表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/138

第35話 「逆襲!これが漢のカードバトル道ッ!」

 前回のあらすじ! 4つ目のオーブを求めてとある村にやってきたワタルたち! なんとそこでは、“モンスター・デュエル”というカードゲームが大流行していた!


 そして成り行きにより、ワタルは突如現れた村長・ジャスティス加藤とオーブを賭けてカードバトルをすることになった! 初めてのカードバトルに戸惑いながらも、ワタルはゴブリンを召喚! しかし対する加藤が召喚してきたのは、見るからに強そうなモンスター“ブラックアイズ・ブルー・サイクロプス”であった! どうなるワタル!!











「……それで、ここからどうするッッ!!」


「あとは単純さ! このモンスター同士を戦わせるんだ!! シャキーーーン!!!」


 ワタルの質問に決めポーズを取りながら答えるジャスティス加藤ッ!!


「わかったぜ! ……でも、手札の残った4枚のカードはいつ使うんだッッ?????」


「手裏剣みたいに投げて遊ぶと楽しいぜ!!」


「おお、そうなのかッ!!」


 それを聞いたワタルは、早速残った手札を手裏剣のように投げ始めたッ!


「このカード良く飛ぶなぁッ!!」


 すると時速600キロを突破したそのカードが、凄まじい勢いでアリアの眉間に直撃ッッッ!!!!!


「うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


 彼女は絶叫しながら眉間から鮮血を吹き出したッッッッッ!!!!!


「大丈夫かアリアッ!」


 もちろん彼女は回復魔法を使えるので問題ないッッ!!


「くっくっく、よそ見をしている場合か?」


「何ィッッ!?」


「行け! サイクロプス!」


 加藤が命令すると、それまでじっと押し黙っていたサイクロプスが突如動き出したッ!


「グオアアァーー!!」


 サイクロプスは右腕に握った巨大な棍棒を振り上げながら、勇ましくワタルのゴブリン目がけて走りかかってくるッ!


「クッ! ゴブリン、応戦しろッッ!!」


 ワタルも加藤に負けじとモンスターに命令ッ!


 それによってゴブリンも動き始めたが、その手に持っている武器は小ぶりなダガーッ! どうあがいても勝ち目などないッ!


「フハハハハ!! この勝負、もらったぁ!」


 ゴブリンに向けて棍棒を振り下ろすサイクロプス!!


 それをなんとかダガーで受け止めるゴブリンであったが、力の差は歴然ッ! このままでは、ワタルのゴブリンは棍棒に押しつぶされてしまうッ!


「頑張れッッ!! 俺のゴブリンッッッ!!!」


 ワタルの全力の応援も空しく、徐々に力負けしていくゴブリンッ!


「ちくしょうッッッッッ!!!!! もうこうなったら俺が直接戦った方がはやいッッッッッ!!!!!」


 そう叫ぶや否や走り出そうとするワタルであったが、それを加藤が制止ッ!


「おおっと、それはルール違反だ! プレイヤーが敵のモンスターに直接触れるのは、このカードゲームでは禁止されている!」


「な、なんだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」


 ワタル、絶望ッ! 圧倒的絶望ッッッッッ!!!!!


 一瞬にして目の前が真っ暗になっていく!


 絶望に打ちひしがれた彼が地面に膝をつくのと同時に、ゴブリンが敵の棍棒によって吹き飛ばされたッ!


「――ハッ!!!!!」


 凄まじい反射神経で立ち上がったワタルは、そのまま垂直にジャンプッ! 吹き飛ばされたゴブリンをその腕で受け止めたッ!


 ちなみに、プレイヤーが自分のモンスターに触れるのは禁止されていないッ!


「おい! 大丈夫か、ゴブリンッ!」


 地面に着地したワタルは、腕の中でぐったりとしているゴブリンに話しかけるッ!


「どうやら、もう決着はついたようだな……!!!」


 そう言ってほくそ笑むジャスティス加藤!!


 しかし、ワタルは諦めないッッ!!!


 なぜなら、彼は知っていたからだッッ!!!!!


 カードバトラーに大切なのは、“諦めない心”だということをッッ!!!!!


「まだだッ! まだッッ!! 終わってねぇッッッ!!!」


 するとワタルは、獅子の形相でデッキからカードをドローッッッ!!!


「うおぉぉぉッッッ!!! これが俺の切り札だッッッ!!!」


 そして彼は、そのカードを加藤目がけて投げつけたッ! しかしッッ!!


「無駄だぁ!」


 加藤は、なんと飛来してきたカードを2本の指でパシリと止めたッ! 時速700キロのカードを止めるなど、デュエルキングである彼にしか出来ない芸当であるッ!!


 だが、それすらもワタルは予測していた!!!


「本番はここからだぁッッッッッ!!!!!」


 彼はそう叫ぶと、右腕にゴブリンを掴んだままその場でグルグルと回転を始めたッ!


「な、何をするつもりだ……!!」


 あっけにとられる加藤ッ!


 そんな彼を横目に、ワタルの回転速度はグングンと上昇していくッ!


 あまりの回転の速さに、周囲には竜巻が発生ッッ!!


「くらえッ! これが、俺とモンスターとの絆だッッ!!」


 そしてワタルは、トルネードの回転を活かしながら、手に持っていたゴブリンを敵のサイクロプスに投げつけたッ!


 ゴブリン、えげつない速度でサイクロプスに激突ッ!


「ウゴアアァァァ!!!!!!!!!!」


 サイクロプスが悲鳴を上げるッ!


 そのままゴブリンとサイクロプスは、地平線の彼方まで飛んでいってしまうのであった……ッッッ!!!


「流石ですワタルさん! 回転を利用して自分のモンスターを投げつけることで、敵を倒しましたね!」


「なるほど、敵のモンスターには触れないが自分のモンスターには触れる、というこのゲームのルールを逆手に取ったか……やるな、ワタル!」


 口々にワタルを褒めるアリアとリベリオン!!


 ちなみに、今の技は“熱血トルネード投法”というものであるッ!


(※熱血トルネード投法……1997年、アメリカのメジャーリーガーであるフォギー・ケイジが考案した投法。ボールを投げる前にその場でグルグルと回転し、投球に勢いをつけるのがこの技の特徴。しかし肩への負担が著しく大きいため、2005年に国際野球連盟によって使用が禁止されたことは記憶に新しい)


「……俺の、負けだ……」


 加藤はそう呟くと、その場でガックリとうなだれた! ヒトデみたいな頭もしょんぼりとしているッ!


「ジャスティス加藤ッ! お前とのデュエル、楽しかったぜッ! じゃあオーブよこせッッ!!」


「え? う、うん……」


 完全に意気消沈した加藤は、コートのポケットから黄色い球体を取り出したッ! 言うまでもない、オーブであるッ!


「サンキューッッ!!」


 ワタルはジャスティス加藤からそのオーブをもぎ取ったッ!


 こうしてついにオーブを4つ集めることに成功したワタルッ! 残るはあと1つだッッ!!


「おい加藤ッ! 最後の1個がどこにあるか言えッ!」


「し、知らねぇよ……」





















 詰んだッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!





















 このままでは最後のオーブの居場所が分からないッッ!!


 そんなことではこの小説の連載が終わってしまうぞッッッ!!! どうするワタルッッッッッ!!!!!


 すると、その瞬間ッッ!!


「……武ッッ!?!?」


 ワタルの手の中にあった4つのオーブが、一斉に光りだしたッッッ!!!






 ピカアァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!






 オーブたちから、南西の方角に向かって一条の光が発せられているッ!


「こ、これは……もしや、この方角に最後のオーブがあるということなのかッッ!?」


「分からんが、物は試しだ。とにかく行ってみよう」


「そうですね! 行きましょう!」


 こうして、ワタルとアリアとリベリオンは南西へと向かい歩き出したッッッ!!!


 次回、「覚醒!オーブの守護霊ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]サルでもわかる!熱血トルネード投法の投げ方!……異世界転生出版

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ