第36話 「覚醒!オーブの守護霊ッ!」
前回までのあらすじ! ドラゴンを倒すためオーブを集める旅にでたワタルとアリアとリベリオンッ! 早食い対決やカードバトルなど様々な試練を乗り越え、ついに5つのオーブの内4つを入手! するとその瞬間、オーブが一斉に発光ッ!
その光に導かれ、ワタルたちは最後のオーブの元へと急ぐのであった……ッッ!!
オーブの光に導かれ歩くこと早5時間ッ! ワタルたちは、森の中の祠へとたどり着いたッ!
「光はこの祠を指し示していますね……」
「ということは……この祠の中に最後のオーブがあるということかッッ!?」
ワタルは目の前の祠に注目するッ! それは、石を削って作られたと思われる1メートル四方の四角い箱であったッ! 随分長い間この森に放置されていたのだろう、所々苔が生えているッ!
「気を付けろ、ワタル。祠とは神聖なものだ。下手に扱うとバチが当たるかも知れん」
「うむ、たしかにそうだなッッ!!」
リベリオンの忠告に素直に頷くワタルッ!
すると彼はおもむろに祠の前へと歩み寄り、
「喝ッッッッッ!!!!!」
ドゴオォォォォォンッッッッッ!!!!!
瓦割りの要領で祠を破壊ッッッッッ!!!!!
一瞬にして祠は無残な瓦礫の山へと変貌を遂げたッッッッッ!!!!!
「何やってるんですかワタルさん!!!!!!!!!!」
「これもドラゴンを倒すためなんだッッ!! 神様も分かってくれるだろッッッ!!!」
ワタルは悪びれもせずに言うッ!!
すると瓦礫の中から、黒い光が漏れだしてきたッ!
「武ッッ!?!?」
その発光に気付いたワタルは、素早い動作で瓦礫をどかすッ!
「アッッッ!!! オーブだッッッ!!!」
そこにはワタルが言う通り、黒いオーブがあったッ! つまりこれで、オーブは全てそろったということになるッ!
おめでとうワタルッッッ!!!
これには思わず読者の皆様も満面の笑みで拍手喝采ッッッ!!!!!
――しかしッ!
「待ってくださいワタルさん!」
その“異変”を、アリアがいち早く察知したッ!
「――ッッ!?」
なんとッ! 黒いオーブから、モクモクと煙が上がってきているではないかッ!
「な、なんだその煙は!?」
驚愕するリベリオンッ!!!
「ちくしょうやべえッ! 本当にバチが当たったッッ!!」
すると突然、そのガスがリベリオンに向かって一直線に移動していくッ!
「!!!」
反応する暇もなく、彼女の顔の周りを凄まじい勢いでガスが駆け巡ったッ!
「う、うわあぁぁ!!」
叫ぶリベリオン! そのガスを全て吸い込んでしまった彼女は、地面にドサリと倒れ込んでしまった!!
「り、リベリオンッ!」
「リベリオンさん!」
すぐさま駆け寄るワタルとアリアッ!
「おいッッ!! しっかりしろッッ!!」
ワタルは必死の形相でリベリオンの体をゆするッ! そうすると、彼女はパチリと目を覚ましたッ!
「あ、リベリオンさん! 大丈夫ですか!?」
心配そうに声をかけるアリアッ! だがしかし、リベリオンはその言葉には反応せず、ただただ無言で立ち上がるッ!
「お、おいッ! リベリオンッッ??」
するとリベリオンは、氷のように冷たい表情で口を開いたッ!!!
「リベリオン……? 違う、私の名前は“ゴースト”……最後のオーブを守る者……」
「……り、リベリオン……ッ! 厨二病をこじらせていよいよおかしくなったかッッッ!!!」
「違うと思いますワタルさん! リベリオンさんは多分、身体を乗っ取られてしまったんです!」
「ああ、なるほどッ!」
アリアの的確な状況説明に納得するワタルッ!
「おい、貴様……最後のオーブが欲しいのならば、先にこの私を倒すがいい……」
リベリオンの身体を乗っ取ったゴーストが言ったッ! これにはワタルも苦痛の表情ッ!
「な、なんだとぉッッ!? リベリオンは俺の大切な仲間なんだッ! いくら身体を乗っ取られているとはいえ、拳を向けるなど出来ないッッ!!」
ワタルは、美しき心を持った日本男児であるッ! 故に、友情には人一倍熱いのだッッ!! そんな彼が仲間を攻撃するなど、どのような理由があろうとありえないッッッ!!!
「ほう、ならば一生オーブは手に入らんぞ? この身体も、ずっと私が乗っとったままだ」
「……それはまずいなッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
言うが早いか、ワタルはリベリオンに渾身の正拳突きを繰り出したッッ!!
「ぐはぁ!!」
その拳をまともにくらったリベリオンが、真後ろに思いっきり吹っ飛ぶッッ!!
そのまま彼女は時速900キロのスピードで後ろの大木に激突ッ! その衝撃で木が文字通り木っ端みじんッッ!! 森林伐採ならぬ森林粉砕であるッッッ!!!!!
「ワタルさん!! そこはもうちょっとためらうところです!!」
「しょうがないだろッッ!!!」
ワタルは逆ギレしたッッ!!
が、しかしッ!
「ほう、やるではないか……」
土煙の中から、リベリオン――いや、ゴーストがむくりと立ち上がるッ!
「何ィッッ!? 今の攻撃を受けて立ち上がれるだとぉッ!?!?」
「次は私の番だ……!」
そう言うとゴーストは、腰に下げていた鞘から剣を引き抜いたッ! そしてその刃渡り1.2メートルはある長大な剣を、油断なく構えるッ!
「……くらえ!!」
ゴーストが突進しながら刃を振りかざすッッ!! ワタル、危うしッ!
「破ッッッッッ!!!!!」
ワタルはとっさに横っ飛びッ! 敵の斬撃を寸でのところでかわしたッ!
「ふん、ちょこまかと逃げ回りおって! ここまでたどり着いたということは、オーブを4つ集めたのだろう? その割には、大したことないなぁ!」
「……なんだァ? てめェ……ッッッッッ!!!!!」
ゴーストの挑発に、ワタル、キレた!!
「喝ッッッッッ!!!!!」
ワタルは気合いと共にゴーストに向かって猛ダッシュッ! そしてジャンプし、跳び蹴りをくらわせたッッッ!!!
「ぬぅ!」
先程の正拳突きとは比べ物にならない程の衝撃ッッ!! だがッッッッッ!!!!!
「……ッッ!?」
驚くべきことにッ! ゴーストはワタルの脚を掴みッッ!! その跳び蹴りを受け止めたッッッ!!!
「あ、ありえん……ッ!」
「ぬぅぅん!」
そのままゴーストはワタルを投げ飛ばすッ!
「クッッ!!」
ワタルはなんとか空中で姿勢を制御し、地面に上手く着地ッ!
しかし、彼の頬には尋常でないほどの汗が流れていたッッ!!
「このパワー……本来のリベリオンではありえないはず……ッ!」
「その通り……今この体の中には、元の人間の力だけでなく、オーブのエネルギーも入っているのだ……」
ワタル、絶体絶命のピンチッ! このままではリベリオンをゴーストから解放することが出来ないッ!
果たして、彼は勝つことが出来るのか!!
もしや、負けてしまうのだろうか!!!
次回「ワタルvsオーブの守護霊!言うまでもなくワタル圧勝ッ!」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]祠とかぶっ壊した時にありがちなこと100選……異世界転生出版




