呟くッ! その肩は小刻みに震えていた!


「うむ、そうだな……ッ!」


 ワタルもそれに同意するッ!


 確かに彼女の言う通り、洋館内は不気味な雰囲気が漂っていた!!


 かつてはきらびやかだったのであろう廊下の壁の装飾は、老化によって所々くすみ、カビが生えている!


 さらに天井は埃やクモの巣ばかりで、とてもじゃないが衛生的とは言えないッ!


「うわ、なんだか怖くなってきた……もう帰りません?」


「なんだよアリアビビってるのかッッ!? 大丈夫だ、もう少し進もうッ!」


 ビビるアリアを鼓舞しながら、ワタルはガンガン進んでいくッ!


 するとッ!


「アッ! あそこに部屋があるぞッ!」


 ワタルは目の前に扉を発見したッ!


「早速中に入ってみようッ!」


「えー、やめましょうよー」


 ごねるアリアを完全に無視して、彼はガチャリとドアを開け入室ッ!


「……ここは……書斎かッ?」


 その部屋は、全ての壁が本棚になっていたッ! そこにはズラリと書籍が並べられ、独特の威圧感を放っているッ!


「なあアリア、ここには一体何の本が置いてあるんだッ???」


 ワタルはいまだにこの世界の文字が読めないので、どんな本があるのか分からないッ!


「えーっと……ほとんどが、このウィンド大陸に伝わる伝承や宝物についての本ですね……もしかしたらここに住んでいた人は、トレジャーハントに興味があったんでしょうか」


「かもしれんなッ!」


「それじゃ、気味が悪いんで次に行きましょうか」


 アリアはそう言って、そそくさと部屋から出ようとした!











 ――が、しかしッッッ!!!











「……あれ?????????? なんで??????????」


 アリアはドアノブを握りしめながら、焦ったように呟きを漏らすッ!


「ん? どうしたッ???」


 不審に思ったワタルが彼女に話しかけたッ! するとアリアは涙目になりながら振り返り、口を開くッ!!!


「ドアが……開かないんですけど……」


「ッッッ!!!」


 ワタル、衝撃ッ!


「いや、待てッ! きっと老朽化のせいで立て付けが悪くなっているだけだッ! 俺に任せろッ!」


 そう言って彼はアリアと変わり、ドアノブを握りしめるッ! そして、思いッッッッッきり引っ張ったッッッッッ!!!!!


 だがッッッッッ!!!!!






 ググググッッッッッ!!!!!






「おッ おッ お!?」


 な、なんということだッッッ!!! “あの”ワタルが全力でドアノブを引っ張っても、扉がびくともしないッッッ!!!


 これは“ヤバイ”!!!!!


 おそらく、物理的な力ではなく魔法の力が扉に作用しているのであろうッッ!!!


 ワタルとアリア、絶対絶命のピンチッ!


「うげーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


 閉じ込められたーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


 助けてーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


 ヒロインとは思えないほど汚らしい悲鳴をあげるアリアッ!


「あきらめるなアリアッッッ!!! まだ何か方法があるはずだッッッ!!!」


 ワタルはドアノブから手を離し、アリアの方を振り返りながら叫んだッ!


 だがその瞬間、ワタルの目に写ってはいけないものが写ったッッ!!


「あれッッッ??? アリア、お前の後ろにいるの誰ッッッッ!?!?」


「はあ!?!?!?」


 ワタルに釣られてアリアも後ろを振り向くッ!


 するとッ!


 なんとそこにはッッ!!


 青白い顔色をした半透明の男性が立っていたッッッ!!!





















「んぎょえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





















 アリアの悲鳴が、呪われた洋館に響き渡るッッ!!!


 次回、「絶叫!ワタル渾身の除霊パンチッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]一般的な幽霊の特徴について……異世界転生出版

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