第4話 「ワタルvs四天王の一人目!ワタル、圧勝ッ!」
前回までのあらすじ!異世界にやって来たワタルは、異世界最強の存在である魔王と戦うために魔王城を目指す!しかしその道を阻むように現れた四天王の一人“リベリオン”ッ!ワタルとリベリオンの熱い戦いが幕を開けたッッッ!!!
「破ッッッ!!!!!」
先手必勝ッ!ワタル、渾身の正拳突きをリベリオンの鎧目がけてくらわせる!!!
「ふっ、そんなものかっ!」
「なにぃッ!?」
ワタルの拳をくらってもクールに振る舞うリベリオン!その漆黒の鎧は想像以上に固かった!
「今度はこちらから行くぞ!はぁっ!」
リベリオンは懐から長大な剣を取り出し、豪快に振り上げた!
「ワタルさん、危ない!」
叫ぶアリア!ワタルはとっさに後ろへ跳んで剣を回避ッ!さすがのワタルも、あの斬撃をくらえばかすり傷では済まないッ!
「ふはははは!ワタルとやら、そんなものか?」
リベリオンは骸骨の兜の下で愉快そうに笑ったッ!
この挑発に、ワタル、キレたッッッッッ!!!!!
「喝ッッッッッ!!!!!」
ワタルは気合いと共にリベリオンに向かって猛ダッシュッ!そしてジャンプし、敵の鎧に跳び蹴りをくらわせたッッッ!!!先程とは比べ物にならないほどの衝撃!!!さすがのリベリオンも後ずさる!!!!!
「くっ、やるな!ならばこちらも全力だ!」
そう言ってリベリオンはワタルに剣を振り下ろした!ワタル危うし!!
だがッッッッッ!!!!!
「武ッッッッッ!!!!!」
「な、何ぃ!?」
ワタル、相手の剣を素手で受け止めた!両手を合わせて剣をキャッチしたのだ!
「こ、これは……真剣白刃取り!?」
驚愕の声をあげるリベリオン!だが、これはただの真剣白刃取りではない!!!!!
「刃ッッッッッ!!!!!」
パキィィィィンッッッッ!!!!
ワタルはそのまま、掴んでいた剣を勢いよくへし折ったッッッッッ!!!!!
「すごいわワタルさん!!!」
アリア、ワタルを褒めるッ!なろうヒロインの的確な仕事ぶりッッ!!これには読者もご満悦ッッッ!!!
さて、ここで武闘派ではない読者の皆様のために解説しよう!この技は、“熱血白刃取り”という技である!!!
(※熱血白刃取り……戦国時代末期、熱血空手の師範であった一人の武人が編み出した技。白刃取りをした後に、熱い感情に任せて勢いよくその刃をへし折ることが特徴。伝説によると、その武人は丸腰で合戦に赴き、数多の侍の刀を素手でへし折ってしまったと言われている)
「くそ!!!騎士の魂である剣を破壊されてしまうとは!認めよう!私の負けだ!」
あっさりと負けを認めるリベリオンッ!すると彼は骸骨の兜を脱ぎ捨てたッ!
「な、なんだと!?」
ワタル、リベリオンの正体を見てびっくり仰天!なんとリベリオンの中身は目鼻立ちのくっきりとした美しい女性であった!!サラサラの青いロングヘアーが風になびく!肌は真っ白!ずっと鎧を着てたらそりゃあそうなる!
「やけに中性的な声をしていると思ったら……女性だったのか!殴ってすまなかった!」
ワタルは正統派の日本男児ッ!本来であれば女性に手など出さないッ!
「でも、あなたは人間ですよね?なぜ四天王として魔王に協力しているのです?」
アリアの当然の疑問に、リベリオンは答えたッッッ!!!
「私もかつては魔王を倒そうとして戦いを挑んだが、一騎打ちであっさりと倒されてしまってな……殺されるかと思ったが、魔王は私の力を見込んで配下にするとおっしゃったのだ。だから私は騎士として、魔王に忠誠を誓っているのだ」
「そんな……魔王が人間を見逃すなんて……」
信じられないと言った顔をするアリア!
「まあ魔王って意外といいやつなのかもな!どうでもいいけど!」
どうでもいいと言った顔をするワタル!
「それじゃあ俺達は魔王の城に行くから!じゃあな!」
「ああ……だが覚悟しろ。他の四天王は私よりも格段に強いぞ!」
「そうか!」
なんという事だッ!彼女は四天王の中でも最弱らしいッ!
そんなわけで引き続き森を進んでいると、彼らの前に一体の小さな妖精がフワリと現れた!
可愛らしい顔!きわどい服装!背中に生えた半透明の羽!間違いなく妖精だッ!
「ちょっと待ちなさいあんたたち!私は四天王の二人目、ハーピィーよ!ここから先には進ませないわ!」
「くッッッ!!!このまがまがしいオーラ……こいつ、できる……!!!」
ハーピィーの邪気に圧倒されるワタル!
「気を付けてワタルさん!」
アリアが心配そうに言ったッ!
しかしハーピィーの邪気は先程のリベリオンのそれとは比べ物にならないッッッ!!!
果たしてワタルは彼女に勝つことが出来るのか!!
もしや今度こそ、負けてしまうのだろうか!!!
次回「ワタルvs四天王の二人目!起死回生のラップバトルッ!」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]熱血空手全集……異世界転生出版
[2]異世界転生モノで妖精にありがちな名前一覧……異世界転生出版




